キャリア採用とは? メリット・デメリットや導入のポイントを解説!
新卒採用、中途採用に加えて、キャリア採用という言葉が多く聞かれるようになりました。
求職者のキャリアに注目する採用方法が、なぜ広がっているのか、キャリア採用を導入するメリット・デメリット、取り入れる際のポイントについて、詳しく解説いたします。
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キャリア採用とは?
キャリア採用とは、中途採用で重視する“社会人として働いた経験がある人材”という条件に“必要なポジションの職種で経験を積んでいる”という条件をプラスした、人材採用を指します。
中途採用の中で、「実務経験○年以上」といった条件がつけられている求人が、キャリア採用です。
即戦力人材を求める場合に、特に適している採用方法として、導入する企業が増えています。
教育の手間なく業務を遂行できる経験者採用を目指すなら、キャリア採用を検討してみましょう。
中途採用とキャリア採用の違い
中途採用は、キャリア採用を含む広い意味で使用される言葉です。
求職者のスキルや実績を重視するキャリア採用だけでなく、未経験者採用、第二新卒採用など、新卒採用を除く採用はすべて中途採用の枠に入ります。
他社でなんらかの仕事に就いていた人材を雇用する場合は中途採用、自社で必要としている職種の経験が一定年数必要な場合はキャリア採用と呼ばれます。
キャリア採用は業界に知識、技術を持つ即戦力雇用を目指す方法、中途採用はビジネスマナーを身につけた社会人経験のある人材の雇用を目指す方法だと、覚えておきましょう。
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キャリア採用に乗り出す企業が増えている理由3つ
キャリア採用を取り入れている企業が増えている背景には、時代の変化による採用手法の変化などが挙げられます。
なぜ今、経験採用が必要とされているのか、3つの理由をみてみましょう。
終身雇用制度の崩壊
経済成長が低迷する中、これまでの日本で当たり前だった終身雇用制度が崩壊しています。
一つの企業で一生働くのが難しい時代になった結果、自分が磨いてきたスキルに価値を感じてくれる会社を渡り歩く、転職でのキャリアアップが一般的になりました。
VUCA時代と言われる現在、新型コロナの流行や多発する災害など、いつ何が起きるか分からない時代です。そんな今を生き抜くために、臨機応変に職場を変える若い世代が増えています。
少子高齢化で人材不足を感じている企業が多いこと、人材を補うために条件の良い求人が増えていることも、求職者がキャリア採用を検討する理由の一つです。キャリア採用を検討するなら、魅力的な条件を用意して、人材を募りましょう。
※終身雇用制度のままで大丈夫? メリット・デメリットとこれからの人事制度
自社での人材育成に限界を感じている
IT化、DX化などの施策が次々と進められる中、自社での教育、指導に限界を感じている企業が少なくありません。
自社内に講師を呼んだり、学習制度を取り入れて学びを深めてもらったりするよりも、経験豊富な人材を雇用し、知識やスキルを共有してもらう方がスピーディーである、と考えるケースが多いこともあり、キャリア採用に注目が集まっています。
自社に新しい施策を教えられる人材がいない、最新の技術を取り入れる必要がある、と言う場合は、キャリア採用を導入するとスムーズです。
ジョブ型雇用を推進する企業が増えている
これまで日本では、まず人材を採用してから、どこに配置するか決定するメンバーシップ型雇用が多くみられました。
就業後はさまざまな職種を経験してもらい、マルチに働ける人材を育成する、という終身雇用の考えが残っている企業も少なくありません。
しかし最近は、専門の職種へ就くことを想定したジョブ型雇用が増えています。
新卒・中途採用問わず、はじめから知識、スキルを持つ人材を雇用するジョブ型雇用が増えていることから、キャリア採用枠も広がりをみせています。
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キャリア採用を積極的に進めている職種
人材採用の際、キャリア採用が向いている職種、専門知識は特に必要がない新卒や中途採用で十分な職種があります。どのような分野でキャリア採用が進められているのか、事前に確かめておきましょう。
実際に採用サイトを見てみると、専門性が高い仕事であればあるほど、キャリア人材を求める傾向にあります。
・人事
・経理
・財務
・営業企画
・法務
・研究開発
・システムエンジニア
・プログラマー-
・Webディレクター
・Webデザイナー
・データアナリスト
これらのジャンルは、キャリア採用が多い職種です。
企業形態としては、IT企業、ベンチャー企業、スタートアップ、外資系企業などが、キャリア採用を広く取り入れています。
専門知識を持つ人材を企業の戦力にできれば、企業活動を活発化できます。
自社内に、キャリア採用に向いている職種があれば、導入を検討してみてください。
キャリア採用を実施するメリット3つ
キャリア採用を実施すると、企業に嬉しいメリットが待っています。
取り入れるとどのような良い面が待っているのか、キャリア採用が持つ3つのメリットをみてみましょう。
メリット1:事業をスピーディーに成長させられる
就業経験を持つ経験者人材は、入社後早期に力を発揮してくれます。
ライバルが多い業種の場合、他社に負けない速やかな一手を講じたり、業界のリーダーとして企業を成長させたり、といった取り組みが欠かせません。
ここで育成に時間をかけてしまうと、乗り遅れてしまう恐れがあります。
一から育てるのではなく、育っている人材を採用して、事業発展や業務拡大を目指しましょう。
メリット2:新しいアイデア・ノウハウが手に入る
専門知識を持つキャリア人材は、新卒採用とは違い、職種に関連する高いスキルや経験、他社とのパイプを持っています。
これまでの実績を活かして、新しい提案をしてもらえたり、企業活動で足りていない部分を指摘してもらえたり、といった自社にはないアイデア・ノウハウを提供してもらえる点がメリットです。
企業がこれまで長年実施していた方法が、実は間違っていたり、時代に合っていなかったり、もっと楽な方法があったり、というケースが少なくありません。
いち早く新しい施策を取り入れたい、他社が実施していない知識やアイデアを事業発展に活かしたい、という企業にとって、大きな戦力人材になるでしょう。
メリット3:教育コストを節約できる
新卒採用や未経験者を中途採用する場合、人材を育てる教育コストや手間がかかります。
教育に関連するコストを減らすなら、すでに必要な知識や技術を習得している、キャリア人材を採用してみましょう。
キャリア人材であっても、企業理念や取引先の知識、考え方といった部分は教育する必要があります。多少の手間にはなりますが、キャリア人材は社会人経験があるため、新卒者よりもスムーズに理解してもらえるでしょう。
キャリア採用は、採用コストが高額になるケースが多い一方で、教育コストを抑えられること、実績が分かっているため力を発揮してもらいやすいこと、といった良い部分があります。
新卒採用では戦力が足りない、教育や指導の負担を減らしたい、と言う場合は、キャリア採用を検討してみてください。
キャリア採用を実施するデメリット2つ
キャリア採用にはメリットだけでなくデメリットもあります。採用活動で失敗しないために、マイナス面もチェックしておきましょう。
デメリット1:充実した給与や待遇が必要
キャリア人材は、これまでに磨いてきた高いスキルを持っています。採用活動を進めるにあたり、人材の知識や実力に見合った給与や待遇を用意できない場合は、応募にいたりません。
現在の給与と同額レベルでは納得しない応募者が多いのも、キャリア採用の現状です。相場を比較しながら、興味を持ってもらえる待遇を用意しておきましょう。
キャリア人材採用でカットできる教育コスト、今後の給与負担を考えながら、候補者が応募したくなる採用条件、募集文章を作成してください。
デメリット2:自社と相性が悪い場合もある
キャリア採用で雇用した採用者は、前職で指導された内容や企業の常識が身についています。
自社の社風や仕事の進め方と、前職でのやり方に違いが多い場合、雰囲気になじめず退社してしまう可能性がゼロではありません。
キャリア人材だけでなく、キャリア採用した人間が即戦力になる事実を、良く受け止めない社員が出てくるケースもあります。
自社社員には、キャリア採用を導入する理由やキャリア人材の活用方法を事前に伝えておく、候補者には面接や採用サイトを通じて、自社の雰囲気や現在の進め方を共有しておく、といった配慮で、お互いが気持ちよく働ける企業を目指しましょう。
キャリア採用を成功させる!4つのステップを解説
キャリア採用を成功させるには、事前準備が欠かせません。
理想に近い人材を獲得するために、覚えておきたい4つのステップをみてみましょう。
1.ターゲットを明確にする
キャリア採用を実践するなら、該当職種での経験が○年ある人、といったざっくりとしたイメージではなく、ターゲット層をこまかく決定しておきましょう。
企業や求める人材、一緒にはたらく現場の人間が必要としている人材を、明確にするのが第一歩です。
まずは経営者や採用担当者主体で、どの時期にどのような能力を持つ人材が必要なのか。
キャリア人材を採用するにあたり、既存社員の移動などが必要かどうか。
配属予定のチームに適しているのはどのような人物か、といった性格面も考慮しながら検討します。
経営者や採用担当者側で人物層がみえてきたら、次は一緒に働く社員へヒアリングを行いましょう。
「スキルだけでなく、親しみやすい性格の人が良い」
「○○の資格、知見がある人材を採用して、専任担当にしたい」
「最新の知識やスキルを教えてくれる、実績豊富な人材と出会いたい」
など、希望を聞きながら、現場になじむ候補者を絞り込みましょう。
ヒアリングが済んだら、求める採用基準を満たすペルソナを作っておくと、面接の際に役立ちます。
この時、絶対にクリアするべき条件、できればクリアして欲しい条件、問わない条件を決めておくと、スムーズな採用活動にできるでしょう。
人物像が決まったら、ターゲットに適した採用手法を選択します。
・キャリア採用に強い採用サイトを活用する
・スカウト型採用やダイレクトリクルーティングを検討する
・社員からリファラル採用を募る
など、採用予算や必要な人数に適した方法を選びましょう。
※採用活動は「ペルソナ」で成否が決まる|重要性や設計の流れなどを解説
2.採用情報を公開し応募を募る
採用したいターゲットが決まったら、採用情報を発信しましょう。
キャリア転職を検討している候補者は非常に多いため、自社の魅力がしっかり伝わる内容が求められます。
他社の求人文章も参考にしながら、より詳しい情報、より良い待遇を用意できるように意識して、文章を作成してみてください。
待遇面が重視されるのはもちろんですが、
・ミスマッチを防ぐために会社の雰囲気や理念を盛り込む
・転職活動に時間をかけたくない、と考えるキャリア人材のために、スピーディーな選考フローを提示する
と言う点もこだわりたい部分です。
多数の求人の中から、自社を選択肢の一つに加えてもらえるように、キャリア人材が興味を示しそうな情報を、できるだけたくさん記しておきましょう。
3.面接でキャリア人材との距離を縮める
キャリア人材を獲得するには、面接での直接アプローチが欠かせません。
余裕がある場合は、面接を2回実施してみましょう。
1回目の面接で人材の性格や考え方を見抜き、自社に適しているかどうか判断、2回目の面接でスキルをどのように活かせるのか、という部分を判断するとミスマッチ低減につながります。
スムーズな選考にするため、面接を1回にする場合は、性格面、要望面を間違いなく確かめられるように、十分な時間を取るのがおすすめです。
キャリア人材からの質問へ的確に答えるために、採用担当者だけでなく現場の人間も同席して、実際の働き方、求めているスキルなどを伝えてください。
面接では、自社の良い面だけをアピールするのではなく、素の部分や本音を隠さず対話すると、信頼につながります。自社が抱えている問題、キャリア採用で解決したいことなどをきちんと伝えて、やりがいを感じてもらいましょう。
採用する立場、という上から目線ではなく、応募者から選んでもらう立場だと心得て、キャリア人材を迎えたいという気持ちを丁寧に届けてください。
4.内定者フォローで内定辞退や早期退職を防ぐ
キャリア人材に内定を出したら、内定辞退を防ぐために、手厚い内定者フォローを心がけましょう。
・採用担当者や社員と面談の機会を設ける
・社内見学や社内イベントへ足を運んでもらう
・分からないことを質問する窓口を設置する
・企業の雰囲気や考えが分かる資料を送付する
・退職に関連するサポートがあれば申し出る
など、できるフォローはすべて行い、安心して入社できる環境を整えてください。
内定者フォローを通じて、事前に社風や社員の様子が伝わっていれば、思っていた雰囲気と違った……という理由での退職を未然に防げます。
キャリア採用であっても、新しい環境に慣れるための研修が必要なケースがあります。
実施する場合は、入社後速やかにスタートできるように、準備を整えておきましょう。
※内定者フォローとは?効果的なフォローの手順や取り組み事例、便利なツールも紹介!
キャリア採用で注意するべきポイント3つ
キャリア採用には、新卒採用や中途採用とは違った注意点があります。
選考を上手に進めるために、覚えておきたい3つのポイントを紹介いたします。
ポイント1:結果を急ぎすぎない
キャリア人材は即戦力になってくれるはず、と入社当初から期待値を上げてしまうケースがみられます。ですが、知識や実績があったとしても、新しい環境になじむには時間がかかります。
過度な期待がプレッシャーとなり、思うように力を出し切れなくなるケースも考えられます。まずは一緒に働く仲間と円滑な関係を築きながら、キャリアが活かされるタイミングを待ってみてください。
ポイント2:個別のフォローを継続する
キャリア人材を自社に定着させるために、入社後フォローを欠かさないようにしましょう。新しい仲間を少しでも早く企業に順応させるために、オンボーディングに取り組んでみてください。
オンボーディングは、採用担当者や上司が主体となり、どうしたらスムーズに自社へなじめるか、気持ちよく働いてもらうためにはどのようなサポートが必要か、個別に検討、実施します。戦力になるまでのプロセスを事前に策定の上、信頼関係を築いていきましょう。
ポイント3:スキルばかりを重視しない
キャリア採用を実践する際、人材が持つスキルやこれまでの実績に注目してしまいがちです。
即戦力を求める採用方法のため、人材の経歴は当然大切ですが、ここばかりを重視してしまうと、人柄や考え方といった部分がなおざりになってしまいます。
優れた技術をもっていても、協調性がなかったり、自分の主張を強く押し通すタイプだったりした場合、企業活動に悪影響を与える可能性があります。
一緒に気持ちよく働ける人材かどうか、既存社員と相性が良い人材であるかどうか、という面も大事しながら、採用活動を進めましょう。
まとめ
キャリア採用を導入すると、退職などで抜けたスタッフの仕事をカバーできる人材、新しい施策の主力となって企業活動を進めてくれる人材など、力強い戦力を獲得できます。
キャリア採用に適した手法、注意点を意識しながら、適切なフォローをして、キャリア人材の採用・定着を目指しましょう。
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