企業側から応募者への面接の断り方のポイント

企業側から応募者への面接の断り方のポイント
目次

採用活動をしていると、応募いただいても条件などが合わず、企業側が面接のお断りをするケースがあります。

本記事では、相手をできるだけ不快にさせない断り方のポイントを解説いたします。

お断りする場合の例文も紹介いたしますので、必要に応じてご活用してみてください。

【例文あり】不採用通知メールの送り方や注意点を解説

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企業側から面接を断ることの重要性

希望に近い人材を採用するために、一定数の応募者の面接を、企業側から断るケースが多くあります。

面接の人数を絞り込むことで、ミスマッチや採用担当者の負担を減らせる、という点がメリットです。

このとき、面接の断り方によっては、企業にダメージを与えてしまう恐れがあります。

なぜ上手に断る必要があるのか、重要性を知っておきましょう。


企業イメージに影響する

応募者へ選考結果を伝える際、機械的にメッセージを送るだけにしてしまうと、受け取った人材からの心象が悪くなります。
あの会社は誠意がない、態度が悪い、そんな風に受け止められてしまう例です。 

また今は、誰もがSNSや動画で自分の意見を発信できる時代です。
「こんなメッセージで面接を断られた」と、画像や音声をアップされてしまう恐れがあり、注意が必要です。 

求職者の多くが、応募前にSNSで情報を集めています。
過去の応募者の投稿がずっとWeb上に残され、企業のイメージダウンに繋がってしまう場合もあるため、丁寧な対応を心がけましょう。


将来のトラブルに繋がる

面接の断り方が悪いと、将来的なトラブルに発展する場合があります。
断った人材の周りに応募を検討している人がいる場合、「あの企業は、対応が悪かったからやめた方がいいよ」といった、アドバイスをされてしまう例です。

書類選考を希望する人数が多い場合、面接を断る人数も多くなりがちです。
大変な作業ですが、将来にわたって、自社の印象をよく保つために、ただお断りメールを送るのではなく、心のこもった対応で接してください。

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面接の断り方のポイント

企業からの面接辞退を求職者へ上手に伝えられると、

「採用されないけれど、丁寧な応対の会社だった」
「縁はなかったけれど、この会社の商品やサービスを利用したい」

そんな良い印象を残せます。
どのような言葉、方法で対応すると、相手の気持ちに寄り添えるのか、5つのポイントを解説いたします。


不採用の連絡は迅速に行う

面接を断ると決めたら、できるだけ速やかに、応募者へ連絡を行います。

「その他企業にも応募している」
「断られたらすぐ次の会社へ応募したい」

といったケースが多いため、できれば決定から3日以内、難しい場合も1週間以内に不採用の旨を連絡しておくと、スケジュールへの影響を低減できます。

企業のイメージを損なわないように、テンプレートを用意して、すぐ送付できるように準備しておきましょう。

面接を実施するかどうか、検討が長引きそうな場合は、採用担当者から事前に「○日に結果を連絡いたします」といった通知を送っておくと、応募者の安心に繋がります。


応募への感謝をしっかり伝える

お断りの際は、たくさんの企業の中から、自社を選び応募していただいたこと、一緒に働きたいと考えていただいたことへ、感謝の気持ちをしっかりと表します。 

応募者は、企業の下調べをしたり、書類を準備したり、面接対策をしたり、様々な手間や時間をかけて、活動しているケースがほとんどです。
結果だけを記した通知では、この労力に対しての、感謝の気持ちが伝わりません。 

今回のご縁をありがたく感じている、という思いをきちんと言葉すると、受け取る側も穏やかに受け取れます。
書類郵送や面接にかかった交通費分を、切手やクオカードで渡す、という取り組みをしている企業もあります。

礼儀正しい態度、敬意ある言葉で、お断りの連絡を入れるようにしましょう。


誠実な対応を意識する

面接を断る際は、常に誠実な対応が求められます。
メッセージの内容はもちろん、問い合わせがあった場合は親身になって応対する、応募書類の返却についてきちんと記しておくなど、ちゃんとしている姿を伝えましょう。

採用には至らなくても、将来的に雇用する可能性があるケース、自社の顧客や取引先として縁が続くケースなどが考えられます。

応募者のことを真剣に考え、厳正なる審査を行い検討したけれど、残念ながら採用できなかった、という気持ちが伝わる対応が大切です。


丁寧な言葉遣いを心がける

誠実な対応と合わせて、丁寧な言葉使いも、面接をお断りする場合に心がけたいポイントです。
メールや電話、書面などすべての対応を、相手を気遣った、丁寧な言葉で進めてみてください。

一次面接は通過したけれど、二次面接はお断りする結果になった、というような場合、応募者の人柄や雰囲気の良さが伝わっている旨を言葉にできると、不採用であっても嬉しい気持ちになれます。

できるだけ急ぎたいお断りの連絡ですが、誤字脱字がないか、失礼な言葉が使われていないか、事前にしっかりチェックしてから、応募者へ結果を伝えてください。


否定的な表現は避ける

企業側から面接を辞退する場合、できるだけ応募者の心を傷つけない表現を選ぶ必要があります。

「書類審査に落ちた」「不採用になった」といった直接的な言葉は避け、「誠に残念ながらご希望に添えかねる結果となりました」などの表現で、面接へ進めない事実を伝えましょう。

真摯に就職活動、転職活動をしている応募者にとって、不採用の連絡は非常に重い内容であり、複数企業に応募していても、慣れるものではありません。

受け取った人の心やプライドを傷つけないように、応募者本人を否定するのではなく、自社の都合でどうしても採用できなかった、という点が伝わる文章を選んでみてください。


手段ごとの面接の断り方のポイント 

面接のお断りをする際、「郵送」「電話」「メール」いずれかで連絡をするのが一般的です。

印象良く、スムーズに事実を伝えられるように、それぞれの断り方で心がけたいポイントを見てみましょう。


郵送の場合

郵送で面接をお断りする場合、必ず相手に届く手段が重要です。 

普通郵便は、予期せぬ不着で応募者を困らせてしまう可能性があるため、対面で受け取る必要がある「簡易書留」や、荷物を追跡できる「レターパック」などを活用しましょう。

万が一のトラブルに備えて、送った事実を証明できるように、発送書類の写しを控えておくのも良い方法です。
「返却書類在中」「不採用のお知らせ」といった、結果が分かる言葉を封筒に記さない、といった配慮をしながら、郵送物を作成してください。


電話の場合

電話での連絡は、企業からの誠意が伝わりやすい方法ですが、書面や送信データが残らない、というデメリットがあります。

不採用の旨を電話ですぐ伝えたい、という場合も、後日郵送で結果を送付しておくと、「聞いていない」「連絡を貰っていない」といったトラブルを未然に防げます。

電話連絡をする場合は、応募者が電話に出やすい時間帯を選ぶ、留守電の場合はこちらからかけ直す、相手の気持ちに寄り添いながら、丁寧に話を進める、といった対応が重要です。

温かい言葉や態度で、応募者のメンタルを気遣いながら、感謝の気持ちを伝えてください。

不採用の連絡を電話で行う際のポイント


メールの場合

面接をお断りする旨をメールで伝える場合は、選考結果の連絡であると分かるタイトル選びが重要です。

応募者には、多数の企業、求人サイトなどから連絡が入っている可能性が高いため、「選考結果についてのご連絡【株式会社〇〇】」など、内容が分かるタイトル、企業名を入れて、見落とされないようにしましょう。

メールでのメッセージは、短めの文面がおすすめです。
相手を気遣うためとはいえ、配慮の言葉が長過ぎる場合、逆に印象が悪くなります。 

短い方が良いからといって、事務的な内容もNGです。
結果や理由、感謝の気持ちを簡潔にまとめて、できるだけ早く応募者へ届けましょう。

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面接を断る際の例文

面接を断る場合、方法に応じた文章が必要です。
「郵送」「電話」「メール」それぞれの例文を参考に、伝える内容を検討してみてください。


郵送で通知する場合の例文

○○ ○○様

選考結果のご連絡

先日は、弊社選考へご応募いただき、誠にありがとうございました。

慎重に検討を重ねました結果、残念ではございますが、○○ ○○様のご希望に添えかねる結果となりました。ご期待に添えず大変恐縮ですが、何卒ご理解くださいますよう、お願い申し上げます。 

合わせまして、ご応募いただきました書類を同封致しましたので、ご査収ください。

数多くの企業の中から、弊社へ応募いただき、心より感謝しております。
また弊社とのご縁がございましたら、よろしくお願いいたします。

末筆ではございますが、○○ ○○様のご活躍を心から応援しております。


電話で通知する場合の例文

株式会社○○の、採用担当○○です。
○○ ○○様のお電話で、間違いないでしょうか?

先日ご応募いただきました、選考結果についてお伝えしたく、ご連絡いたしました。ただいまお時間よろしいでしょうか。 

ありがとうございます。
今回ですが、厳正に検討しました結果、残念ながらご希望に沿いかねる結果になりました。

ご期待に応えられず、大変申し訳ございません。何卒ご理解くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。 

応募書類につきましては、後日郵送(こちらで責任もって破棄)させていただきます。 

この度は弊社求人へご応募いただき、ありがとうございました。
またご縁がありましたら、その際はよろしくお願いいたします。

○○ ○○様の今後ますますのご活躍を、心からお祈り申し上げます。

失礼いたします。


メールで通知する場合の例文

件名:選考結果についてのご連絡【株式会社〇〇】

○○ ○○様(フルネーム)

株式会社○○、採用担当の○○です。
この度は、数多くの企業の中から、弊社求人にご応募いただき、誠にありがとうございます。

今回、慎重に検討を重ねました結果、誠に残念ながら、ご希望に添えない結果となりました。誠に恐縮ですが、ご理解賜りますよう、御願い申し上げます。

弊社へ関心を持っていただき、ご応募いただいたこと、心より感謝いたします。
またご縁がありましたら、その際はよろしくお願いいたします。

○○ ○○様の今後のご活躍を、心よりお祈り申し上げます。


企業側から面接を断る際の注意点

企業側から面接を断る際、応募者からの印象を良くするために、担当者が注意するべき点がいくつかあります。

自社へ良いイメージを持ってもらうために、必ず押さえるべき3つの注意点を見てみましょう。


氏名や連絡先の記載ミスは避ける

断りの連絡を入れる際、応募者の氏名や連絡先に間違いがないか、事前にチェックしておきましょう。

文面や対応がどれだけ丁寧でも、誤字脱字や間違いがある場合、印象が悪くなってしまいます。

ミスを防ぐために、採用担当者が一人で作業を進めるのではなく、ダブルチェックを取り入れるのがおすすめです。

また文面では、貴殿といった言葉ではなく○○様と、必ず応募者の名前を含めるようにしましょう。


応募書類の取り扱いや処分方法を明示する

採用に至らない場合、手元で預かっている応募書類をどうするのか、という点を明確にすると、応募者の安心に繋がります。

応募書類は企業に所有権があるため、返却の義務はありませんが、情報が残っているのは不安、という声もあります。

このような声に応える場合は、応募書類をすべて郵送で返却しましょう。
個人情報の扱いについて、きちんと対応している企業だと印象づけられます。 

返却しない場合は、「責任をもって破棄いたします」といった、取り扱いについての言葉を含めておくと、安心に繋がります。

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今後の関係性を見据えた対応を考える

不採用となった人材との関係は、面接を断って終わりではありません。

別企業への入社を経て、力をつけてから自社への転職を再度希望される、といった可能性もあります。

仲間としてだけでなく、顧客として、取引先企業の社員として、縁が繋がるケースも考えられます。

あの企業ならまた応募したい、商品やサービスを買いたい、取引を積極的に進めたい、そんな気持ちになってもらえるように、良い関係を築ける対応を選びましょう。


企業側から面接を断る際のよくある質問

企業側から面接を断る場合、不採用理由を伝えるかどうか、書類をどのように処分するのか、といった疑問を抱きがちです。

安心して採用活動を進めるために、よくある質問と回答を見てみましょう。


不採用理由を伝えるかどうか迷っています

不採用になった理由について、企業側から応募者へ伝える義務はありません。

ありのままを伝えた結果、トラブルに発展する可能性もあるため、理由には触れず、結果だけを通知するのが一般的です。

応募者側から、「不採用になった理由を教えて欲しい」といった問い合わせが入った場合も、「申し訳ございません。不採用の理由については、回答いたしかねます」など、相手を気遣った言葉を選び、理由は伏せておきましょう。

求人募集の時点で、「不採用の場合、理由は開示しておりません。ご了承ください」といった文章を添えておくと、より安心です。


応募書類の処分方法が分かりません

応募書類を返却せず自社で処分する場合、個人情報が漏れないように、担当者の手でシュレッダーにかけると安心です。

応募者の住所、名前などが分かるものは、すべて破棄して、トラブルを防ぎましょう。

応募者からの情報を集めておいて、今後の採用に役立てる、タレントプールで管理する、といった方法もあります。

この場合は、「応募書類は個人情報保護法に則り、正しく取り扱います」といった形で連絡をした上で、慎重に取り扱いましょう。

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まとめ 

面接に進めない応募者への対応は、企業イメージを左右する大事な部分です。

機械的に決まった書面、メールを送るのではなく、早期対応や心のこもった言葉を添えて、企業の印象アップに繋げてください。

採用にいたらなくても、真摯に向き合う姿勢を見せられれば、今後の縁に繋がります。

「応募したあの会社、感じが良かったよ」そう言ってもらえる企業になるために、一人ひとりの応募者へ、丁寧に向き合いましょう。

ヒトクル編集部
記事を書いた人
ヒトクル編集部

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