【画像&事例付き】ハローワークでの求人の出し方は?手続きの流れや注意点を解説

【画像&事例付き】ハローワークでの求人の出し方は?手続きの流れや注意点を解説
目次

ハローワーク(公共職業安定所)は、就職や転職を支援してくれる厚生労働省の機関です。

求人といえばまずハローワークを思い浮かべる方が多いですが、どのように掲載すればよいでしょうか。

本記事では、ハローワークでの求人の出し方や手続きの流れ、求人票の書き方で注意するポイントについて、例文を交えて分かりやすく記載していますので、ぜひ参考にしてください。

正しい使い方してますか?ハローワーク活用テクニック

「ただ出しているだけ」「まったく応募がない」という方へ向けて、ハローワークのポテンシャルを最大活用するテクニックについてご紹介します。


ハローワークとは

まずは、ハローワークの開庁時間や、派遣会社・ハローワークプラザとの違いといった、基本的な事項についておさらいしていきましょう。

ハローワークインターネットサービスとは?事業者にも求職者にも便利なツールを解説


開庁時間

ハローワークは、原則として平日の8:30~17:15まで開庁しています。

しかし、次のような理由から、厚生労働省では9:00~17:00までの利用を推奨しています。

  • 初めてハローワークを利用する場合、求職申込みの手続きが必要で、書面への記入内容の確認も含め30~40分程度の時間がかかる(職業相談も同様)
  • ハローワークから求人者(事業所)に連絡をとった際、以下の時間帯は他の時間帯に比べて連絡がつながりにくい場合がある
    ・早朝(8:30~9:00)
    ・昼休み(12:00~13:00)
    ・夕方17:00過ぎ

その他、雇用保険の受給資格決定の手続きにも時間を要するため、その場合は16時までに来庁することをおすすめします。


ハローワークと派遣会社の違いとは

派遣会社は、企業のニーズ(希望条件)にマッチする人材を、派遣先(職場)に派遣する会社のことです。

雇用契約は派遣会社と派遣社員の間で交わされており、仮に派遣社員を自社で直接雇用したい場合は、派遣期間が終了してから正社員として雇用する流れとなります。

一方で、ハローワークの紹介から採用に至った場合、それは自社の直接雇用となります。

人材紹介会社のニュアンスに近いですが、ハローワークの場合、紹介料はかからず無料で利用できます。


ハローワークとハローワークプラザの違いとは

ハローワークプラザは、いわゆる出先機関の一種であり、ハローワークと比較して駅前およびその周辺などのアクセスしやすい場所に立地している傾向にあります。

雇用保険関係、または職業訓練の申込みといった手続きはできませんが、それ以外のことはハローワークプラザでも受け付けてもらえます。

また、ハローワークプラザは、ハローワークに比べて開庁時間・閉庁時間が遅めに設定されているため、より多くの求職者による利用が期待できます。

※ハローワーク以外にも「無料で利用できる求人サイト8選」
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ハローワークが提供しているサービスとは

多くの人がイメージするハローワークのサービスは、例えば求人紹介や職業相談、雇用保険関連の手続きではないでしょうか。

しかし、ハローワークが求職者に提供しているサービスはそれだけに留まらず、求職者が希望する職種に就くためのスキル・知識を得るための訓練や、スムーズに就職ができるようなサポートなども実施しています。

以下、ハローワークが提供している各種サービスにつき、主なものに絞って詳細を解説していきます。


求人紹介・職業相談

求人紹介には、ハローワークの窓口で職員が求職者に求人を紹介することや、ハローワークの求人が検索できるインターネットサービスを提供することなどが該当します。

企業がハローワークで募集をかける際は、最初に事業者登録を行い、それから求人申込書を提出します。

また、ハローワークでは、求職者のキャリア形成・転職の成功に関する悩みを抱えている求職者が、各種職業の相談をすることもできます。

ちなみに、職業相談の一環として、各種就職セミナーや合同説明会の開催を教えてもらえる場合もあります。


雇用保険の手続き

雇用保険の手続きは、ハローワークの重要な役割の一つであり、職員は離職者が受給要件を満たしていることを確認した上で、受給資格の決定を行います。

企業側から退職勧告を受けたにもかかわらず、自己都合退職として処理されている場合など、離職理由に異議がある場合もハローワークが相談窓口となります。

離職者が再就職するまでに受け取れる「失業給付金」のほか、失業給付の受給期間中に就職が決まると受け取れる「再就職手当」に関する手続きなど、ハローワークでは求職者の生活に直結する重要な手続きを行っています。


職業訓練の相談

ハローワークでは、仕事探しをしている人を対象にした、無料の職業訓練「ハロートレーニング」を実施しています。

求職者は、原則受講料無料(テキスト代は自己負担)で、身に付けたいスキルに合わせて多様なコースの中から選ぶことができます。

具体的なトレーニングの種類は2つに分かれており、雇用保険の受給者は「公共職業訓練」を、受給していない人は「求職者支援訓練」を受けられます。

職業訓練を受けた人材を獲得できれば、即戦力とはいかないまでも、企業としても入社後の教育の手間をある程度省ける可能性があります。


就職活動のサポート

ハローワークでは、求人情報の案内や職業相談だけでなく、就職活動をサポートする様々な支援メニューも用意しています。

求職者にとって特にありがたいものの一つには、履歴書などの応募書類の作り方・面接の受け方といった個別相談・セミナーなどが該当し、求人企業とのミスマッチ低減に貢献しています。

また、失業時は将来の不安からどうしても急いで仕事を探したくなるものですが、そのような人は、ハローワーク就職支援センターを利用することで、再就職支援プログラムによる計画的・継続的な相談を進めることができます。

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ハローワークの求人の出し方(手続き方法)

ハローワークの求人の出し方には以下の2種類の方法があります。

  1. ハローワークに出向き、紙の書類に必要事項を記入して窓口で手続きする
  2. 事前に会社のパソコンなどで仮登録し、ハローワークに出向いて本登録する

2021年9月21日からインターネット経由での登録ができるようになりました。求職者もオンラインで求人の検索が出来るようになっています。

【参考】2021年9月21日からハローワークインターネットサービスの機能がより便利になります!
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20400.html

上記の2種類の手続き方法は記入する項目や必要書類は同じですが、手続きの流れが微妙に異なりますので注意しましょう。次のセクションで手続きの流れについて説明します。


求人手続きの流れ〜ハローワークに出向いて手続きする場合〜

ハローワークの求人手続きの流れを以下にまとめます。

こちらはハローワークに出向いて手続きする場合です。

  1. 事業所を管轄するハローワークへ行く
  2. 事業所登録をする
  3. 求人申込書を書いて提出する
  4. 求人票を受け取る


1.事業所を管轄するハローワークへ行く

まず、自社の求人を出したい事業所が管轄されているハローワークへ行きます。

ハローワークは全国に544ヶ所あり、それぞれ管轄区域が決まっています。ハローワークのホームページで自社の管轄を調べてから行きましょう。

【参考】全国のハローワークの所在案内


2. 事業所登録をする

ハローワークに着いたら事業所情報を登録をします。

事業所登録には以下の2枚の書類に記入する必要があります。

事業所登録及び求人申込書の登録は、ハローワーク内のパソコンで登録することもできます。

  • 事業所登録シート①
  • 事業所登録シート②(事業所PR情報)※任意

事業所登録シート①に記入する項目は以下の通りです。

登録した内容は、「求人票」に共通して掲載され、求職者に提供されますので、わかりやすく正確に記入しましょう。

  • 企業基本情報 
  • 事業所基本情報
  • 事業内容、会社の特徴 
  • 従業員数、加入保険、年金などの細かい情報 
  • 就業場所の情報

事業所登録シート②(事業所PR情報)に記入する項目は以下の通りです。

登録した内容は、「求人票」には掲載されませんが、ハローワークインターネットサービス、ハローワーク内に設置されたパソコン(検索・登録用端末)を通じて公開されます。

  • 代表的な支店・営業所・工場等 
  • 福利厚生・研修制度
  • 両立支援の内容 
  • 障害者に対する配慮に関する状況

事業所登録をするのは最初の1回のみです。

2回目からは登録の必要はありません。
ただし、登録情報に変更があった場合は変更手続きをしないといけません。


3. 求人申込書を書いて提出する

事業所登録が出来たら求人申込書を書いて提出します。

初めてハローワークを利用する際には事業所登録と一緒に求人申込書も書いて渡します。

3枚も書類を書くのはなかなか大変ですが、書類の充実度に応じて求職者の反応も変わりますので頑張って書きましょう。


求人申込書に書く項目は以下の通りです。

  • 求人区分(フルタイム、パートなど) 
  • 仕事内容や職種 
  • 賃金や手当 
  • 労働時間 
  • 保険・年金・定年など 
  • PR情報 
  • 選考方法

書けたらハローワークへ提出します。
このとき、メールアドレスがあれば求人者マイページのアカウントも窓口で発行されるので、一緒に手続きをしてしまいましょう。


4. 求人票を受け取る
ハローワークで求人票が出来たら、それを発行してもらえますので受け取ります。

受領した求人票は、同じものがハローワーク内の情報端末、掲示板、インターネットサービスなどで公開されます。求職者の応募を待ちましょう。


求人手続きの流れ〜インターネットで事前手続きをする場合〜

会社などのパソコンからインターネットを通じて仮登録する場合には以下の流れで行います。

事業所登録と求人情報の入力を事前に登録してから、ハローワークで本登録する方法です。

  1. ハローワークインターネットサービスにアクセスする
  2. 求人者マイページのアカウント開設をする
  3. 事業所登録をする
  4. 求人情報を入力する
  5. ハローワークに出向き本登録をして、求人票を受け取る


1.ハローワークインターネットサービスにアクセスする

以下のサイトがハローワークインターネットサービスです。まず、こちらにアクセスしましょう。

【参考】ハローワークインターネットサービス


2. 求人者マイページのアカウント開設をする

インターネットから手続きするには先に求人者マイページのアカウント開設が必要です。

トップページの「事業所登録・求人申込み」をクリックし、以下の情報を入力して開設をしましょう。

  • メールアドレス
  • パスワード

【参考】求人者マイページ開設方法


3. 事業所登録をする

企業の基本情報と事業所の基本情報を登録します。

登録する項目は以下の通りです。

  • 法人名、所在地、設立年、資本金などの基本情報 
  • 事業内容、会社の特徴、社会保険、定年制、育児休業制度など、企業の詳細情報 
  • 事業所の就業場所についての情報 
  • 事業所のPR情報(主要取引先や年商など)
  • 事業所の外観や仕事中の写真など 


4. 求人情報を入力する
次に以下の通り求人情報を入力します。

  • 求人区分(フルタイム、パートなど) 
  • 仕事内容や職種 
  • 賃金や手当 
  • 労働時間
  • 保険・年金・定年など 
  • PR情報 
  • 選考方法 


5. ハローワークに出向き本登録をして、求人票を受け取る
仮登録が終わったら本登録のためにハローワークに出向きます。

窓口で入力した内容の確認と手続きをします。

求人票が出来たら、それを発行して貰えますので受け取ります。
求人票は受領したものと同じものが公開されます。

求職者の応募を待ちましょう。

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2つの選考パターン

ハローワーク側に求人申込書を提出し受理されたら、その後は求人票が公開され、求人企業は以下の2種類の方法で求職者を募集することになります。


ハローワークによる自社求人紹介

ハローワークでは、窓口またはハローワークインターネットサービスによって、求職者に求人を紹介しています。

窓口の場合は、求人条件に合致する人材かどうか、面接日をいつにするかなど、窓口のスタッフが企業に連絡を入れます。

これに対してハローワークインターネットサービスの場合、企業が「求人者マイページ」を既に作成していれば、オンラインハローワーク紹介という機能により「求職者マイページ」に求人情報が送信されます。

なお、紹介状は求人情報に応募があったタイミングで発行され、応募状況は企業にも通知されます。


求職者自身による応募

ハローワークインターネットサービスに求人者マイページを作成している企業は、同じくインターネットサービスを利用している求職者自身による応募を受け付けることができます。

求職者が応募すると、企業の求人者マイページに通知が届くため、その後企業は求職者と面接の日程調整を行う形になります。

ただし、応募にあたりハローワークからの紹介を受けていないと、次のような「ハローワークの職業紹介」を要件とする助成金が支給されないおそれがあるため注意しましょう。


  • 特定求職者雇用開発助成金
  • トライアル雇用助成金
  • 地域雇用開発助成金


採否の決定

応募があった後は、面接を行い、応募者の採否を決定します。

求人媒体別に選考基準を設けている場合を除いては、ハローワークからの応募につき、特段面接の流れを変更する必要はないでしょう。

人材採用の経験に乏しく、何か選考において悩むことなどがあれば、ハローワークに相談するという選択肢もあります。

なお、ハローワークを通しての応募における選考結果については、必ず本人に直接連絡し、加えてハローワークにも連絡を入れる点に注意が必要です。


求人申込書の項目と書き方

ハローワークの求人申込書は、細かく項目が設定されています。

たくさんの応募に繋げるためにも、書き方を覚えて、求職者の興味を引き出す内容にしましょう。

それぞれの項目別に、書き方を解説します。

募集要項の書き方を解説|求職者が魅力を感じるポイントとは


職種

職種はできるだけ細かく、業務内容が分かるように記載します。
「営業」 
「販売員」 
「施設スタッフ」

といった漠然とした書き方ではなく、

「食材キット販売のルート営業」  
「高級紳士服ブランドの販売員」  
「アミューズメント施設の受付スタッフ」

このような形で、どのような作業が待っているのか、想像できる書き方にしましょう。


業務内容(仕事の内容)

業務内容は、求職者が最も気になる部分です。

できるだけ細かく、詳しく書き込みましょう。

「一般事務」 
「各種機械操作」 
「教育に携わる業務全般」 
「指定エリアの営業販促活動」


など、内容が分からない求人票では、応募を躊躇ってしまいます。

仮に事務員を募集する場合、

「データ入力・管理」  
「officeソフトを利用した書類作成」  
「メールや電話での問い合わせ対応」  
「書類のコピー・ファイリング」  
「発注書や納品書の送付」  
「オフィス用品の購入・在庫管理」

など、該当する職員が担っている仕事を細かく書くと、希望に合っているかどうか一目で判断できるため親切です。

箇条書きにすると分かりやすいですが、

「簡単な事務仕事ですので未経験でもスタートできます」  
「用品購入時など、社用車(AT車)の運転業務があります」  
「研修制度があるため、仕事内容をしっかり覚えられます」

といった短い文章でのアプローチも有効です。

必要なPCスキルの部分は、どのようなパソコン作業を予定しているのか、明確にしておきましょう。

「Wordを利用した文書作成」  
「Excelでの売上データ管理」  
「PowerPointを使用したスライド作成」  
「自社システムによるかんたんな発注・管理業務」 

など、求めるレベルを具体的に書いておくと、ミスマッチを低減できます。


賃金・手当

賃金部分は基本給や残業といった基本以外の部分もしっかり埋めておきましょう。

特に重要なのが、自由に書ける「その他の手当等付記事項」という部分です。

労働に対してどのような手当てが用意されているのか、昇給のタイミング、平均月収例などを記しておくと、応募者が検討しやすくなります。


労働時間

就業時間や時間外労働の有無、休憩時間、シフトなどを細かく記入します。

若い世代を中心に、残業時間を気にする求職者が少なくありません。
時間外労働の月平均時間をしっかり記載しましょう。

36協定における特別条項を有にする場合は、忘れずに条件を書いておいてください。


保険、年金、定年等

パート・アルバイトの雇用時など、事業者情報に登録した内容と違う制度を適用する場合は、この欄に記載します。

特に変更がない場合は、何も書かずに提出してOKです。


求人PR情報

自社の魅力や入社するメリットをかき込めるフリーのメッセージ欄です。

障害者への配慮例やサポート体制も記載できます。

PR情報は求人票に記載されないため、省略してしまう人事担当者が多いのですが、インターネットサービスや、求人・事業所PRシートで閲覧できる部分です。

企業理念や求める人物像、入社社員の待遇、残業や休日の考え方、独自の福利厚生、賞与実績、企業の売上や将来の展望、やりがいなど、良い部分をしっかり書きましょう。

広く欄が用意されていますので、すべてを埋めるつもりでメリットを伝え、応募者へアピールしてください。

求人PRで書ききれない内容があれば、申込書の最後にある、「求人に関する特記事項」にも記載できます。

上手に活用して、伝え漏れがないようにしましょう。


選考方法

今回の選考方法を記載します。

書類選考からスタートするのか、面接からなのか、どこで面接をするのか、面接に必要な持ち物、応募書類の取り扱い、担当者情報などを、間違いのないように書き入れます。

この欄を見ながら、ハローワークスタッフが選考方法に沿って対応してくれます。
選考について、特別に伝えたい内容がある場合は、「選考に関する特記事項」に記しましょう。

「担当者の連絡先を明記せず、ハローワーク経由で連絡を受けたい」
という場合は、該当部分を空欄にした上で、ハローワークのスタッフへ該当情報を伝えてください。


求人申込書を書く際のポイント

求人申込書の内容が優れていれば、良い人材に出会いやすくなります。

ポイントを抑えて、出会いたくなる求人申込書にしましょう。

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ポイント1:仕事内容を詳しく記載する

仕事内容に関しては、可能な限り具体的に記入することで、求職者が採用後に「自分が働く姿」を想像しやすくなるでしょう。

例えば、経理事務スタッフを募集するのであれば、日次業務や月次業務の範囲、雑務の内容、PCスキルなどを記載しておきます。

自社で別途指導が必要なこと(専用ソフトの操作・機能紹介など)があれば、そちらも書き加えておくと親切です。

仕事内容が分かりやすい求人は、応募率の向上が期待できるだけでなく、スキル面でのミスマッチを防ぐことにもつながります。


ポイント2:年齢などの希望は現状で知らせる

求人申込書には、年齢や差別に繋がる表現を記載できません。

ですが、子育てママ向けの抱っこアイテムを販売する企業の募集に、高齢男性の方が来てしまった、という場合、トレンドへの理解や時代に合ったアイデアが得られるかどうか、不安になるでしょう。

年齢や住まいなどの希望がある場合は、メッセージ欄を活用して、

「子育て世代が多く活躍している職場です」 
「書籍を取り扱うため、重い荷物を運ぶ作業があります」 
「都心を中心に転勤があります」 
「遠方の場合、テレワーク出勤(週1出社)可能です」

このような形で、企業としての希望ではなく、現状を伝える文章を添えましょう。


ポイント3:会社の雰囲気や魅力を伝える

この会社に入社したらどんなメリットが得られるのか。
どのようなキャリアプランや未来が待っているのか。
会社の福利厚生や社風はどうか。

など、会社の雰囲気や入社後にできることは、求職者にとって非常に興味深い部分です。

これまでに就職・転職した社員がどのような成長を遂げているか。
応募者にとって理想のキャリアを築けているのか、といった部分にも触れてみましょう。

企業に入社した後の未来が見える求人申込書を作成して、働きたい気持ちを引き出してください。


ポイント4.:ワークライフバランスをアピールする

特に昨今の若い人材は出世や高額な賃金よりもワークライフバランスを重視する傾向が強いです。

つまり、私生活を犠牲にしてたくさん働いてたくさん給料をもらうよりも、給料はほどほどでよいから家族を大事にしながら楽しく働きたいと感じている人が多いのです。

若い人材を集めるためには働き方の多様さや社内制度をアピールしましょう。
例としては以下のようなものがあげられます。

  • テレワーク 
  • フレックスタイム 
  • 育休 
  • 年間休日の多さ 
  • 残業時間・休日出勤の少なさ


ポイント5: 客観的根拠を盛り込む

優秀な求職者を集めるためには、求人票でのアピールが非常に大事です。

しかし、客観的根拠のない、証明のしようがないようなアピールの仕方では、逆にうさんくさく見えてしまいます。例えば、

「アットホームな職場です」

この文言は求職者から嫌われる求人票の代名詞のように言われています。

なぜなら、アットホームかどうかは個人の感じ方の問題であって、客観的に判断しようがないからです。

求職者もそのへんの違和感はすぐに見抜きますので、客観的根拠のあるアピールをしましょう。

例えば職場の雰囲気が良好であることをアピールしたいならば以下のように書くと良いでしょう。

  • 3年以内の離職率10%以下です 。
  • 月に1回ランチミーティングを開催しています。費用は全額会社持ちです 。
  • セクハラやパワハラ防止のため相談窓口の設置と社内研修を実施しています。

このように、データや実際に行っている対策などは誰が見ても客観的に明らかになる事なので、書くと説得力が増します。


ポイント6:必要な経験・免許をはっきり書く

応募職種に従事するにあたり、必要とされる経験・免許がある場合は、その旨を明確に記載しておきましょう。

求人票に応募にあたっての「必須条件」を記載することは、企業と応募者との間で起こり得るミスマッチを防ぐことに繋がります。

事前説明がない中で応募者との面接に臨むと、応募者が仕事内容について誤解したり、詳しい説明がなかったことに不信感を抱いたりする恐れがあります。

無用なトラブルを回避するためにも、必要な経験・免許は求人票に忘れず記載しましょう。


ポイント7:希望の人物像を特記事項などに記載する

ハローワークの求人票における記載項目の中で、マッチング率の向上に活用したい項目としては、以下の2つがあげられます。 

  • 求人条件にかかる特記事項
  • 備考

求人条件にかかる特記事項には、一般的に採用後の健康診断に関すること、雇用保険・社会保険の加入に関することなどが記載されますが、あえて希望の人物像を記載すると求職者の印象に残りやすくなります。

備考には、その他の項目に書ききれない内容として、郵送物の種類や郵送のタイミング、採用担当者名などを記載しておくと親切です。


ハローワークに求人掲載するメリット

ハローワークに求人を掲載すると、他の求人媒体を利用したケースと比べて、次のようなメリットが期待できます。


採用にかかる費用が安く済む

公的機関として運営されているハローワークでは、基本的にすべてのサービスが無料となっており、求人掲載も例外ではありません。

有料の求人媒体を利用した場合、掲載するだけで一定額の料金を支払わなければならなかったり、求人広告をクリックされる度に料金が発生したりします。

急ぎでの募集や、どうしても欲しい人材の募集にあたっては、効果的な手法を用いて早期採用を目指すのも一手です。

しかし、採用にコストをかけられない場合は、無料で利用できるハローワークの方が魅力的に映るはずです。


自社求人の露出の機会が多くなる

日本におけるハローワークのネームバリューは非常に大きいため、求職者としても、民間企業が運営する求人サイトより圧倒的な情報量のあるハローワークは、決して無視できない存在です。

加えて、ハローワークインターネットサービスも登場していることから、求職者はよりハローワークに掲載されている求人にアクセスしやすくなっています。

ハローワーク以外の求人媒体を利用するにせよ、採用担当者があえてハローワークを避ける理由は、ほぼないものと考えてよいでしょう。


地元で暮らす人材を採用できる

求職者が住んでいる地域によっては、ハローワークを利用する以外に、自分が働けるような仕事の求人を探す手立てがないところもあります。

よって、都市部で暮らす人材を招致するのではなく、地元で暮らしている人材を採用したいと考えているなら、ハローワークを利用する価値は十分あります。

逆に考えると、ハローワークは「地元で仕事を探したい」人向けの手段とも考えられるため、広い範囲で人材を募集するのには適さない場合があります。


Web経由での求人掲載期間の延長が容易

ハローワークは無料で利用できる反面、積極的に求人広告を打つことができないため、運用がうまくいかないと応募者が集まらない可能性があります。

有料の求人媒体を利用するケースでは、求人の掲載期間を延長するためには、基本的に料金を支払って延長しなければなりません。

これに対してハローワークでは、掲載延長にあたり別途料金が発生することはありません。

ハローワークインターネットサービスを使用することで、掲載期間を1ヶ月延長できます。


ハローワークを経由して助成金を得られる

事業者が受け取れる様々な助成金の中には、ハローワークを経由することで受給できるものも数多く存在します。

例えば、高齢者・障がい者など所定の要件を満たした労働者を、ハローワーク経由で継続雇用労働者として雇い入れた場合に対象となる「特定求職者雇用開発助成金」があります。

その他には、支給要件を満たす対象労働者につき、一定期間・試行的に雇用する事業主が受給できる「トライアル雇用助成金」などもよく知られています。


ハローワークの求人掲載のデメリット

予算の観点からは非常に魅力的なハローワークですが、訴求に関する機能に乏しい点は否めず、以下のようなデメリットが想定されます。


利用者数が減少している

無料で利用できる転職サイト、転職エージェント、検索エンジン、ダイレクトリクルーティングなど仕事探しの方法が多様化する中で、ハローワークを活用する利用者は減少傾向にあります。

厚生労働省の統計によると、ハローワークの新規求職者数は令和元年は392万人でしたが、令和4年度には382万人と、ハローワークの新規求職者数は年々減少傾向にあります。

それに伴い、就職件数も年々減少している状況です。

元年度2年度3年度4年度
新規求職申込件数(万人)392.8385.5385.9382.1
就職件数(万人)147.4122.5124.3122.6

※一般職業紹介/一般(パートタイム含む)

【参考】令和5年 厚生労働省 「公共職業安定所(ハローワーク)の主な取組と実績」

求職者も事業者も、全てのサービスを利用するためにはハローワークへ出向く必要があること、ハローワークが近くにない求職者や事業者が多いことも、利用者数減の原因になっていると考えられます。

利用者数が少なければ、採用に繋がる確率も下がってしまいます。

利用してみたけれど手ごたえを感じられない場合は、別の方法も取り入れてみましょう。


掲載できる情報量に限りがある

ハローワークの求人票は、求人掲載企業側で柔軟にフォーマットを変更することができません。

加えて、情報を載せられるスペースも限られていることから、掲載内容の自由度は低いと言わざるを得ないでしょう。

画像も掲載すること自体はできるのですが、枚数や容量などに条件が設けられているため、どうしても求職者に伝わる情報が限られてしまいます。


事前準備や掲載開始に時間を要する

ハローワークに求人を出す際は、最初に事業者情報を登録しなければなりません。

登録を済ませるためには、事業所登録シートに必要事項を記載・提出しなければならず、求人を出すのはその後のプロセスになります。

加えて、求人票の内容が掲載されるまでには、本登録を申請してから2~3日を要し、不備が見つかった場合は期間が延びてしまいます。

そのため、ハローワーク主体で求人情報を掲載する予定の場合、スケジュールにゆとりをもたせて採用活動を進める必要があるでしょう。


ハローワークに出した求人が掲載される場所

ハローワークに出した求人は、「ハローワーク」「ハローワークインターネット」「Indeed」の3ヶ所に掲載されます。

ここからは、どこでどのように掲載されるのかを具体的に解説します。


ハローワーク

ハローワークに求人を出すと、ハローワーク内に求人情報が掲示されます。

施設にある求人情報端末や掲示板などに公開され、求職者から見られるようになります。


ハローワークインターネット

ハローワーク内に加えて、ハローワークインターネットサービスにも求人情報が掲載されます。

ハローワークインターネットサービスは、スマホやパソコンで求人情報を検索できるオンラインサービスです。

求職者はハローワークに行かなくても好きな場所から利用できるため、求人情報を見てもらえる可能性が高まります。 

ハローワークインターネットサービスとは?事業者にも求職者にも便利なツールを解説


Indeed

ハローワークに出した求人は、ハローワーク以外に求人検索エンジンの「Indeed」にも掲載されます。

Indeedは、インターネット上にある求人情報をまとめて検索できる無料サービスで、幅広い層の求職者から利用されています。

ハローワークインターネットサービスだけでなく、Indeedにも掲載されることで、求職者の目に留まる機会がより増えやすくなります。 

Indeedへ掲載する方法をカンタン解説|直接投稿する方法や応募を増やすポイント

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【注意!】求人票に書いてはいけないこと


労働者は各種労働法で保護されており、その規制は求人票にも及びます。

つまり、求人票に書いてはいけない事項が存在するという意味です。

それは主に以下の4つです。

募集要項とは?書いてはいけない表現などを知っておこう!


1.性別の制限や性差別表現

特定の性別のみを募集したり、性別ごとに採用枠を設けたりするのは男女雇用機会均等法で禁じられています。

以下は全て違法な事例です。

  • 男性10名、女性5名募集(男女に枠を分けて募集する) 
  • 女性限定(特定の性別のみを募集する) 
  • 男性は基幹業務、女性は補助業務を担当していただきます。(男女で業務が異なる) 
  • 女性は未婚であること、子どもがいないこと(特定の性別のみに条件を課す) 
  • 「身長175cm以上」「体重70kg以上」(特定の性別のみに不利な条件) 
  • 「ウエイター募集」「セールスレディ募集」(特定の性別のみに該当する表現) 

ただし、職務の内容から特定の性別でなければならない合理的な理由がある職種については性別を限定しての募集が認められています。具体的には以下の職種です。

  • 演劇などの表現の分野(例:俳優、ファッションモデル) 
  • 防犯上の観点から男性が望ましい業務(例:警備員、守衛) 
  • 宗教上、風紀上、スポーツにおける競技の性質上、その他の業務の性質上、特定の性別でなければできない職業(例:巫女、女性更衣室の係員など) 
  • 法律により特定の性別による業務遂行が禁止されている職業(例:深夜業、坑内業務、危険有害業務、助産師) 
  • 海外で勤務する場合で、その国の文化により特定の性別でなければできない職業(例:イスラム諸国では女性の就労が制限されている場合がある)


2.年齢制限

求人の年齢制限については、原則的には認められません。

ただし、以下の場合に限っては例外として認められています。

  • 定年年齢を上限とした無期雇用契約の場合 
  • 法律の規定により年齢制限がある場合 
  • 無期雇用契約の場合で、長期のキャリア形成を目的として若年層を雇用する場合
  • 技術やノウハウの継承のため、特定の年齢層の人材を雇用する場合 
  • 演劇などの役柄に合わせた年齢層の人材を雇用する場合 
  • 国の政策により特別の雇用促進の対象となる年齢層を雇用する場合(就職氷河期世代、シニア)

求人募集・採用時の年齢制限は原則NG|例外的に認められるケースも含め解説


3.差別につながる表現

求人は特定の属性だけを差別する表現は禁じられています。

業務上の必要がある場合でも差別的にならないように表現を工夫する必要があります。

【NG例】

  • 人種、国家、国籍|「日本人限定」 
  • 性格|「明るい方」 
  • 身体的特徴|「容姿端麗な方」 
  • 出身地、居住地|「東京都内の方」 
  • 家庭環境|「帰国子女歓迎」など
禁止表現の内容禁止される表現の例許可される表現の例解説
人種、国家、国籍日本人限定
国籍不問
日本語が話せる方
中国語が堪能な方
能力の話に置き換えて書く
性格明るい方明るく接客対応ができる方性格の話から取り組み方の話に置き換えて書く
身体的特徴容姿端麗な方笑顔で接客対応ができる方身体的特徴の話から取り組み方の話に置き換えて書く
出身地、居住地東京都内の方地元で働きたい方歓迎地名を特定せず地元と表現する
家庭環境帰国子女歓迎バイリンガルの方歓迎能力の話に置き換えて書く
上記居合の本人に責任がない事項や、本来自由である事項〇〇党支持の方(支持政党)
〇〇がモットーの方(思想信条)
好きなことで生きていたい方(人生観)
記載不可上記も含め、これらは面接などで尋ねるのも不可


4.実態と異なる好条件

賃金や福利厚生などの労働条件が良いほうが、求職者が集まりやすいのは事実です。

しかし、だからといって実態と異なる好条件を提示して集めてはいけません。

例えば、以下のような表記は不正競争防止法や景品表示法に抵触する可能性があります。

  • 他社と比較して優位性を誇示する表現 
  • 根拠のない最上位表現(No.1、業界トップ、最高の、○○1位、日本一) 
  • 根拠のない起源の表記(唯一の、世界最初の)
  • 根拠のないシェア表記(業界シェア80%)

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まとめ

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ヒトクル編集部
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