採用計画の効果的な立て方とは?手順と準備のポイントを解説!
企業経営を成功させるためには、優秀な人材の確保が欠かせません。そんな優秀な人材を獲得するために行うべきなのが、綿密な採用計画の立案です。
しっかりとした計画を立てずに採用活動を行うと余計なコストが掛かり、確保したい人材を採用できないことにもなります。
そこで今回は採用計画の立て方や準備、計画通りに進まない時のチェックポイントや活用できるフレームワークもご紹介します。
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採用計画とは
採用計画とは、企業の事業計画を成功させるために欠かせない、優秀な人材を確保するための計画です。採用する人数・人材・部署・実現させる時期を明確にし、具体的な計画を立てます。
採用計画を立てる目的としては、必要な人材を採用した上で効果的に配置し、活躍してもらうことが挙げられます。
この目的を達成するためには、企業の経営目標や事業計画を踏まえた綿密な採用計画が重要です。
採用計画が必要な理由
採用計画は、採用活動を効率的に進めるために必要なものです。
採用計画を立てずに採用活動を行うと、求めている人材からの応募が集まらず、その分採用活動が長期化する恐れがあります。
昨今では特に、新卒採用のルールが経団連から政府主導へと切り替わったことで、企業が選考活動に取り組める期間が短くなってしまいました。
また、人手不足が深刻化している現在では、中途採用においても他社より早く優秀な人材を確保する必要があります。
こうした事情から、企業は自社の経営目標や事業計画を達成するために、綿密でスムーズな採用計画を立て、必要な人材を採用しなければならないのです。
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採用計画を立てる前の準備
採用計画は立てる前の準備も欠かせません。事前の準備を行わないと誤った計画の立案を行ってしまい、採用者とのミスマッチが起こる可能性もあります。そのため、計画を立てる前には次のような準備を行いましょう。
準備① 事業計画を把握し必要な人材を定める
まずは自社の事業計画を把握し、採用目的を決定します。
具体的には「いつまでに、どのような人材が、どの部門に、どれだけの人数必要か?」ということを定めます。必要な採用人数に関しては、下記の様な手法で定めると効果的です。
●手法① マクロ的算定方法(トップダウン)
→ 事業計画や経営目標から定めた「売上高」「人件費率」「損益分岐点」「労働分配率」などから、必要な人数割り出し算出する方法です。
●手法② ミクロ的算定方法(ボトムアップ)
→ 部署や職種ごとに必要な人数等を報告してもらい、現場の意見なども参考にしながら採用のための予算や人数を算出する方法です。
①で大枠を決めてから、②によって必要な人員やニーズに相違がないか確認すると良いでしょう。
準備② 自社における採用課題の把握
続いて採用課題の把握も重要な準備になります。採用課題は過去の採用活動の実績を振り返り、分析することで把握できますので必ず確認しておきましょう。具体的にチェックする事項として下記の様なものがあります。
・過去利用した採用手法(手法、期間、料金)
・応募数、面接数、内定辞退者数、採用人数
・入社後の定着率や勤続年数、活躍具合
まずは、過去の採用活動での実績を振り返りましょう。採用手法や期間、かかったコスト、応募数、採用人数などを確認します。
例)
営業職(フィールドセールス) 2人を募集
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応募数30人、面接数10人、採用人数1人、内定辞退者2人、
入社後半年で退職
例として過去の採用活動で内定を一定数出した時、想定よりも内定辞退者が多かった場合には、内定後のフォローが十分でなかったことが考えられます。
また、入社後の定着率や勤続年数が良くない場合にも、入社後の研修やケアが足りない・社内コミュニケーションが上手くいっていないなどの原因が考えられます。
必ず前回の採用活動や過去の採用実績を振り返り、より良い採用計画を立てられるように改善しましょう。
準備③ 競合、採用市場の調査
優秀な人材を他社よりも早く獲得するには、採用活動で競合となる会社についても調査しておく必要があります。
自社と同業種の会社だけでなく、同じ地域で勤務時間、給与・待遇面でも比較を行い、どのような採用条件が求職者にとって魅力的か検討しましょう。
数ある採用競合から自社が選ばれるためには工夫する必要があります。そのためには、採用市場における動向も把握し、求職者がどのような条件を好むか分析し採用戦略を練りましょう。
調査においては既に入社した社員にヒアリングを行うことも効果的です。応募する際にどのような点で会社を比較したか、そして自社に入社した理由などを聞いてみましょう。
具体的にチェックする事項として下記の様なものがあります。
・募集エリア、募集職種の有効求人倍率
・競合の給与相場、待遇
・競合が利用している採用手法
・採用ターゲットの志向(訴求点の把握)
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採用計画の立て方4ステップ
次に採用計画の立て方について実際に確認していきましょう。主に下記の様なステップがありますので、参考にしながら採用計画を立ててみて下さい。ステップは大きく分けて次の4ステップがあります。
ステップ① 社内体制の構築
まずは採用活動で必要な社内体制の構築を行っていきましょう。
前述した「いつまでに、どのような人物が、どの部門で、どのくらいの人数必要か」という情報を基に、募集を行いたい部門の社員や経営者とも相談し、採用活動で必要な協力体制を築きます。
具体的には
・経営者、募集部門部長、直属の上司
・採用担当者
・面接者
・内定後のフォロー担当
採用計画は必ず経営計画や事業目標に基づいたものでなくてはなりません。
そのためには必ず、人事部や採用担当者だけでなく、経営者や現場社員から見ても納得できる計画である必要があります。
採用担当者の選定も必要です。理想的なのは客観的な判断ができる人物や、応募者の魅力を見抜き説明できる人物が良いでしょう。
また、内定辞退者を出さないためにも、サポートやフォローが得意な人物などを起用するのも効果的です。
全社的に採用活動に関して協力体制を築き、優秀な人材の確保に取り組めるような環境を整えましょう。
ステップ② ターゲットの選定・要件定義
2つ目のステップは採用対象となるターゲットの選定・要件定義を行います。具体的には下記のような事項についてまとめ、要件を決定した上で採用目標を決定しましょう。
① 募集職種・部門・仕事内容
② 募集人数
③ 求めるスキルや能力
④ 必要な経験、知識
⑤ 性格や考え方
⑥ 勤務先や給与、福利厚生など
求める人材像を明確にすることは採用活動において非常に重要です。入社後のミスマッチを減らすためにも、自社が求める理想的な人材を要件定義し、応募者にも伝えていくことが採用成功の秘訣です。そのためにも自社における採用ニーズの把握はしっかり行いましょう。
なお、こうした要件定義は中途採用と新卒採用で分けると効果的です。
即戦力として活躍することが求められる中途採用者の計画はスキル重視、新卒採用計画では性格や考え方が自社と合うかを重視しましょう。
ステップ③ 採用手法・チャネルの選定
続いては具体的な採用方法の選定に入ります。自社が求める理想的な人材を採用するためには、どの媒体を利用するか考えなければなりません。
主な採用手法・チャネルは以下の通りです。
・求人サイト
・求人検索エンジン
・ハローワーク
・人材紹介
・ダイレクトリクルーティング
・自社採用サイト
・ソーシャルリクルーティング
・ヘッドハンティング
・リファラル採用
手法によってメリット・デメリットがあります。大切なのは、予算や選考に掛けられる時間なども考慮して選ぶことです。
採用活動に予算や時間を掛け過ぎてしまい、大きな損失となっては経営計画や事業目標の達成もできません。自社にとって一番好ましい方法を考えましょう。
※最新の中途採用手法のトレンドは?主要な手法14種類を徹底比較
あとは求めるスキルや能力、経験等から採用基準を設けます。注意すべきなのは高すぎる基準を定めてしまい採用者が誰もいないという事態です。
準備段階で調査した有効求人倍率や競合の状況などをふまえて、絶対に必要な能力やスキルと、入社後に習得でもよい能力やスキルなどに分けて設定しましょう。
ステップ④ 採用スケジュールを立てる
事前に採用スケジュールの計画を立てておくことも大切です。
・募集期間
・選考期間
・入社日
・研修期間
新しく採用した人がいつまでに入社して欲しいのか、あらかじめ逆算して採用スケジュールを組んでおきましょう。
スケジュールを立てないと、必要な時期に必要な人材を確保できていない問題も起こりえます。また、入社時期も決めておかないと、応募者と入社可能時期で認識違いが起こりトラブルになる可能性もあります。
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採用計画のテンプレート項目例
採用計画を立てる際にはどのような項目があるとよいのか、テンプレート例をご紹介します。自社の目標を各項目に落とし込み、具体的な採用計画を立ててみましょう。
採用目標 | ・募集職種 |
採用方法 | ・新卒採用の募集方法 |
採用プロセス | ・選考方法(書類選考、面接など) ・選考スケジュール(募集期間 |
なお、作成した採用計画は、採用活動に関わる社員が確認できるように共有しておくことも大切です。
ExcelやGoogleスプレッドシート、スケジュール管理ができるITツールなどを活用し、計画に沿った採用活動を進行できるようにしましょう。
採用計画を立てた後にやるべきこと
採用計画を立てたら、実際に採用活動を進めていきましょう。計画に沿った採用活動を含め、やるべきことを解説します。
社内の協力体制を整える
採用活動をスムーズに進めるためには、関係する社員からの協力が欠かせません。
どのような採用計画を立てたのか内容を共有し、任せたい役割と目的を伝えるようにしましょう。認識を擦り合わせることで円滑に連携でき、効率的な採用活動が期待できます。
ただ協力してもらうだけではなく結果や成果も共有することで、社員のモチベーションアップにもつながるでしょう。
自社サイト・SNSを更新する
自社サイトやSNSを運用している場合は、採用計画に合わせて内容をブラッシュアップしておくことが大切です。
応募前に企業のホームページやSNSを確認する求職者は多く、内容が古く更新されていないと不信感につながりかねません。
採用したい人材からの応募機会を逃さないためにも、自社の魅力が伝わるような内容に見直しを行いましょう。
採用活動を行う
社内での準備が整ったら、採用スケジュールに沿って募集活動を開始します。
求人原稿の作成・掲載やダイレクトスカウトを行い、選考を進めていきましょう。
選考にあたっては明確な採用基準を設け、担当する社員によって差が出ないようにすることが大切です。
選考中や内定後は候補者の辞退を防ぐためにも、コミュニケーションを取ってしっかりフォローしましょう。選考状況や入社の準備状況などを適宜伝えることにより、候補者の不安解消につながります。
※内定者フォローとは?効果的なフォローの手順や取り組み事例、便利なツールも紹介!
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計画通りに進まない場合のチェックポイント
採用活動は計画通りに進むことが最善ですが、思った通りに進まないこともあります。そこで今度は採用計画が思ったように進まない場合のチェックポイントもご紹介します。
具体的には下記の様なポイントがありますので、チェックしてみて下さい。
・募集要件が厳しすぎないか?高すぎる条件を設定していないか?
・他社と比較して給与や待遇などが見劣りしないか?
・採用手法は、適切か?不足はないか?
・求人票で、しっかりと魅力をアピールできているか?
・応募者対応はタイムリーにできているか?
よくあるエラーは、「採用手法・チャネル」に不足がある場合です。
現在の採用市場はコロナ禍を経て、採用難の市場に戻りつつあります。
全国の有効求人倍率は1.30倍(2023年10月分)で地域や募集職種によっては、募集を出してもなかなか応募がないということがあるでしょう。
その場合は、まずは露出を増やすことが大事です。まずは、多くの求職者に自社の求人票をみてもらえるようにチャネルを増やしましょう。
その際に有効なサービスが「採用管理システム」です。
採用管理システムで求人募集をすると、複数の求人サイトへ一括で連携できます。
アルバイトタイムスが運営する「ワガシャ de DOMO」は、世界最大の求人検索エンジンであるIndeedをはじめ求人ボックス、スタンバイなど合計6つの求人サイトで自動掲載ができる採用管理システムです。
採用計画を立てるときに役立つフレーム
最後に採用計画を立てる時に役立つフレームワークもご紹介します。フレームワークを活用すれば
効率的に計画を設計できます。具体的には下記のようなフレームワークがあるので試してみましょう。
ペルソナの設定・分析
まずはペルソナ設定及び分析のフレームワークです。マーケティングでも使われる手法ですが、採用計画にも活用できます。どのような人物を採用したいのか具体的に考え、採用ターゲットを架空の人物として設定します。
設定のポイントは自社で採用したい人物の特徴ばかりでなく、実生活での様子も含めて具体的に想像することです。生活面でのイメージも設定できれば、そのターゲットへのアプローチ方法も分かるため効果的な採用手法を選択できます。
なお、設定にあたっては社内の色々な人物から「求める人材像」についてヒアリングします。その時注意すべきなのが、あまりにも理想が高いペルソナ設定にしないことです。採用可能であるか考慮しながら特徴や要件は定義していきましょう。
※採用活動は「ペルソナ」で成否が決まる|重要性や設計の流れなどを解説[1]
3C分析
3C分析も採用計画を立てる時に活用できるフレームワークです。3Cとは下記の「3つのC」のことを指しています。
Customer(顧客や市場)
Competitor(競合)
Company(自社)
こちらも最初は採用したい人物(Customer)を分析することから始めます。
具体的にはどのような転職先を希望しているのか、重視している点などを挙げて整理していきます。併せて、そのターゲット像が現在の採用市場にどのくらいの人数いるのかも分析しましょう。
次に採用市場における競合(Competitor)が、そのターゲットに対してどのような採用活動を行っているのか、条件面や待遇なども含めて洗い出していきます。
そして、採用ターゲットから見た自社(Company)の魅力について整理します。採用面で他社に勝っていることなどを挙げてみましょう。
このような分析を行うことでターゲットへの理解も深まり、採用市場における自社の立ち位置についても正確に把握することができます。
5A理論
マーケティングで活用される5A理論も採用計画を立てる際には効果的です。5A理論は消費者の購入プロセスの思考や行動の変化の把握に用いられます。5Aとは具体的に説明すると下記のような意味があります。
● Aware(認知する)
● Appeal(訴求する)
● Ask(尋ねる、調べる)
● Act(購入する、行動する)
● Advocate(勧める)
これを採用計画では採用ターゲットの思考や行動パターンに置き換えます。
具体的には、求職者が企業を見つけ出し、その企業から印象を受け、会社について知り、企業説明会や面接を受け、内定や採用をされるというフェーズごとに考え採用活動を組み立てます。
どのようにして自社に気付いてもらうか、どのように自社の魅力を伝えるか、どのように自社の選考を受けてもらうかなどに分けて、具体的な計画を練ってみましょう。
効果的な採用計画を立てるには準備と分析が不可欠
採用計画の概要や必要な準備、計画の立て方やフレームワークなども紹介しました。採用計画を立てる際に大切なことは事前の準備と分析です。
どのような人物を採用したいのか、経営目標や事業計画との関連も考え、社内で本当に必要な人物について検討する必要があります。
その際には、充分なヒアリングや採用市場の分析、過去の採用活動の結果からの改善といった準備が成功のカギを握ります。ぜひ、本記事を確認しながら理想となる人材採用の計画を立てましょう。
採用計画の立て方で迷う場合、うまくいかない理由が分からない場合は、求人のプロに相談してみるのも検討してみましょう。
※採用力セルフチェックシートで自社の課題を発見してみる
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