中小企業が採用に苦戦する理由|人材獲得対策や成功事例も解説
一概にはいえませんが、中小企業は大企業に比べて採用活動にかける予算が限られていることが多く、総じて採用活動は苦戦しがちな傾向にあります。
しかし、適切な対策を講じて、人材獲得に成功した事例も少なくありません。
この記事では、中小企業が人材採用に苦戦する理由と、人材獲得のため講じるべき対策や成功事例について解説します。
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中小企業の採用動向をチェック
中小企業は、新卒採用や中途採用が厳しいと言われています。
採用活動が思うように進まない現状や理由を、チェックしてみましょう。
中小企業は有効求人倍率が高い
中小企業の人材採用がうまく進まない理由に、有効求人倍率の高さがあります。
リクルートワークスが2022年に実施した調査によると、全体の大卒求人有効倍数は1.58倍という結果になっており、求職者よりも働き手を求める企業が多いのが現状です。
大卒者の多くが大企業を希望しており、中小企業をターゲットに採用活動している学生が限られる点も、大きな課題です。
2023年3月卒の学生で求人倍率を比較した場合、
従業員数 | 有効求人倍率 |
---|---|
従業員数300人未満 | 5.31倍 |
従業員数300~999人 | 1.12倍 |
従業員数1000~4999人 | 1.11倍 |
従業員5000人以上 | 0.37倍 |
従業員数300人未満の中小企業の採用状況は、特に厳しい状態が続いています。
※リクルートワークス研究所|第39回ワークス大卒求人倍率調査(2023年卒)
今後も売り手市場が続き、大企業への就職希望者が多い状態が続くと予測されます。良い人材を採用するために、中小企業側が率先して課題を見抜き、採用活動を有利に進める必要があるでしょう。
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中小企業に人材が集まらない4つの理由
中小企業に求職者が集まらないのには、主に4つの理由があります。
次に、採用に関連する課題に目を向けてみましょう。
母集団を形成できない
自社求人に応募する学生、転職希望者を母集団と呼びます。
企業は母集団の中から、よりマッチした人材を採用・内定するのですが、「集団と呼べるほど応募者が集まらず、そもそも母集団が形成できない」という中小企業が少なくありません。
この原因は、大企業への就職を検討する学生が多いだけでなく、そもそも中小企業は認知度が低く、大手企業の求人情報に埋もれやすい、という点にあります。
中小企業の求人情報が、学生や転職を検討している層に届かなければ、当然応募にはつながりません。その結果、母集団形成に至らない状況が続いています。
※採用を有利に進められる母集団形成! 15の導入方法と手順・注意点を解説
採用活動に使える予算に限りがある
大手企業は、有能な社員を獲得するために、コストを惜しみません。
最新の採用手法、興味を惹くアプローチで、優良な人材を多数雇用できるでしょう。
一方の中小企業は、求人に使える採用コストが限られています。
マイナビの調査で、このようなデータが出ています。
上場企業:約771.9万円/非上場企業:約267.4万円
「入社予定者1人あたりの採用費平均」
上場企業:約38.1万円/非上場企業:約45.5万円
参考サイト:サポネット|新卒採用の予算について
採用費の総額は上場企業の方が高いのですが、大人数をまとめて採用できるため、1人あたりのコストは抑えられています。
中小企業は1人あたり50万円近い採用コストがかかること、コストをかけても採用できない例があることから、中小企業の採用業務は厳しいといえます。
採用担当者に余裕がない
大企業の採用担当者は、採用業務にだけ専念すれば良いケースがほとんどです。
ですが、中小企業の場合は人事や労務、経理、一般事務などの合間に、採用業務をしているケースが多くみられます。
この場合、普段の仕事に加えて、必要に応じた採用業務が必要になるため、社員への負担が大きくなってしまいます。
手が足りず、問い合わせへ速やかに対応できない、採用情報をこまめに更新できない、といった状態に陥る場合もあるでしょう。
足りない人手をどう補うのか、求人サイトや採用管理システムなども上手に活用しながら、進めていく必要があります。
※採用担当者の仕事とは?|適している人物や採用で苦戦しやすいポイント・対策も解説!
内定辞退率が高い
中小企業は内定辞退率が高い傾向にあります。
良い人材を見つけて、早めに内定を出しても、大手企業の就活がはじまる時期に辞退される、というケースが多くみられます。
大手企業だけでなく、中小企業同士でも人材の獲得争いが盛んです。
これらの状況から頭一つ抜け出すために、同じ規模の事業者と自社を比較してみましょう。
学生と風通しの良いコミュニケーションができているかどうか、自社で働くメリットや魅力がきちんと伝わっているかどうか、といった点を確かめながら、内定辞退が起きないようにアプローチしてください。
※内定者フォローとは?効果的なフォローの手順や取り組み事例、便利なツールも紹介!
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大学生の就職意識調査からみる就職観
中小企業が新卒学生の採用人数を増やすためには、学生側がどのような考えで就職活動に臨んでいるのかを知ることが大切です。
以下、マイナビキャリアリサーチLabが実施した「マイナビ 2024年卒大学生就職意識調査」の結果をもとに、学生の就職観について解説します。
中堅・中小志向と大手志向の割合はほぼ同じ
※出典元:マイナビキャリアリサーチLab「2024年卒大学生就職意識調査」
調査によると、24年卒者が大手企業を志向する学生の割合は48.9%、中堅・中小志向は47.1%という結果が出ています。
12年卒から16年卒までは、上場企業など大手よりも中小企業を志向する学生の割合が多かったものの、その後は大手を志向する人材が多い状況です。
しかし、その差は年々狭まっており、決して中堅・中小企業が採用活動において絶対的に不利とは限りません。
※出典元:マイナビキャリアリサーチLab「2024年卒大学生就職意識調査」
次に、24年卒者の企業志向の項目詳細を見ると、やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよいと回答する学生が40%を占めており、中堅・中小企業を狙う層も一定数存在していることが分かります。
新卒者確保という観点から鑑みて、これからの中小企業には「働きがい」や「仕事のやりがい」に焦点を絞って採用活動に注力することが求められるでしょう。
また、次のような学生に対するアプローチを積極化するよう、社内の採用体制を整えていきましょう。
- 大手企業を志望していたものの、残念ながら内定が得られなかった学生
- 自社の仕事内容に理解を示し、やりがいをもって働きたいと考えている学生
- 中堅・中小企業への就職を目指している学生 など
2024年新卒学生の就職観
※出典元:マイナビキャリアリサーチLab「2024年卒大学生就職意識調査」
学生に対する就職観の調査における、各質問項目に対する主な回答の割合は、次のようになっています。
- 楽しく働きたい(38.9%)
- 個人の生活と仕事を両立させたい(22.8%)
- 収入さえあればよい(11.9%)
なお、その他の結果は以下の通りです。
- 自分の夢のために働きたい
- 収入さえあればよい
- 社会に貢献したい
- プライドの持てる仕事をしたい
- 出世したい
上記結果を見る限り、中小企業が自社に新卒者を迎え入れるためには、ただ働きやすい環境を準備するだけでなく、自社の仕事に面白みがあることを積極的にアピールする必要があるでしょう。
社員同士の仲の良さ・プライベートの自由さなどを求人広告等に盛り込むのも一手です。
資格取得補助など、社員の将来につながる制度があれば、その点にも触れておくと親切です。
もちろん、新卒者が不自由なく暮らせるレベルの給与を用意することは大前提となるため、ライバル社と比較して給与額が低い場合は提示額の見直しが必要です。
なお、自社の環境についてアピールする際は、テキスト情報だけでなく次のような手法も積極的に取り入れましょう。
- 自社サイトや求人サイトにおいて、仕事風景などを画像・動画で紹介する
- 自社で活躍している社員にインタビューを行い、仕事のやりがいやリアルな意見などを伝える など
その他、採用担当者・応接担当スタッフが親しみやすい雰囲気を作って、新卒者を迎え入れられるよう準備することも大切です。
学生が企業を選択する理由
新卒者が働く企業を選ぶ理由について理解を深めることも、採用活動を円滑に進める上で重要です。
調査における新卒者の主な回答は、以下の通りとなっています。
- 安定している(48.8%)
- 自分のやりたい仕事ができる(30.5%)
- 給料の良い(21.4%)
近年の傾向として、安定している企業・給料の良い企業を選びたいと考える新卒者の割合が増えていることから、大手企業を目指す層は安定性の高い・高給の職場を探しているものと考えられます。
しかし、自分のやりたい仕事をするために職場選びをしている新卒者も一定数存在していることから、中小企業は仕事のやりがい・給与面での充実をアピールすることにより活路が開ける可能性も十分あります。
学生が「行きたくない」と思う企業の特徴
調査によると、新卒者が行きたくない企業の主な特徴としては、次のような結果が出ています。
- ノルマのきつそうな会社(38.2%)
- 転勤の多い会社(29.6%)
- 暗い雰囲気の会社(24.1%)
その他、仕事の内容が面白くない会社、給料の安い会社、体質が古い会社なども、新卒者に敬遠されやすい傾向が見て取れます。
自社に思い当たる特徴がある場合は、どのような特徴を・どこまで改善できるのかについて社内で議論し、新卒者を迎え入れられる体制を構築する必要があるでしょう。
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中小企業が優れた人材を獲得するための7つの対策
採用課題は企業により様々ですが、中小企業が優れた人材を獲得していくためには、求人掲載から内定者フォローまでの流れを通して「自社のことをよく知ってもらえる」施策を講じる必要があるでしょう。
以下、具体的な対策について解説します。
自社の認知度向上につながる手段を増やす
中小企業が優れた人材を獲得するためには、まず優れた人材に“自社の存在”を知ってもらわなければ、先に話が進みません。
例えば、新卒者はアクセスできる企業情報に限りがあることから、そもそも「中小企業(自社含む)の存在を知らない」ために応募していない可能性があります。
よって、求職者に自社を認知してもらえるよう、様々な手段を使って自社の情報を発信していく必要があります。
求人掲載を含め、採用活動に活用できる媒体としては、次のようなものがあげられます。
媒体 | 詳細 |
自社サイト(ホームページ) | ●求職者が情報収集するにあたり、自社サイトは比較的初期の段階でチェックされるものと考えられる ●求職者が企業概要・事業内容を確認することを想定し、同業種のサイトなどを参考にしつつ、必要事項を盛り込むこと |
自社採用サイト | ●採用計画上、一定数の人員を確保する必要がある場合は、 ●自社サイトから専用の採用サイトへの導線を作ることで、応募までの流れがスムーズになる ●掲載予定期間を定めず通年募集しても、各種求人サービス(求人媒体)を利用するより低コストで済む |
SNS | ●若年層はSNSから情報収集を行う傾向にあるため、自社アカウントを作成して情報発信することにより興味を持ってもらえる可能性がある ●会社の雰囲気をメインに紹介したいならInstagram、拡散力を重視するならX(旧Twitter)、選考も視野に入れて運用したいならLINEを活用したい |
複数のアプローチを検討する
中小企業は大企業に比べて採用活動にコストをかけられないことが多いため、大手求人サイトに情報を掲載しても、他の企業の情報に埋もれてしまうおそれがあります。
そのような状況を改善するためには、求職者と接するための様々なアプローチを検討し、反応を確かめながら採用活動を進めていく必要があるでしょう。
具体的には、次のようなアプローチがあげられます。
アプローチ | 詳細 |
企業側で人材を探す | ●求職者から応募が来るのを待つのではなく、企業側で直接人材を探す(ダイレクトリクルーティング)、エージェントを介して優秀な人材を紹介してもらう(人材紹介)などの手段を講じる ●自社にマッチした人材を探しやすく、早期の採用が実現すれば採用コストも抑えられる |
各種説明会の実施 | ●中小企業向け合同説明会に参加することで、中小企業を狙う人材に対してアプローチしやすくなる ●大学等で行われる学内企業説明会を通して、学生に直接魅力を伝えたり、先輩・後輩の関係性を活かしてアピールしたりすることができる |
カジュアル面談 | ●対面・オンライン・電話等の方法で、社員と候補者がカジュアルに話をする取り組みを指す ●選考ではなく相互理解の場を設けることで、ミスマッチ防止・転職潜在層へのアピール等が期待できる |
職場見学 | ●主に内定者・採用候補者に対して行うもので、職場の様子や雰囲気、入社後の業務内容などを知ってもらう ●参加者が入社前に抱える不安を解消したり、モチベーションをアップさせたりする効果が期待できる |
SNS採用 | ●SNSを活用し、自社の欲しい人材にアプローチする ●自社の魅力を発信しやすく、求職者に社風等を理解した上で応募してもらいやすい |
リファラル採用 | ●自社で働く社員が、友人や知人を紹介する採用手法 ●現役で働く社員の目で選んだ人材を採用できるため、マッチ度の高い採用を実現しやすい |
インターンシップ | ●学生等に短期的な就業体験を行ってもらい、自社に関心を深めてもらう ●人材育成や離職防止・有望な人材の発掘などが主な狙いとなる |
採用エリアを拡げる
一般的に、地方で暮らす学生は、関東地方の求職者に比べて大企業志向が少なく、地元志向が強い傾向があります。
そのため、例えば関東地方での採用に行き詰まりを感じているようなら、これまで想定していた採用エリアを拡げてみることをおすすめします。
コロナ禍を経て、オンラインの会社説明会やWeb面接は、一般的になりました。
LINEやビジネスチャットを使い密にコミュニケーションをとったりすることで、遠距離にいる人材向けに採用活動を実施することは十分可能です。
交通費や日程調整の負担も総じて少なくなるため、応募者がなかなか集まらず悩んでいる場合、ぜひ一度試してみましょう。
ターゲット・採用計画の明確化
効率的に採用活動を進めるためには、採用したい人材像(ターゲット)を明確にし、その人材を採用するための計画を立てることが重要です。
ターゲットに求める要素としては、経営方針・事業計画を踏まえた上で、次のように特徴を考えていく必要があります。
- 柔軟な考えを持っているアイデアマン
- ルール重視で確実に仕事をこなせる
- 協調性が高く、年代を問わずコミュニケーションをとれる など
ターゲットに求める要素が具体化できたら、採用人数や雇用形態・採用方法・採用スケジュールなどを詰めていきましょう。
また、これらの事項は採用に関わるすべての社員が誤解しないよう、分かりやすく言語化することが大切です。
※採用活動は「ペルソナ」で成否が決まる|重要性や設計の流れなどを解説
採用活動のタイミングに注意する
特に新卒採用に当てはまる傾向ですが、就職活動は積極性のある優秀な人材ほど早めに行動を起こします。
そのため、採用活動をスタートするタイミングを大企業と同じ時期に設定してしまうと、欲しい人材を見つけにくくなることが予測されます。
よく「幸運の女神には前髪しかない」と言われますが、採用活動においても早めに動きをかけることが大切です。
また、年によってインターンシップの時期・選考解禁などの時期が変動することも予想されるため、他企業に乗り遅れないようスケジュールを管理する必要があるでしょう。
綿密に採用活動のスケジュールを立てるのが難しい場合は、通年採用というスタンスで、新卒者・第二新卒者・既卒者を分け隔てなく採用するのも一手かもしれません。
※新卒採用スケジュールを立てる際の基礎知識|近年の流れやポイントも解説
内定者をしっかりフォローする
企業が内定を出してから入社に至るまでの間、内定者は将来について不安を抱きやすいものです。
特に、初めての社会人生活を迎える新卒採用者が「本当にこの会社で良かったのか」と自問自答する状況を放置していると、入社前に辞退する可能性があります。
また、早い段階で内定が出た学生の場合、就職活動を継続してより良い条件での採用を目指すことも考えられます。
内定者の辞退を防ぐためには、次のようなフォローが有効です。
座談会・懇親会を開く | ●社内で働く社員などとコミュニケーションをとり、入社後の姿を具体的にイメージさせる狙いがある ●学生に悪印象を与えないよう注意する |
少人数での面談を行う | 企業・学生間の相互理解を深める狙いがある |
入社前研修を実施する | ●実務で役立つ内容を事前に研修で教えつつ、新しい環境で働くことの不安を軽減する狙いがある ●厳しい内容にすると辞退されるリスクがあるため、難易度には気を配ること |
※内定者フォローとは?効果的なフォローの手順や取り組み事例、便利なツールも紹介!
幅広い採用ターゲットを想定する
採用活動で行き詰った際は、自社にとって必要な人材は本当に「現在設定しているターゲットのみ」なのか、再考することをおすすめします。
例えば、これまで新卒採用をメインに考えてきて苦戦している場合、他の若年労働者はいないのかどうか再考する価値は十分にあります。
厚生労働省「若年者雇用対策の現状等について」によると、若年労働者に該当する15~34歳の人口は、以下の通り減少傾向にあります。
- 1997年:2,270万人(33.4%)
- 2007年:2,035万人(30.4%)
- 2017年:1,711万人(25.5%)
※()内のパーセンテージは総労働力人口に占める若年労働力人口の割合
また、2040年には若年労働者の人口が1,364万人、総労働力人口に占める若年労働者人口の割合は25.0%にまで減少すると推計されています。
このような状況において新卒採用にこだわっていると、その分限られた若年労働力の確保が遅れるものと考えられます。
若年者には、新卒・既卒・第二新卒だけでなく、中卒・高卒から社会人経験を積んできた人材もいます。
フレッシュな人材を採用できず悩んでいるなら、社内で「自社で活躍できる人材」を再定義し、幅広い観点から若年労働者採用の機会を増やせるよう努力したいところです。
中小企業は「採用業務の効率化」が重要
中小企業の場合、採用活動を成功させるため様々な対策を講じようと考えていても、人材不足から対応が難しいケースは珍しくありません。
そこで重要なのが「採用業務の効率化」です。
例えば、採用管理システムを導入できれば、これまでマンパワーで対応してきた業務の負担を軽減化することが可能になります。
導入の具体的なメリットとしては、次のようなものがあげられます。
- 応募者の情報を一元管理し、人事部内で共有が可能
- 採用サイトとの連携により、説明会・面接などの日程調整が楽になる
- 求職者のデータを分析し、自社にマッチする人材の傾向を把握できる など
採用のミスマッチを減らし、新入社員の定着率向上を目指すのであれば、採用管理システムの導入を検討することをおすすめします。
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中小企業の採用成功事例
採用活動の成功率改善や効率化を目指すのであれば、中小企業の採用成功事例に目を通し、自社で取り組めそうな例を探すことから始めましょう。
以下、中小企業が採用に成功した事例の中で、多くの企業が参考にできそうな例をいくつかご紹介します。
理念・ビジョン共感型採用の実施
1例目は、良い人材を探すのではなく「自社にマッチする人材」を探すため、理念・ビジョン共感型採用に踏み切った企業のケースです。
求職者には経営理念・ビジョンを共有することに徹し、採用説明会でも待遇や条件、職種といった情報をあえて紹介していません。
ただし、求職者側が自身のキャリアを考える採用イベントなども実施しており、入社してからは個々のキャリアビジョンを社内研修等で上司・同僚と共有できる体制を整えています。
その結果、人材に学習意欲ややりがいが生まれ、定着率の向上につながっています。
本例の企業は、2023年で新卒社員4名の採用を実現したことから、効果は上々といえるでしょう。
多様な求職者にマッチする環境の整備・アピール
2例目は、求職者側のニーズに合った職場作り・アプローチ方法を模索して、採用活動を成功させている企業のケースです。
本例で特徴的なポイントとしては、働く環境を整えつつ、求職者の事情・関心に合わせた情報をSNS等で発信している点があげられます。
具体的には、高齢者・主婦層に時短勤務を、季節労働者には短時間就労を提案できるよう環境を整備しており、それを踏まえた上で県外出身の人材にアプローチをかけ成果を出しています。
また、未経験者を採用しやすくするための施策として、資格取得費用の負担・講習の社内実施等を盛り込んだ支援制度を創設しています。
その他、業務のデジタル化を推進し、新入社員の負担軽減に向け動きをかけている点も、求職者の応募のハードルを下げることに貢献しています。
ミスマッチ防止のための求人票精査・リライト
3例目は、自社の就業環境・魅力を求人票やホームページ等で分かりやすく伝えられるよう、表現を毎回見直し改良している企業のケースです。
求人票の精査・リライトを丁寧に行うことで、事業再編・新規事業展開など“自社の状況に応じて募集の時期や職種が変化する”中でも効果的な採用を実現しています。
特に注目すべきポイントとしては、応募への心理的ハードルを下げる表現を工夫するため、求人を出す際に社長・経営企画室長が他社の求人票と自社のものとを見比べ、細部まで議論して作成している点があげられます。
その一方で、終業時間や年間休日といった条件の良さの裏にある、「短時間で集中して業務を遂行する厳しさ」に触れている点も、ミスマッチ防止に貢献しています。
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中小企業オーナーを取り巻く環境は厳しさを増しており、優秀な人材を確保できず事業承継課題の解決が難しいケースも増えてきています。
若年労働者が減少する中、後継者候補として「長期にわたり自社で働き経験を積んでくれる人材」を確保するためには、採用活動の質を高めることが重要です。
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