中小企業に応募が来ない理由は?|改善するための具体策やおすすめの採用手法もご紹介!
企業成長には優秀な人材の獲得が必要ですが、大企業と比較して中小企業は知名度が低いため、応募が集まりにくいと思っている方も多いと思います。
しかし、知名度の低さだけが応募が来ない要因とは言い切れません。
そこで、本記事では中小企業が求人を出しても応募が来ない理由や、その改善策を解説します。おすすめの採用手法も紹介していますので、採用担当者の方はぜひ目を通してみて下さい。
※求人への応募者を増やす方法|応募者が少ない原因・原稿の書き方も解説
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中小企業の人手不足の発生要因と求人が必要な背景
中小企業の人手不足発生と求人が必要となっている背景には、主に下記のような要因があります。
①労働人口の減少と少子高齢化
現在、世界各国の先進国を中心に労働人口が減少しており、日本でも出生率の低下や少子高齢化の傾向が加速しています。主力となって働く労働者層の人口が減っているため、中小企業でも人材不足が顕在化しているのです。
②求職者の大手企業への流れ
基本的に求職者は、安定した給与や福祉制度を求めて大手企業への就業を選ぶ傾向があります。
下記のグラフは、マイナビ2023年卒大学生就職意識調査で、学生の企業選択のポイントについての結果です。最新では「安定している」が最多で43.9%で2年連続上昇しています。
■企業選択のポイント
中小企業は労働条件で大手企業に劣りやすく対抗するのが難しいため、優秀な人材の確保が難しくなっているのです。
その他、高度な技能や知識を持つ人材の不足、様々な事情を抱えた労働者が増え勤務条件が合わないなどの要因も、人手不足が起きている原因と考えられます。
中小企業に求人の応募が来ない5つの理由
中小企業が出す求人に対して応募が来ない理由としては、下記の5つの原因が考えられます。採用活動を行う前にあらかじめ確認しておきましょう。
① 情報発信が少ないため認知度が低い
中小企業の求人に応募が少ない理由として、下記のような情報発信が不足しているため認知度が低いことが挙げられます。
- Webサイトや求人情報が不十分で更新されていない
- 求人広告を適切な求人情報サイトやソーシャルメディア等で掲載していない
- 魅力的な職場環境や福利厚生を伝えるコンテンツがない
- 現場の社員の声や成功事例、働いている様子などを伝える内容がない
情報の充実度や魅力度が低いと、求職者は企業を選ぶ際に魅力を感じられません。したがって、中小企業は積極的に自社の魅力を伝えて求職者の興味を引き、応募数を増やす努力が必要なのです。
② 求職者が求める情報を提供していない
求職者の求める情報がない場合も応募が来ない要因の一つです。中小企業が求人情報等に具体的な仕事内容や給与、福利厚生、勤務地、会社の特徴などの情報を出していない場合、求職者は興味を持ちにくくなります。
また、自社のホームページや求人サイトの情報が未更新で古い場合、求職者は「正しい情報なのか?」「本当にこの条件での採用なのか?」と疑念を感じてしまうため注意が必要です。
明確で具体的な情報提供は、求職者が適切な職種や企業文化に適合しているか判断する助けになります。したがって、ホームページや求人媒体の採用情報は魅力的で分かりやすく、かつ、応募者の関心を引くような内容にしましょう。
③ 採用するための適切な手法を選べていない
ターゲット採用のための適切な採用方法、採用媒体を選べていない点も応募が来ない要因となり得ます。以下のようなケースがその典型的な事例です。
- エンジニア職を希望する求職者が多い採用サイトで、営業職の求人応募を募っている
- 20代の若い求職者を探しているのに、利用年齢層の高いハローワークで募集をしている
- フルタイムでは働けない主婦が多い採用媒体で、正社員の募集を出している
その他にも、選考プロセスが長すぎる、面接や選考内容が厳しすぎて求職者が応募を敬遠している可能性も考えられます。ミスマッチの予防には細かな条件や応募資格の指定は必要ですが、あまりにも厳格ですと応募者は来ないため注意しましょう。
④ 他社との採用競争で負けている
応募が来ない場合は、他社との採用競争で負けている可能性も存在します。特に大手企業と比べると中小企業は給与・福利厚生の条件面、さらには知名度の面でも劣るため、採用競争では不利になるでしょう。求職者は安定感や待遇の良さを求めて応募する傾向がありますので、その点も踏まえて労働条件は設定する必要があります。
また、他の中小企業相手でも、魅力や特徴のアピールで負けている可能性も考えられます。したがって、応募を集めるためには採用競合となる企業を検索・分析し、他社と比べて見劣りしないコンテンツの作成も行う必要があるでしょう。
その上で、前述のように情報発信を増やす取り組みや、適切な採用手法を選ぶと効果が見込めます。
⑤ 待遇が業界や職種、役職の相場と比較して低い
求人で応募を集めるためには、相場を意識した待遇の設定も必要です。複数社見比べて同じような業種や役職、仕事内容であった場合、相場より低い待遇であれば応募の候補から外されてしまいます。
したがって、求人情報や求人票の作成の際には、募集する業界や職種、役職の相場は確認しておくようにしましょう。特に文字数や掲載できる写真が少ない求人媒体の場合は、他社との差別化も難しく待遇面の情報が重要視されやすいため注意が必要です。
なお、求人情報は具体的に書くという意識も非常に重要です。給与であれば年次や役職ごとの年収モデルを提示する、福利厚生ではどのような制度があるかも丁寧に説明しましょう。
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求人の応募が来ない場合に行うべき5つの対策とは?
中小企業で求人募集を行っても応募が来ない場合は、下記のような対策を行っておくと改善できるケースがあります。
① 採用手法を見直し応募数を増やす
対策の一つとして、採用手法を見直し応募数を増やす方法があります。『理想となる人物の採用で適切な採用手法や媒体を選べていない』という問題解決のため、ターゲットに合った採用手法を選択するのです。
具体的には、下記のような採用手法の見直しや媒体選びが良い例でしょう。
- 未経験者でも良ければ、Indeedなどの多くの人が見る媒体で募集をする
- ITやWEBエンジニアの募集であれば、レバテックキャリアやGeeklyといった媒体を使う
- 近隣での募集は、地方特化型の求人サイトやエリア求人検索が充実している媒体を選ぶ
重要なのは採用ターゲットが多く登録している媒体を選ぶという点です。したがって、十分な求人応募が来ない時は、採用手法や媒体を見直して、採用ターゲットに合った募集方法を考えましょう。
※最新の中途採用手法のトレンドは?主要な手法14種類を徹底比較
② 自社の魅力が伝わるような求人内容にする
求人応募を増やすためには、求人内容の魅力を高める改善や取り組みも必須です。特に中小企業は、前述のように大企業と比較して待遇や福利厚生面で劣りやすいため、中小企業ならではの魅力もアピールして注目を集める必要があるでしょう。
具体的には、中小企業の場合ですと下記のようなメリットがあります。
- 経営者との距離が近いため、自分の意見やアイディアを提案しやすい
- 会社内の様々な職種や業務に携われる
- 若いうちから裁量権の大きい役職や仕事を担当できる
- 大手と比べてスピーディーな会社の成長や事業の拡大を感じられる
- 実力次第で早期に重要なポジションに昇格できる
こうした中小企業の利点や自社独自の魅力などを、積極的に提示して応募を増やしましょう。
③ 給与・休日などの待遇の相場を知る
求人募集時に待遇面で他社に劣ると、応募が来ない要因になります。したがって、業界内や近隣地域における給与や休日などの待遇の相場を知ることも、応募を増やす上では重要です。
ちなみに待遇の中でも重要視されやすい項目には、給与・労働時間・休日などがあります。これらについては相場に合わせるのはもちろんですが、具体的に書くことで求職者も安心できますので、詳細な記載を心掛けましょう。
その他には、他社にないユニークな福利厚生や待遇をPRするのもおすすめです。事例としては「週3日休み」や「子供の入学祝い金」などの取り組みもありますので、参考にしてみましょう。
※福利厚生の種類や目的・企業にとってのメリットなどを分かりやすく解説
④ 自社の採用サイトを準備する
自社の採用サイトも応募を集める際には重要です。求職者に対する調査では、約9割の方が求人応募前に企業の採用ページを確認するという調査結果があります。
出典:株式会社アルバイトタイムス、約6割が企業の採用ホームページの情報が物足りないと感じている|採用HPに関する求職者調査
採用サイトを準備しておけば、企業の特徴やビジョン、方向性などを示しやすくなります。また、求人サイトや求人票の掲載と比べ、デザインが自由で写真や動画、文章も制限なく入れられるメリットがあります。自社の魅力をより伝えやすくなりますので、ぜひ準備しておきましょう。
⑤ SNSを利用して発信を行う
最近ではSNSを利用する方も増えているため、X(旧Twitter)やFacebook、Instagramなどを使うのも有効でしょう。なお、SNSを活用した求人情報の発信には、下記のようなメリットがあります。
- 求人サイトや求人誌掲載に比べ低コストで採用情報を出せる
- 拡散されれば多くの転職検討者や潜在層へのアピールになる
- 頻繁に発信を行えば、より企業の魅力や雰囲気を伝えられる
- 採用には至らなくても、多くのSNSユーザーの目に入りイメージ向上に繋がる
- リアルな情報を発信できるため、求職者にとっても良い判断材料になる
特に若年層は、SNSでリアルな企業の情報を収集している傾向があります。若手や新卒採用を重視している場合は活用を検討してみましょう。
※SNS採用の活動のポイント|狙える効果やメディア別の活用事例も紹介
⑥ 採用ターゲットの見直しや拡大を行う
現在、採用市場は求職者よりも求人数が多い「売り手市場」の状況ですので、人材獲得競争が激しく思った通りに採用が進まないこともあるでしょう。したがって、そういった場合には採用ターゲットの見直しや拡大を行うのも一つの方法です。
採用が予定通りに進んでいない企業の中には、年齢・業務歴・転職回数・保有スキル等にこだわり過ぎている場合が多くあります。そのため、前述のような基準での選考を見直し、採用要件の緩和や人柄・働くことへの意欲といった異なる採用軸を設定するのも良いかもしれません。
特に近年では、労働人口の減少や少子高齢化が進み、転職も一般化してきています。年齢や転職歴にこだわり過ぎると、理想的な人物の採用チャンスを逃す可能性があるため注意しましょう。
※採用活動は「ペルソナ」で成否が決まる|重要性や設計の流れなどを解説
⑦ 内定者フォローも行い辞退を防ぐ
前述までの取り組みで応募数が増えて採用に至っても、内定を辞退されてしまっては苦労も水の泡となってしまいます。したがって、入社前の不安や疑問を解消してあげる内定者フォローの取り組みも不可欠となるでしょう。
具体的な施策としては、内定者と社員との懇親会や交流会、内定決定後の人事からの定期的な情報連絡やスケジュール案内などがあります。その他には、入社前に習得・勉強しておいた方が良いスキル、入社した後に行う研修内容や仕事の詳細情報を伝えておくと内定者も安心です。
※内定者フォローとは?効果的なフォローの手順や取り組み事例、便利なツールも紹介!
応募を増やしたい中小企業におすすめの採用手法3選
最後にこれから応募を増やしたい中小企業におすすめの採用手法を紹介します。主に下記の3つが応募を増やす上で効果が見込める方法です。
① Indeedなどの求人検索エンジンの活用
求人検索エンジンとは、求人情報に特化した検索エンジンを指します。求人サイトにはないメリットもあるため、近年利用ユーザーが増えている傾向にあります。代表的なものとして下記の検索エンジンがあります。
- Indeed
- 求人ボックス
- スタンバイ
求人検索エンジンはGoogleやyahooの検索でも情報が表示されます。また、既に自社ホームページや採用サイトなどで求人情報を出している場合は、そこから情報掲載を行えるメリットもあります。
その他にも、地方求職者の求人採用に強い点や採用コストが安い利点もありますので、積極的に活用してみましょう。
② ダイレクトリクルーティングでの採用
ダイレクトリクルーティングとは、求人媒体や人材紹介会社に求人情報を出して応募等を「待つ」のではなく、企業が自ら求職者を探してアプローチを行う「攻め」の採用手法です。
メリットとしては、企業が求める人材の母集団形成を行いやすい点があります。なお、採用サイトや求人誌の場合は、広く大きな母集団形成になります。したがって、より理想とするターゲットに近い人物のみ募集したい場合は、ダイレクトリクルーティングの方が良いでしょう。
こちらも採用コストを減らせるメリットはありますが、スカウト文章の作成や応募者との連絡は自ら行う必要が出てきます。手間が掛かる点は認識しておきましょう。
※ダイレクトリクルーティングに注目が集まる理由や導入方法・サービスを比較
③ 自社専用の採用サイトを作成しておく
自社専用の採用サイト作成も、中小企業が応募を増やす上で効果が見込めます。前述のように、求職者の多くは企業の採用サイトも確認する傾向がありますので、自社の方向性や事業内容、採用要綱の詳細を示すのにおすすめの採用手法です。
なお、自社専用の採用サイトであれば、求人媒体経由に比べてスピーディーに選考を進めやすい点、文字数や画像の掲載数等の制限なく自社の魅力をPRできる利点があります。
最近では無料で採用サイトを作成できる採用管理システムがありますので、まだ採用サイトがない場合は利用してみましょう。
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