知っておきたい退職のサイン!仕事を辞める人がみせる7つの前兆と対処法
企業活動を続けていると、これまで一緒に働いてきた人材が、退職を申し出るケースがあります。急なケースもあり、
「どうして突然?」
と思いがちですが、辞める人の多くが前兆となる行動をとっています。
遅刻、黙っている、売上が落ちた、飲み会を断るなど、よくあることだと思っていた行動が離職のサインと、いう場合もあります。
退職を検討している人が選びがちな言動、行動を知り、早めに準備や対策をしておきましょう。
離職率が少ない会社の作り方についても、合わせて解説いたします。
※辞められたら困る人とは?|特徴や離職してしまう理由、人材流出のリスクや対策も解説!
会社を辞める人にみられる7つの前兆
会社を辞めたいと考えている人は、仕事に対してのやりがいや興味を失っていたり、転職に向けて忙しくしていたり、という状況にあります。
離職を検討中の社員には、どのような行動が表われやすいのか、よくある7つの前兆をチェックしてみましょう。
- 会社に来ない・遅刻や早退が増える
- 仕事の効率や成績が下がっている
- 前向きな行動が見られない
- コミュニケーションの場を避ける
- ミーティングや会議の輪に入らない
- 会社への愚痴や文句を控えるようになった
- 明らかに元気がない・意思疎通に問題がある
1.会社に来ない・遅刻や早退が増える
従業員が何らかの事情で会社を辞めたい場合、仕事に行くのが嫌で遅刻や早退を繰り返したり、会社を休んだりしがちです。
休みや休暇を取ったまま、そのまま辞めてしまうケースもみられます。
退職を告げないまま、有給休暇を消化している。会社を休んだり、遅刻早退したりして転職活動を進めている、という可能性もあります。
明確な理由なく、従業員が遅刻や早退、休みを繰り返している場合、退社を検討しているかもしれません。
2:仕事の効率や成績が下がっている
社員の業務効率が下がっていたり、普段よりもミスが多かったり、営業成績などが著しく落ちていたり、という様子がみられる場合、退職を考えている場合があります。
やる気がでない、仕事を頑張る意欲が起きない裏側に、仕事を辞める予定だから業務に身が入らない、もしくは、メンタルの不調で頑張る意欲が湧かない、などの理由が隠れているケースです。
そのまま放置してしまうと、企業の生産性が低下したり、ミスによる深刻な影響がでたり、という恐れがあります。
前兆を見つけたら、早めの対策を講じましょう。
3:前向きな行動が見られない
スタッフに対して、新しいプロジェクトへの参加を打診したり、資格取得を進めてみたり、モチベーションに繋がる提案をしたけれど乗り気でない場合、仕事や人間関係などに不満を感じている、もしくはメンタルに問題を抱えている場合があります。
これまでの行動と比較して、仕事に対して消極的な態度がみられる場合は、退職を考えているサインの可能性があります。
4:コミュニケーションの場を避ける
一人で昼食を食べていたり、ランチや食事会などの誘いを断ったり、コミュニケーションを避ける様子がみられる場合、会社の人間と関わりたくないと考えているかもしれません。
もともと一匹狼タイプの場合は良いのですが、急に人を避けるようになった、挨拶をしなくなった、会話に加わらなくなった、といった兆候がある場合は、退社を検討しているケースが多いため、対策を検討しましょう。
5:ミーティングや会議の輪に入らない
ミーティングや会議は、社内の人間が意見を交換し合う場です。
このような発言が求められる場面でも、口をつぐんでいたり、話を聞いていなかったり、という場合、仕事への興味が薄れていると考えられます。
体調やメンタルの事情で、提案する元気が失われている、もしくは退社を検討しているから意欲が湧かない、というケースが考えられます。
サボりたいだけなのか、退職を視野に入れているのか、見極めるためにも早めに声をかけてみてください。
6:会社への愚痴や文句を控えるようになった
仕事をしていると、職場や業務にたいしての不平不満が出るものです。
もっとこうして欲しい。こういうところが嫌だ、など、周囲へ愚痴を言ったり、改善策を上司に直談判したり、といった場面が見られます。
このように、これまでは気になる点を遠慮なく話していた人材が、急に発言を控えるようになった場合、会社や人間関係を見限って、転職や退職を考えている前兆かもしれません。
日ごろから、社員が抱えている不満の声へ耳を傾けるのはもちろん、急に態度が変わった場合は、事情を確かめてみましょう。
7:明らかに元気がない・意思疎通に問題がある
今までは明るい性格だった社員が塞ぎ込んでいたり、いつもぼーっとしていたり、元気をなくしている状態や、会話が難しいような状態が見られる場合、心身に大きな不調を抱えている恐れがあります。
従業員が気力をなくしている場合は、できるだけ早くヒアリングをして原因をたしかめましょう。必要に応じて、医療機関の受診を勧めるなど、心や身体の回復を図る必要があります。
社員が離職を検討する5つの理由
離職を検討している社員は、評価や人間関係に問題があったり、与えられている業務内容や今後のキャリアに悩みを抱えていたり、といった理由を抱えがちです。
退職を検討している理由を知り、問題を早期解決できる体制を整えておきましょう。
理由1:給与や業務内容に納得がいかない
転職経験のある人材の多くが、給与や業務内容に不満を抱えています。
同業他社と比較して、自社の給与や賞与が安かったり、一人あたりに任せる業務内容が多かったりする場合、より良い環境をもとめて転職を検討しがちです。
残業が多い、土日に休めない、有給や育休が取りづらい、といった点も、退社を考える理由になります。
退職者が多い場合、従業員が満足いく働き方ができているか、チェックしてみてください。
人材によって、会社に勤める目的が違う点も考慮しましょう。
給与が良くても休みがないのが不満、という社員もいます。
それぞれが理想とする働き方ができているかどうか、検討してみてください。
理由2:人間関係に不満を感じている
職場の人間関係が悪いと、人材を失う恐れがあります。
パワハラやいじめが起きているケースもあるため、上司や同僚、取引先などとの関係性を理由に、退職者が出ている場合は、職場環境に問題がないか検証してみましょう。
会社の待遇を周囲に話したところ、家族やパートナー、友人から辞めた方が良いと言われた、という場合もあります。
社内のコミュニケーションが円滑かどうかチェックしながら、悩みや不満を話せる場所があるかどうか、相性の悪い従業員同士が同じ部署に配属されていないか、という点も検討の上、適切なフォローを実施してください。
理由3:評価に納得していない
業務内容や人間関係に問題はないものの、会社からの評価に納得できず、離職を決断する人もいます。
目指したいキャリアがある、企業への貢献が給与や地位に反映されていない、という場合に、より良い職場を探して転職するケースです。
この問題を解決するには、従業員が納得できる人事評価システムが求められます。
現在の評価制度が古いままだったり、働きに対して正当な評価ができていなかったり、という場合はシステムを変更して、離職率改善を目指しましょう。
理由4:会社の今後に不安を感じている
新しいことにチャレンジしたい、どんどん上を目指したいのに、周りの社員が年齢を重ねても同じような仕事をしている……という場合、将来に不安を感じて転職を検討しがちです。
長く一緒に働いて貰うためにも、企業のビジョンや未来を共有し、適したポジションを提案できる会社を意識しましょう。
若い世代は、転職に抵抗がないケースが多く、また売り手市場でもあることから、簡単に離職を考えがちです。
どうしたらやりがいを感じられるか、取り入れられる新しい手法はあるか、といった点を検討していくと、従業員定着率アップに繋がります。
理由5:家庭の事情やフリー・別業界の転身
働いている会社の人間関係や環境に不満がなくても、育児や介護、家族の転勤といった事情、会社をやめて独立・起業する、別ジャンルの仕事に転職する、といった場合、退職という結論になります。
これらは、企業努力では引き留めにくいケースのため、気持ち良く送り出してあげましょう。
好印象のまま退職にいたれば、口コミで企業の良さを広めてもらえたり、別の人材を紹介してもらえたり、独立後に新しい付き合い方ができたり、企業にとってプラスになる関係を築けます。
従業員が辞める前兆に気付いたら
従業員の様子が変わり、退職の前兆かもしれないと気付いたら、速やかな対処が必要です。企業として、どのように対応するべきか、3つの方法を見てみましょう。
対処法1:従業員の悩みに耳を傾ける
退職の前兆が見られたら、悩みや不満を抱えていないか、丁寧にヒアリングしてみましょう。
会社からの意見、一般常識を伝えるのではなく傾聴に徹すると、社員の本音を引き出せます。
親身になって話を聞き、社員が望む働き方ができる企業でいたい、という姿勢を伝え、改善できる部分があれば早めに対処しましょう。
前兆は、できるだけ小さなうちに気付くのが重要です。
日ごろから従業員と気軽に対話できる関係性を大切にして、ちょっとした悩み、思いを打ち明けられる風通しの良い会社を目指してみてください。
対処法2:問題解決まで伴走する
従業員の抱える悩みや問題に気付いたら、聞いて終わりではなく、解決できるまで寄り添いましょう。
改善策を取り入れた後、働きやすくなったかどうか、満足いく仕事ができているかどうか、定期的にチェックすると安心です。
問題の大きさによっては、改善までに時間がかかる場合もあります。
このような場合は、時間をかけてでも環境を変えていく、という企業の思いを共有した上で、様子を見守りましょう。
解決策を講じてもまだ、退職の前兆がみられる場合は、悩みの本質が別の部分にあるかもしれません。
再度ヒアリングをして、人材が求めている働き方、仕事への不満や不安を聞き取ってみてください。
対処法3:キャリアプランを新しく提案する
現在の社内体制では、従業員が望むキャリアを築けない場合、会社の在り方を検討してみましょう。
希望するキャリアを積めるように制度を整えていくと、該当の従業員だけでなく、その他社員の定着率を上げられる場合もあります。
資格取得や研修・セミナーの導入、キャリアアップサポートなど、希望が多い施策があれば、新しく取り入れてみてください。
どのようなキャリアを築きたいのか、経営陣や上司が一緒になって話を聞き、今後の人材育成に生かしていきましょう。
会社を辞めたい人材に残ってもらう方法はある?
退職を検討している前兆に気付かず、ある日「辞めたいんです」と打ち明けられるケースもあります。
この時、会社が上手に受け止められると、人材を引き留められます。
社員が退職を申し出た時にどう対応するべきか、4つの方法を見てみましょう。
方法1:残って欲しい気持ちを伝える
会社によっては必要な人材でも、本人は自分がいなくても別に問題ない、そう考えているかもしれません。
企業の思いを知ってもらうために、残って欲しいという気持ちをまず伝えましょう。
自分は必要とされている、評価されている事実に気付けると、やっぱり頑張ってみようという気持ちが芽生えます。
頼りになった発言や良かった行動があれば、できるだけ具体的に伝えてみてください。
きちんと見てくれている会社だと伝わり、より残ってもらえる可能性が高まります。
方法2:退職理由を改善する
現在の上司と合わない、他部署での仕事を希望している、といった理由で退職を希望している場合、配置転換や異動で退職を未然に防げます。
一方で「異動したい」「あの人が苦手」という理由にすべて対応していては、会社が成り立ちません。
該当の人物だけ特別扱いしている、と思われる恐れもあるため、配置換えや待遇改善は慎重に進めましょう。
方法3:休職や相談窓口を提案する
従業員の退職理由によっては、今すぐ結論を出す必要がない場合もあります。
例えば、辞めたい理由が心身の不調や育児、介護などの場合、退職ではなく休職を提案する、という方法があります。
心が疲れてしまっている場合は、メンタルケアの相談ができる窓口を用意したり、必要に応じてカウンセリングに通う機会を用意したり、という手段も有効です。
従業員が休職やケアを求めているか確かめて、できる対応を提案してみてください。
方法4:理由が前向きな場合は快く送り出す
会社を辞めて新しいチャレンジがしたい、自分で事業を興したい、などの理由がある場合、従業員の新しい門出を快く応援してあげましょう。
自社での経験を活かし、次のステップへ向かう社員の背中を押してあげてください。
気持ち良く見送ってくれる会社は、既存従業員からの印象も良くなります。
その先に夢や目標がある場合は、会社が一番の理解者になって、送り出してあげてください。
従業員定着率が上がる会社の作り方
社員が離職を考えず、楽しみながら働ける職場には、環境に特徴があります。
離職率を下げようと考えるなら、従業員定着力が高い企業が実践している、取り組みを参考にしてみましょう。
※離職防止には欠かせない?メンター制度のメリットや導入方法、注意点も解説!
1:社員の声を活かした企業にする
企業運営に社員の声を生かすと、働きやすい職場になります。
経営陣や管理職が方向性を決定するのではなく、一人ひとりの声に耳を傾けて、良い施策があればどんどん採用しましょう。
自分の提案や意見が通る職場は、やりがいを感じられます。
経営者と社員との距離が近いことで、コミュニケーションが円滑になる点もメリットです。
新入社員であっても自分の意見を言いやすい、風通しの良い雰囲気の会社を目指してみてください。
2:社員の頑張りを評価する
一生懸命仕事を頑張っても、成果を認めて貰えなかったり、やって当たり前だと思われたり、という職場ではモチベーションが上がりません。
頑張っている様子を褒める、成果をただしく評価する体制を作れると、「もっと頑張りたい!」という気持ちが芽生え、離職率が下がります。
経営者や管理職が褒めるだけでなく、社員同士が頑張りを認め合える環境にできると、より働きやすくなります。
サンクスカードで感謝を伝え合える職場を作る、社員の良いところを見つけたら投票できる仕組みを導入するなど、“頑張りを見える化”して、環境改善につなげましょう。
※人事評価制度の全容|機能・目的・種類・導入方法・事例など幅広く解説
3:社員が希望する働き方を導入する
従業員が離職を検討している理由が育児や介護、家族の転勤などの理由の場合、企業の配慮で引き続き働いてもらえる可能性があります。
保育園の送り迎えができる時短勤務の提案、介護と両立できるフレックスタイム制の導入、転勤先でも仕事ができるリモート勤務などを必要に応じて提案できると、定着率アップに繋がります。
育児や介護があっても変わらず働いている社員がいる、という実績が、既存社員の安心感に繋がったり、就職活動をしている層へのアピールポイントになったり、というメリットもあります。
従業員確保のためにできる施策があれば、取り入れてみてください。
まとめ
仕事を辞める人には、様々な理由があります。
悩みを抱えている社員に気付ける職場にする、前兆に応じた対処を行う、退職しなくても仕事を続けられる道があれば提案する、といった配慮で、離職を未然に防ぎましょう。
会社全体で、従業員定着度を上げる試みを取り入れるのも良い方法です。働きやすい職場、頑張りを評価して貰える職場、やりがいを感じられる環境を用意して、退職者が少ない企業を目指してみてください、
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