求人が増える時期はいつ?募集に最適な時期を中途採用・アルバイト・パート別に紹介
求職者、応募者が多い繁忙期の求人は、採用につながりやすい傾向があります。より多くの人材と出会うなら、採用活動を行うタイミングに注目してみましょう。
求人募集が増える時期は、中途正社員、アルバイト、パートなど、雇用形態や働き方、属性などによって変わります。
自社が求める人材を獲得するには、どの時期に求人掲載するべきなのか、繁忙期にライバルに差をつけるにはどこに気をつけるべきか、事前にポイントを知っておきましょう。
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求職者の年間動向~属性ごとの求職活動時期の傾向~
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転職市場における繁忙期・閑散期とは
転職市場は、一般的に「企業の採用活動+求職者の転職活動」のタイミングで活発化し、繁忙期を迎えます。
以下、厚生労働省の「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」の最新データをもとに、企業と求職者の動きを紐解いていきましょう。
新規求職者申込増の時期は4月、減る時期は12月が一般的
新規求職者申込には一定のパターンがあり、統計の数値からそれを読み解くことができます。
上記の表を見ると、2023/4/1、および2024/4/1は、前月に比べて新規求職申込件数が一気に上昇していることが分かります。
その後は増減があるものの、大きく落ち込むタイミングは2023年、2024年で共通しており、12月に件数が落ち込んでいます。
4月に新規求職申込件数が多くなるのはなぜ?
4月に新規求職申込件数が多くなる(求職者数が増える)のは、多くの企業が3月決算のため、4月が年度初めにあたるからです。
年度初めには異動や昇格があり、従業員によっては“望まない”結果につながってしまうことも少なくありません。
そのような環境の変化を通じて、自分のマインドに変化が生じ、転職を検討する人が増える傾向にあります。
12月に新規求職申込件数が少なくなるのはなぜ?
12月は、1年の締めくくりとなる時期であることから、年末年始の休暇に備えて業務量がどうしても増えがちです。
そのような状況下において、ゆっくり自分の未来や転職について考える時間を設けるのは難しい場合が多く、結果として新規求職申込件数が少なくなるものと考えられます。
新規求人数が最も増える時期は例年10月・1月で、3月・5月・11月は少ない
新規求人数が増えるタイミングについても、例年ほぼ同様の傾向が見られます。
グラフを見ると、新規求人数が最も増える月は10月、1月となり、2月もその影響が続いています。
逆に、3月や5月、11月は落ち着きを見せ、10月、1月に比べて大幅に落ち込むこともあります。
10月・1月に新規求人数が多いのは「期の切り替わり」が理由
先述した通り、日本では3月決算の企業が多く、10月はちょうど上期から下期への切り替わりのタイミングです。
そのタイミングで会社の方針に変更が入り、人員確保に動くことが多いです。
また、12月決算の企業の場合は、年度初めの1月が切り替わりのタイミングとなり、求人募集のペースが上昇する傾向があります。
さらには、第二新卒者と新卒採用者の入社・研修のタイミングを合わせる、転職市場の動向を見て求人を増やすのに適したタイミングであることなどが、10月・1月の新規求人数増に影響を及ぼしています。
5月・11月・3月は「新規求人を出すどころじゃない」のが一因か
5月・11月・3月は、いずれも中途採用向け新規求人を出すよりも前にやることがあり、それが理由で新規求人数が落ち込むものと考えられます。
5月は新卒採用、11月は年内までの採用確定、3月は年度末の業務量増などを理由に、新規求人を出せる状況ではないというのが、おそらく多くの企業の本音でしょう。
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求人・求職者が増える時期|中途正社員/学生アルバイト/主婦パート別
まずは転職を検討している人、アルバイトやパートを探している人がどの時期に増えるのか、ターゲット別にチェックしてみましょう。
中途正社員、学生アルバイト、フリーター、主婦パート、それぞれにベストな時期を見極めて、効率よく採用活動を進めてください。
中途社員の採用に適したタイミング
中途採用人材の求職者が増えるのは一般的に、年明け1月~3月と言われています。
- 年度末のキリが良いタイミングで、退職を検討するケース
- 4月以降に異動や転勤などが決まり、転職を考えるケース
- 新入社員が入社する4月を迎える前に、転職を希望するケース
など、転職市場に動きが出る時期です。
中途採用を検討しているなら、業界経験やスキルを持つ人材と出会える可能性が高い、この時期を狙って求人掲載してみましょう。
実際に、中途社員採用に成功している企業の多くが、年明け~3月に求人広告を掲載しています。
その一方で、多くの企業が新規求人を出すタイミングでもあるため、自社の採用情報が埋もれやすいというデメリットがあります。その場合はあえて、閑散期を狙うのも一つの手段です。
また、そもそも競合が少ないジャンルの場合は、時期を問わなくても転職希望者が一定数見込めます。このような業種・業態の場合は、必要なタイミングですぐ採用活動をはじめましょう。
競合に負けないコツやそれぞれの閑散期については、この後詳しく解説いたします。
※最新の中途採用手法のトレンドは?主要な手法14種類を徹底比較
学生アルバイトの採用に適したタイミング
学生アルバイトの採用に適したタイミングは、入学・卒業シーズンです。3月、4月、5月になると、学生の多くが、アルバイトを探しはじめます。
- 3月:高校を卒業して、大学へ入学するまでの期間を利用
- 4月:引っ越しや入学してからの生活が落ち着き、余裕のできる時期
- 5月GW明け:授業のスケジュールが決まり、生活のリズムができる
ぜひこのタイミングを狙って、魅力あふれる採用広告を打ち出しましょう。
短期バイトを探している場合は逆に、学生の長期休暇中を狙うと、長時間人手を確保できます。
春先以外のタイミングで募集をかけるなら9月以降がおすすめです。
新しく覚えることが多い4月、何かと用事の多い夏休みを避け、9月からアルバイトを探すケースが少なくありません。
学生の動きは、テスト期間、部活やサークルのスケジュール、学校のイベントなどによって変わります。バイト探しに割く時間があるタイミングを見極めて、採用時期を決定しましょう。
企業や店舗の近くに学校があり、そこからの応募を見込んでいる場合は、ホームページなどで年間予定をチェックしておきましょう。
※初バイトは1年の4~5月が4割。【2023年最新 大学生アルバイトの実態調査】
フリーターの採用に適したタイミング
フリーター枠でアルバイトを採用したい場合は
「就職がうまくいかなかった」
「就職したけれど、思っていた働き方ができなかった」
という理由で仕事を探し始める、5月くらいに募集をするのがおすすめです。
ボーナスを受け取った後の6月、12月も、アルバイトやフリーターへ転向する求職者が増えるタイミングです。
「フルタイムで働いてもらえる人材が欲しい」
「フリーターから、社員登用する人材を選びたい」
といった希望がある場合は、5月~6月、12月~1月の採用活動を検討してみてください。
主婦パートの採用に適したタイミング
パート採用は、主婦向けの募集がメインです。
- 子どもが入園・入学して生活が落ち着いた5月ゴールデンウイーク明け
- 夏休み・冬休みなどの長期休暇明け
などの時期が、パート求職者数増加のタイミングです。
主婦パートは、「大型連休中」「長期休暇中」の動きが鈍くなります。
接客業や飲食業、観光業など、連休や休暇中に人が必要な場合は、早めに採用準備を済ませていきましょう。魅力的な時給や待遇、スピーディな面接を心がけて、早期人員確保を目指してください。
求職者の年間動向~属性ごとの求職活動時期の傾向~
【学生】・【主婦】・【フリーター】などの、採用ターゲット属性ごとに、月別での動向をまとめた資料です。これさえあれば、いつ・どの採用ターゲットをねらうべきか、すぐにわかる!一年を通じて使える保存版です。
求人に適さない時期はあるの?閑散期も合わせてチェック
求人業界には、求職者の動きが活発な繁忙期と、求職者の動きが鈍い閑散期があります。主な閑散期シーズンと、閑散期求人を成功させるコツをみてみましょう。
中途採用の閑散期は12月、5月
中途採用の閑散期は、年末年始を控えた12月や、新卒採用や年明けの中途採用、キャリア採用などが一段落した5月です。
企業活動が忙しくなる年末や年度末、新卒教育が必要な新年度は採用担当者が忙しく、求人数が減る傾向にあります。
求職者の多くが、採用活動が盛んな時期を狙って求職活動をはじめるため、12月、5月は動きが静かになりがちです。
パート・アルバイト採用の閑散期は長期休み
パート・アルバイトの閑散期は夏と冬です。夏休みや冬休み、春休み、ゴールデンウィーク前後は特に、パートを希望している主婦の動きが鈍くなります。
一方で学生は、夏休みや冬休みの短期アルバイトを探しているケースもあり、休み前のタイミングで動きが活発化します。
パート主婦の人手が足りなくなる時期は、早めに学生採用を進めて、人員不足を未然に防ぎましょう。
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求人や求職者が増える時期の採用戦略とは
求人が増える時期は、意欲的な求職者の数も増えることが予想されるため、選考チャンスを逃さないための採用戦略を立てましょう。
各種求人媒体の上級サービス(機能)を活用する
求人媒体は、基本的に「お金をかけるほど有利に自社求人を展開できる」仕組みになっています。
ライバルとなる求人が多い中で、お金をかけずに利用できる機能や、最低限の機能だけを利用していても、ライバルに差をつけられてしまうでしょう。
そのため、求人数が増える時期は、一時的に利用している求人媒体の「上級サービス(機能)」を選びましょう。
特定の月だけ上級サービスを利用することで、コスパが高い運用を実践しつつ、多くの求職者に自社の求人をアピールすることが大切です。
各種求人・採用サービスを並行して利用する
近年は、多種多様な求人・採用サービスが生まれており、それらを複合的に、並行して利用することが、採用活動の成功の秘訣といえます。
例えば、Indeedなどの求人検索エンジンと求人媒体を組み合わせれば、求人記事をたくさんの人に読んでもらえるようになり、結果として応募率の増加が期待できます。
逆に、特定の求人媒体だけにこだわり、その媒体の各種機能だけを利用して採用活動を進めようとしても、求職者をスムーズに応募に導くのは難しいでしょう。
※Indeedの掲載方法と無料・有料掲載の違いについて解説
スピーディーな採用を実現する
社内の連絡系統や採用プロセスなどが、旧態依然の状態のまま採用活動を進めていると、せっかく応募が集まっても採用に至らない可能性があります。
売り手市場傾向が続く人材市場において、求職者は企業側のレスポンスのスピードを重視しているため、応募に対する返信や採用の連絡が遅いと、それだけで辞退されてしまったり、別の転職先に行ってしまったりすることも珍しくありません。
採用管理システムなど、効率的に応募者の情報・採用活動の進捗状況を把握できるような仕組みを導入し、採用担当者の負担を減らしつつスピーディーな対応を実現しましょう。
※面接辞退・ドタキャンの理由と12つの予防策を解説
求人や求職者が少ない時期の採用戦略
求人や求職者が少ない時期は、積極的に求人を出す「攻めの採用」ではなく、繁忙期に備えて準備する「待ちの採用」を心がけましょう。
転職検討中の人材にアプローチを試みる
求人や求職者が少ない時期であっても、すでに転職サイトへの登録を済ませていて、チャンスがあれば転職しようと考えている人材は一定数存在しているため、閑散期はそのような“転職検討中”の人材に向けて何らかのアプローチを試みましょう。
選ぶべき具体的な求人サービスとしては、例えばスカウトサービスや転職エージェントのように、企業側が求職者に対してスカウトメールを送信できるタイプのものを選ぶのがよいでしょう。
ただし、個々の求職者にメールを送る手間がかかるため、採用担当者の負担を加味した上でアプローチを行うことが大切です。
求職者への対応ができない状況を避ける
採用活動における閑散期には、採用担当者が長期の休暇をとることも珍しくありませんが、その際は「採用担当者の代わりに誰が応募を受け付けるのか」を決めておきましょう。
例えば、長期休暇の前後に優秀な人材からの応募があるケースも考えられるため、このようなチャンスを逃さないような体制を整えておくことをおすすめします。
採用担当者としては、協力を得られるよう周囲にお願いをしたり、面接日程が休暇と重ならないよう調整したりと、多方面に気を回すことになりますが、チャンスをつかむためにもしっかり準備しましょう。
採用広報を怠らない
閑散期であっても、各種媒体への求人情報の掲載や、自社の採用広報活動は続けるべきです。
SNSやYouTube、オウンドメディアなどで行っている採用広報は、閑散期も止めずに続けていると、自社求人の露出という点でライバル社に差をつけられます。
コンテンツ配信に力を入れている場合、更新を楽しみにしている転職候補者がいる可能性もあるため、決して作業時間が無駄になることはありません。
場合によっては、思わぬ形で応募者を見つけられる可能性もあるため、チャンスを逃さないためにも採用広報は怠らないようにしましょう。
閑散期に求人を出すメリットと成功させるコツ
閑散期は求人に適さない、と思われがちですが、実はそうでもありません。
当社が実施した「月収400万円以上の25才~34才の正社員」対象の「転職活動に関する調査」では、全体の76%が「いいところがあればいつでも転職したい」と回答しています。
ライバルが少ないタイミングが、豊富な実績を持つ人材、即戦力となる人材に出会うチャンスになる可能性もあります。
繁忙期の求人で思うような成果が出ていない場合は、あえて閑散期を狙ってみるのもおすすめです。
良い人材を出会うために、
- 1年を通じて求人を出す
- 閑散期に魅力的な条件を提示する
- 求人広告の有料プランを利用する
など、求人手法を工夫して、閑散期採用を成功させましょう。
※採用戦略の立案方法|分析方法(フレームワーク)や事例についても解説
採用の準備はいつからはじめるのが正解?
求人ターゲットを選定したり、求人原稿を作成したり、採用活動には準備が必要です。特に最近では人材獲得競争が激化しているので、想定以上に応募が集まらないということがあります。
繁忙期からのスタートではなく、時間に余裕をもって計画的に進めてください。
いつから準備をはじめるべきか、「中途採用者」「パート・アルバイト」それぞれのケースをみてみましょう。
※【採用担当者必見】効果的な採用計画の立て方や準備、ポイントを解説!
中途採用者の採用準備は4ヵ月前から
正社員を中途採用で雇用するなら、採用計画の策定、求人媒体選定、書類選考、面接の期間を想定して、4~6ヵ月程度前から活動をはじめましょう。
入社希望日を逆算してスタートすると慌てずにすみます。
採用計画では
- いつまでに何人の人材が必要なのか
- 求める人材のスキルや経験があるかどうか
- 採用広告などに使える費用はいくらくらいか
- 現在の転職市場、中途採用市場の動向はどうなっているのか
- 求人掲載先はどこを選ぶのか
- 採用担当者や選考基準の決定
といった細かい部分まで、事前に決定しておきましょう。
中途採用したい人材が、管理職クラスの場合は、より時間をかけて求人の周知・選考に臨むと、ミスマッチを防げます。
【選考イメージ】
1ヶ月目:計画・媒体選定・求人記事作成、募集開始
2~3ヵ月目:募集開始
3~4ヵ月目:書類選考、面接
4~6ヵ月目:入社
パート・アルバイトの採用準備は3ヵ月前から
パート・アルバイトの採用は、3ヵ月前くらいからスタートしましょう。中途採用とは違い、求職者も企業も検討時間が短いため、テンポよく進めていきましょう。
パート・アルバイトを採用する場合も、どのような人材が必要なのか、人物像やこれまでに経験などを検討しておくと、最適な人材選びで迷いません。適任なパート・アルバイトを選ぶためにも、採用基準を定めておいてください。
また急ぎでない場合は、採用活動にゆとりをもって、長く働いてもらえる人材や、希望に近い人材を探すのも良い方法です。
中途採用は4~6ヶ月前、パート・アルバイト採用は3ヶ月前、というのは、あくまでも一般的な目安であり、業種や地域などの特性によっても変わります。
これまでに自社が実践してきた採用活動や、年度によって変わるライバルの求人状況やデータ、求職者の動きなどを分析の上、活動期間を決定しましょう。
求職者の年間動向~属性ごとの求職活動時期の傾向~
【学生】・【主婦】・【フリーター】などの、採用ターゲット属性ごとに、月別での動向をまとめた資料です。これさえあれば、いつ・どの採用ターゲットをねらうべきか、すぐにわかる!一年を通じて使える保存版です。
中途採用を始める時期に合わせて採用手法・採用戦略の見直しを
求人募集には、求職者が多い時期、少ない時期があります。求職したいターゲット層に合ったタイミングを考えて効率よく採用活動を進めましょう。
近年は、少子高齢化による人材不足が続き、採用難に頭を抱える企業が少なくありません。この問題を解決するために、通年での採用を実施する企業が増えるなど、採用活動が長期する傾向がみられます。
採用に課題を抱えている場合は、見込み人材と出会うチャンスを逃さないように、長期的な採用戦略を立ててみてください。
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