新卒採用に不可欠!|採用パンフレットに入れるべき内容や活用事例、制作のコツとは?

新卒採用に不可欠!|採用パンフレットに入れるべき内容や活用事例、制作のコツとは?
目次

新卒採用を行う際には、学生の興味や関心を惹く採用ツール・パンフレットの作成が不可欠です。採用競争が激化する中では、いかに分かりやすく自社の魅力をアピールするかが採用活動の成否を分けるでしょう。

しかし、スマホでの情報収集が主流の今、紙媒体のパンフレットに効果はあるのでしょうか?

そこで本記事では、新卒採用で重要なパンフレットの作成メリット、入れるべき内容や種類について解説します。作り方のコツや活用事例等も紹介しますので、制作前にぜひ確認してみてください。

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採用パンフレットとは

 採用パンフレットは、紙媒体で配布される求職者向けの資料です。

リクルートパンフレットと呼ばれることもあり、資料請求をしてくれた求職者に送付したり、求人フェアや会社説明会などで配布したりして、自社の魅力を視覚や文章で訴えます。

 最近は、企業のホームページからデジタルパンフレットを閲覧・ダウンロードできる事例が増えています。

はたらくメリットや良さを分かりやすく伝えるなら、取引先向けのパンフレットを配るのではなく、採用に特化したパンフレットを用意しておくのがおすすめです。


採用パンフレットの制作事例10選

 採用パンフレットを作成したいけれど、どのようなデザイン・内容にしたら良いのか分からない、という採用担当者が少なくありません。

質の高い採用パンフレットの作成するために、ビジュアルや中身にこだわって制作された、10つの例を紹介いたします。


1:株式会社クボタ

https://www.kubota.co.jp/recruit/highschool/?pNo=1

 ターゲットを高校生に絞って作成された、採用パンフレットです。どんな会社なのか、どんな働き方が待っているのか、学生の知りたい気持ちに応える内容になっています。

 入社後の1日や研修の内容、魅力的な福利厚生といった情報がくわしく掲載されていて、読むだけで未来の姿を想像できます。

採用したいターゲットが決まっている場合は、求職者が抱きがちな疑問、不安に思う点を解決していくと、応募したくなる資料にできます。


2:株式会社 南都銀行

https://www.nantobank.co.jp/recruit/new/pdf/202003_recruitingpamph.pdf

 南都銀行は奈良県奈良市に本店を置く銀行です。地域密着の企業として、パンフレットの表紙には奈良の自然や文化を感じられる画像を採用。地元で働きたい求職者に刺さる内容になっています。

 ページを開くと、奈良県で活躍する先輩のアクティブな姿が、美しい背景とともに紹介されています。地域でこんな風に意欲的に活躍したい! という気持ちが高まる仕掛けが、随所に施されています。

 企業の採用パンフレットは、つい社屋や社内、人にクローズアップしてしまいがちですが、土地の良さを伝えるなら、そのエリアならではの風景も、含めてみてください。


3:日本精工株式会社

https://www.nsk.com/jp/career/graduate/recruit/download.html

 NSKの愛称で知られる日本精工株式会社は、ターゲットごとにパンフレットを使い分けています。学生向け、女子学生向け、高専生向け、留学生向けのパンフレットで、求職者ごとに違うニーズに応えています。

 どの資料にも、会社の主力製品であるベアリングが用いられ、企業のことを知ってもらうための「ベアリング入門」というパンフレットも合わせてダウンロード可能です。実際の仕事、製品の魅力を理解してから、応募を検討できる点が特徴です。

 

4:株式会社エヌ・ティ・ティ・データ</h3>

https://www.nttdata-recruit.com/book/pdf/5facts-2020_spread.pdf

 株式会社エヌ・ティ・ティ・データの採用パンフレットは、とことんシンプルにこだわっています。分厚いパンフレットを制作する企業が多い中、見開き2ページのみに伝えたい内容を集約して、読みやすさを実現しています。

新卒の場合はとくに、たくさんの企業の採用パンフレットを比較している学生が多く、魅力を感じられなければ、開かれない可能性もあります。

パンフレットに割けるコストが多くない、という企業にもおすすめの方法です。

 目を惹く表紙、数字や画像を上手に活用した、インパクトある採用パンフレットを用意して、求職者へ配布してみてください。 


5:農林水産省

https://careers.maff.go.jp/cmsdata/filelib/pamphlet.pdf

 農林水産省の採用パンフレットは、組織としてどう社会と携わっているのか、現在の課題は何か、問題提起がされています。

この問題を解決するために、農林水産省で働いてみたい、そんな意欲が芽生える内容になっています。

 後半では多くのページを割いて、入省した先輩の声やキャリアパスなどが描かれています。こんな会社に入社したい、という現在だけでなく、将来的なポジション、働き方を把握できる内容のため、長く働いてもらえる人材採用につながります。


6:株式会社 大林組

https://www.obayashi.co.jp/recruit/graduate/contents/pamphlet.pdf

 大林組の採用パンフレットは、親しみやすい表紙イラストが印象的です。

ページを開くと、大林組とはどんな会社なのか、興味をもって読み進められる、まるで雑誌のような展開が待っています。

 歴史や社員の声、未来、生かせるスキルなど、採用活動で知りたい内容が、余すことなく掲載されているのも特徴です。

読みやすい文字の色、オリジナリティを感じられるフォントやデザインにもこだわっていて、さらっと読み進められるパンフレットになっています。

 

7:キリンホールディングス株式会社

https://careers.kirinholdings.com/freshers/ebook/yorokobimaker/?pNo=8

 キリンホールディングス株式会社の採用パンフレットには、イラストや図がふんだんに使用されています。

文字ばかりだと読む気がなくなる、という求職者も、すきま時間に楽しく閲覧でき、読んでいるうちにキリンのファンになってしまう内容で構成されています。

 社員の声は手書きのメッセージを採用する、扱っている商品やサービスを魅力的に紹介している、という点も特徴です。

採用パンフレットで個性を出したい、最後まで読んで貰える資料にしたい、という場合は、キリンの資料を参考にしてみてください。


8:大阪府警察

https://www.police.pref.osaka.lg.jp/section/ftp/panf/book/index.html#page=1

 大阪府警察のパンフレットは、開いた瞬間に心奪われるインパクトが特徴です。

犯罪数や交通事故件数といった事件の羅列とともに、職員数や有給・育休取得実績といった採用関連の文章が掲載され、求職者の興味を惹きつけます。

 

多岐にわたる警察官の仕事が伝わるように、画像を多く使用しながら紹介しています。後半には警官たちによるクロストーク企画を取り入れるなど、警察官のイメージを柔らかく、楽しく伝える工夫がちりばめられています。

 

9:三菱重工

https://www.mhi.com/jp/recruit/shinsotsu/recruit/download/

 三菱重工の採用パンフレットダウンロードページには、企業情報の資料、部門紹介の資料、高専卒者向け資料、勤務先ごとの資料など、さまざまな情報が並びます。

工場や製作所、造船所など、希望する業種の詳細をたしかめられるため、応募の際の参考にできます。

 入社後は地元を離れる人材が多いため、どのような地域で、どのような生活が待っているのか、といった部分にもていねいに触れています。

仕事をするだけでなく、人生を楽しめる働き方、安心の教育・研修制度など、入社するメリットが存分に伝わる点が特徴です。 


10:株式会社コーセー

https://www.kose.co.jp/company/ja/content/themes/kose-company/img/recruit/pdf/recruit2022.pdf

 化粧品会社らしさが伝わる表紙、化粧の力で届けたい思いを伝えている株式会社コーセー。ブランドの魅力や化粧品を通して社会に与える影響、企業の未来像が響く内容になっています。

 営業や企画、製造、研究開発、物流など、さまざまな仕事を理解し、自分がやりたい業務があるかどうか、短いながら検討できる採用パンフレットです。

短い中に企業の歴史や思い、社員の声などを詰め込みたい場合は、コーセーのパンフレットを参考にしてみてください。


新卒採用におけるパンフレットの種類について

新卒採用に用いるパンフレットの種類には、大別すると下記の3種類があります。用途やシチュエーションに合わせて最適なものを選びましょう。


リーフレットタイプ(片面・両面)

チラシなどの1枚の印刷物で広告・宣伝を行うパンフレットのタイプです。紙1枚の片面もしくは両面しか情報量を掲載できませんが、その分コストを抑えられる・冊子と比べて情報がすぐに見られやすいメリット等があります。

近年では、QRコードをリーフレットに入れ、企業サイトや採用サイトに誘導する手法も増えています。したがって、リーフレットには必要事項や最もアピールしたい点などに絞り掲載し、Webサイトから詳細な情報確認やエントリー・説明会の予約等を促す企業が多くなっています。


冊子タイプ

冊子タイプは紙を何枚も使用できるため、多くの採用情報を伝えたい企業に適しています。サイズや材質も様々なものを作成できますので、冊子の大きさ・カバー・紙の材質を目立つものにすれば、他社との差別化につながり注目されやすくなります。

また、予算が限られている場合でも、ページ数やサイズを調整すれば費用を減らせるメリットがあります。逆に予算がある際には、大きなサイズやページ数を増やすことで企業への関心度を高められるでしょう。

掲載する内容としては、学生や求職者の疑問等を解決する情報を入れるのが一般的です。細かな事業内容や社員の1日のスケジュール、事業所内や職場の写真、インタビュー記事などを入れるケースが多くなっています。


変形タイプ

上記以外にも、特殊な形をした変形タイプでパンフレットを作る企業も存在します。例えば、ポケット付きの2つ折りの見開き資料や、折り紙のように1枚の大きな紙を折り込んだタイプの資料などがあります。

また、製品の形をかたどった形状・デザインにする、開くと飛び出す絵本のように立体的になるといった工夫を凝らす企業も存在します。


新卒に向けた採用パンフレット作成のメリット

新卒生に向けた採用パンフレットや会社案内を作るメリットには、企業側/求職者側の双方でメリットがあります。長所を把握した上で、独自のパンフレットを作成してみましょう。


企業側のメリット

企業側が採用パンフレットを作成するメリットには、主に下記のような点があります。

メリット
概要

1.自社の認知度アップが期待できる

合同企業説明会や就活セミナーでは、多くの新卒生や求職者が集まりますので、採用案内パンフレットを配布すれば会社の認知度拡大やイメージアップにつながります。
 2.興味を持ってもらえれば入社意欲が高まる
魅力的な採用案内を作成してPRできれば、興味を持ってもらえる可能性が高くなります。関心を惹きつければ入社意欲の向上も期待できるため、採用活動が成功しやすくなるでしょう。
3.リマインド効果や企業サイトへのアクセス増加
手元に残るパンフレットを渡せば、後からまた資料を見返してもらえる可能性があります。また、QRコードなどで企業サイトや採用サイトに誘導すれば、応募増加も見込めるでしょう。
4. Webと異なり信用性や手軽さがある
パンフレットはコンパクトで軽量、さらに企業サイトへのアクセスの手間なく限られたページで商品や会社の魅力を伝えられるため信用性・手軽さがあります。Webと異なりスマートフォンやPCがその場になくても、いつでも見たい時に企業情報を確認できるのは大きなメリットです。


学生側のメリット

学生側が採用パンフレットを受け取るメリットには、主に下記の3つがあります。

学生側のメリット
概要

1.Webと異なり信用性や手軽さがある


合同説明会やセミナー時には企業の詳細な情報を見る時間は限られていますが、パンフレットをもらえば、後日改めて企業の情報をチェックできます2

2.入社前の不安や疑問を解消できる

情報の多い企業パンフレットを受け取れば企業理解もより深まるため、入社前の疑問や不安の解消につながり応募や入社の意欲が高まります。
 3.他社との比較検討がしやすい
様々な企業のパンフレットがあれば比較・検討がしやすいため、より自分に合った会社や関心の高い企業を見つけやすいメリットがあるでしょう。


就職活動時に学生が知りたい情報とは?

採用パンフレットや入社案内を作成する際には、就職活動を行う学生がどのような情報を求めているか把握しておく点も重要です。なお、株式会社ディスコが学生に実施した調査では、企業研究を行う上で知りたい情報として下記のような項目が出ました。

<企業研究時に知りたい情報>

● 第1位 実際の仕事内容 81.9%

● 第2位 社風 62.7%

● 第3位 給与水準・平均年収 57.9%

● 第4位 他社と比べた強み・弱み 53.2%

● 第5位 求める人材像 52.8%

● 第6位 福利厚生制度 51.7%

● 第7位 残業・休日出勤の実態 50.0%

(出典:株式会社ディスコ、<確報版>3月1日時点の就職活動調査 ~キャリタス就活2024 学生モニター調査(2023年3月)

その他、上記以外にも転勤や異動、教育や研修制度、経営者のビジョンやキャリアパスなどについて知りたいとする回答が多くありました。


採用パンフレットに入れるべき項目や内容

採用パンフレットに入れるべき主な項目としては下記の6つが挙げられます。

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① 企業・経営理念

企業理念や経営理念は、どのような意思や目的をもって企業活動を行っているかを知ってもらうために重要な要素です。曖昧な理念や抽象的な内容ですと、他社との違いや良さが分からず、印象に残りにくいため注意しましょう。

 なお、社長の創業のきっかけとなったエピソードや想いなども取り入れると具体性が高まるでしょう。共感してもらえれば入社意欲の向上にもつながるため、分かりやすくまとめて掲載しておくと効果が見込めます。

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② 具体的な事業内容

事業内容は多くの新卒生や求職者が知りたい情報の一つです。詳細に分かりやすく伝えられれば、入社してからの働き方もイメージしやすいため、内容はまとめて整理しておきましょう。

様々な部署があれば、部署ごとの仕事内容や規模、メインの事業はどのような部分なのかも伝えておきます。さらに、将来的に注力していきたい事業やプロジェクトなどもあれば記載しておくと、入社後のミスマッチを防ぐ効果も期待できるでしょう。

なお、会社の大枠での事業を伝えるだけでなく、社員一人ひとりの仕事内容や一日のスケジュール等も例示すると求職者も安心です。入社予定の社員が仕事をイメージできるように、分かりやすく伝えましょう。


③ 福利厚生・待遇面

前述の調査でも分かるように、給与水準や福利厚生制度は求職者も気にする方が多い傾向にあります。端的に記載するだけでなく、既存社員のキャリアアップの具体例や会社独自の福利厚生制度の提示なども行い、具体的に伝えるようにしましょう。

特に福利厚生を重視している企業にとっては、社員にとってどのようなメリットがあるのかを伝えられる重要な項目です。他社との違いも出やすい部分になりますので、改めて自社の魅力について考えて効果的なPR内容や文章を考えてみましょう。

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④ 活躍中の先輩社員の声

現在活躍している先輩社員の声や様子を伝えるコンテンツも重要です。入社後の働くイメージも具体的になるため、求職者からの応募も増える効果が見込めます。また、社員の経験談や働く様子に魅力を感じてもらえれば、入社意欲も高まりますので入れておきましょう。

掲載する際には、業務内容以外にも社内の雰囲気や将来の目標、仕事へのやりがい等への考えも記載しておくと求職者や就活生の参考になります。なお、入社後のミスマッチを防ぐ上でも、良い情報だけでなく大変な部分や厳しい面も伝えておくと効果的です。

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⑤ 社外活動やイベント

福利厚生や待遇面と同様に、会社によって違いが出やすいのが社外活動の項目です。

懇親会や旅行イベント、運動会などユニークな社外活動があれば、ぜひ記載してPRしておくと良いでしょう。魅力的なイベントは、求職者にとっても入社意欲が高まるきっかけになります。

特に近年では、コロナウイルス蔓延による影響で社員同士のコミュニケーションや関わりが希薄化している面があります。入社してからの交流に不安を抱える学生や求職者も多いため、コミュニケーションを増やすイベントを設けると良いフォローになるでしょう。


⑥ 求職者へのメッセージ

社長や経営陣、先輩社員から求職者へのメッセージも入社意欲を高める上で効果的です。企業理念や経営理念と同様に、分かりやすいエピソードやきっかけ等も踏まえた経験談を入れて、求職者を激励するメッセージを送ると良いでしょう。

なお、長くすると内容が印象に残らない可能性もあるため、簡潔に伝えると効果的です。キャッチコピーを用いる・短い採用動画やメッセージ動画を配信するなどして、分かりやすくするのもおすすめです。

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新卒採用パンフレットの活用シーンや活用事例

それでは、新卒採用パンフレットを活用できるシーンや活用事例も確認しましょう。主な場面や事例としては以下のようなケースがあります。


① 合同企業説明会

合同企業説明会は、新卒採用パンフレットの活用ができる良いシーンです。大手の就職セミナーや合同企業説明会では多数の学生が集まりますので、少しでも多くの学生にアプローチするためにパンフレットは必須となります。

企業ホームページや採用ページが充実していれば、リーフレットタイプにしてQRコードを掲載し、Webサイトに誘導すると良いでしょう。冊子タイプもありますが、合同企業説明会では多くの資料が配られるため、軽量なリーフレットの方が学生の負担を減らしてあげられます。

リーフレットは渡した際に通り過ぎてしまっても、後から戻って来てくれるケースが期待できます。また、説明会時には来られなかった学生も、時間がある時にWebサイトに訪れる可能性があります。

なお、パンフレットの活用事例や渡し方としては、

 ・会場の入り口の共用テーブルに持ち帰り用として平置きしておく

・自社ブースに立ち寄った学生に説明して手渡す

・その他の会場内でも自社ブースに寄ってくれるように声を掛けて手渡す

といった配布方法がありますので検討しておきましょう。

合同企業説明会でのポイントは、学生が1つの企業を見られる時間は少ないという点です。あまりにも長い時間の説明は敬遠されますので気を付けましょう。企業ブースで伝えたい内容は厳選して説明し、詳しくは冊子タイプのパンフレットやWebサイトから見てもらう方が効果的です。

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② 会社説明会

個別の会社説明会時も新卒採用のパンフレットの良い活用シーンです。わざわざ自社の説明会会場まで足を運んでくれた学生は、他企業と比較すると志望度が高いと推測できます。学生側も詳しい情報を知りたいと考えている可能性が高いため、リーフレットよりも多くの情報が記載された冊子タイプを配ると効果的でしょう。

掲載する情報は、リーフレットや合同企業説明会で説明できなかった内容を中心にするのがおすすめです。細かな事業内容や、社員の一日のスケジュール、具体的な福利厚生や待遇面の話、組織構造や研修体制などを説明するのも良いでしょう。

個別の企業説明会では説明時間を長く取れるため、企業風土・業務の理解や志望度をより高めるためのコンテンツを盛り込むと効果的です。その意味では、先輩社員のインタビューや事業活動の様子などを採用動画等にまとめ、ビデオ配信するのも有効です。

そのため、個別企業説明会でのパンフレット活用事例としては、

 ・合同企業説明会では紹介できなかった情報を詳しく説明するツールとして配布

・業務や企業組織の理解を深める内容を盛り込む

・個別説明会への参加でしか得られない情報を伝える

などのケースに使えるでしょう。

特に、個別説明会に参加する学生は、企業サイトやリーフレットでは分からない有益な情報を求めて来場します。サイトを見れば分かる「企業理念」や「製品・商品情報」だけでなく、リアルな社員の話やキャリア・経験談といった貴重な話も記載して興味を惹くと良いでしょう。


③ 選考

近年増えている選考辞退の防止でも、新卒採用パンフレットは活用できます。選考辞退が増えている背景には、求職者数よりも求人数が多い「売り手市場」の傾向が強まっている要因があります。

したがって、他社求人企業よりも魅力的であるアピールができないと、優秀な人材が他社に流れてしまう可能性が高まります。こうした事態を防止するためにも、新卒採用パンフレットを充実させて、自社への理解促進や魅力のPRを進める必要があるのです。

こちらも事業内容の詳細についてパンフレットに記載するだけでなく、社風や職場の雰囲気なども伝わるように工夫すると効果的です。例えば、明るい雰囲気・風通しの良い職場等である場合、それらが分かる写真やエピソードも掲載すると魅力が伝わります。

そのため、選考でのパンフレット活用事例としては、

 ・採用競合となる他社とは異なる点や違いなどを伝える

・自社独自の強みや魅力を伝える採用ツールとして活用して学生の志望度を高める

・写真や図、グラフなどを積極的に用いて自社理解を深めてもらう

といった目的に利用できるでしょう。

特に学生は、前述のアンケートのように「実際の仕事内容」「社風」「給与・平均年収」「他社と比べた強み」等の情報を求めています。例えば社風や仕事内容であれば、写真や1日のスケジュール、業務の成功談や失敗談を多く記載して学生に伝えると効果的でしょう。

また、給与・年収、他社と比べた強みでは、グラフや図で昇給や年収の事例を伝える、先輩社員の入社理由が分かるインタビュー記事を載せる等の工夫ができます。学生が求める情報を中心に分かりやすく内容を記載し、自社の魅力をPRして選考辞退を防ぎましょう。

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④ 内定者フォロー

内定後にも採用パンフレットの活用は可能です。こちらも近年増加している内定辞退を防ぐ意味で効果が見込めます。具体的には、採用選考時とは異なる内定者用のパンフレットを配布して、自社への入社意欲を高めてもらう内定者フォローを行います。

主な記載事例としては、内定を祝うコメントや人事・面接担当者からの評価コメント、激励の言葉等を載せるケースがあります。イベントや交流会等のスケジュール等を記載しておくのも良いでしょう。先輩社員や他の内定者との交流会・座談会への参加を促し、そこで内定者フォローを行うと効果的です。

また、内定辞退は学生の親御さんが反対で起きるケースもあります。そのため、近年では学生の家族向けの会社説明を入れる事例も増えています。全国展開している点やや将来性がある点、大きな事業を行っている点などを紹介する内容です。企業理解を深める内容を親御さんにも伝えることで、内定承諾を得やすくなります

したがって、内定者フォローでのパンフレット活用としては、

 ・入社までの交流会やイベント等を知らせてスケジュールを把握してもらう

・評価やコメントを掲載して学生に内定の達成感や入社への意欲を高めてもらう

・学生の両親に向けにも会社内容を説明することで、安心して内定を承諾してもらう

といった狙いでも使えるでしょう。

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採用パンフレットの作り方や注意点とは?

新卒採用のパンフレットの制作前には、適切な作り方や注意点も把握しておきましょう。意識しておくべき点には以下の事項があります。


採用パンフレットの制作スケジュールや制作時間

 採用パンフレットは企画から内容決定、情報収集、デザインや文章の修正などの工程を考えると、半年程度の時間が必要です。

デザイン会社へ依頼してから完成するまでの間が約3ヶ月、自社での準備期間が約3ヶ月程度、この期間を目安に、進めていくと安心です。

 パンフレットを配布する時期から逆算して、必要なタイミングに間に合うように、できるところから早めに準備しておきましょう。

どのタイミングでパンフレット制作会社へ依頼するのか、掲載内容の決定や社員インタビューの実施はいつなら間に合うのか、といった部分を検討した上で、最善のスケジュールを決定してください。


採用パンフレットにかかる予算

 採用パンフレットの作成は、デザインやページ数、刷る冊数にもよりますが、40~50万円程度が相場だといわれています。

予算が限られている場合は、ページ数を減らす、デザインをシンプルにするなどの方法を取り入れると、コストカットにつながります。

 採用活動を進めると、パンフレットだけでなく、自社の採用ページや採用動画などの制作にも採用コストが発生します。

 全体の予算を把握しながら、採用パンフレット作成に使えるコストを決定し、金額内で相談できる制作会社、希望のデザインやイラストで作成して貰える制作会社を選びましょう。


採用パンフレット制作に必要な5つの工程

採用パンフレットの制作では、主に下記5つの工程が必要となります。


① 採用ペルソナや採用戦略の決定

まずは採用したい人物像(ペルソナ)やターゲットを決定し、採用戦略を立案します。戦略は社内で共有して、パンフレット制作や採用活動がスムーズに進むように準備しましょう。

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② パンフレットで得たい効果や目的を明確にする

採用パンフレットでどのような効果を得たいか、目的を達成したいかを明確にします。曖昧な目的では期待された効果は出ませんので注意しましょう。


③ 制作期間の見積もり、スケジュールの決定

パンフレットの内容が決定した後は、制作期間の見積もりとスケジュール調整を行います。社員や経営陣へのインタビュー・取材等が必要であれば、早めに時間を確保しておきましょう。


④ パンフレットの制作依頼先を選ぶ

実際に企画した内容やアイディアをデザインし、パンフレット制作を行ってくれる企業を選びます。できれば採用や人事について知見のある制作会社が良いでしょう。


⑤ パンフレット制作開始

制作会社と打ち合わせ後、パンフレット制作を開始します。イメージが異ならないようにチェックは行いましょう。


採用パンフレット作りの7つのポイント

 求職者に手に取ってもらえる採用パンフレット、企業の魅力を感じて貰える採用パンフレットを作るなら、覚えておくべき作成のコツがあります。

どのような点に注意して制作すれば良いのか、7つのポイントをチェックしてみましょう。


デザインにこだわる

 パンフレットの顔である表紙のビジュアルは、もっともこだわりたい部分です。社名が伝わるデザイン、理念や想いを届けられる言葉を選んで、中身を見てみたい、という気持ちを惹き出しましょう。

 企業のロゴやイメージカラーと統一する、イラストや写真を活用するなど、さまざまなアプローチ方法があります。

多くの採用パンフレット制作に携わっている制作会社から、自社や業界に適した提案やアドバイスをもらいながら、良い第一印象を与えられる見た目に整えていきましょう。


写真をたくさん使う

 採用パンフレットが文字ばかりだと、堅苦しいイメージになってしまいます。会社の雰囲気やはたらいている先輩社員の様子など、写真を多く使ってPRすると、画像から魅力を伝えられます。

 会社の風通しの良さを表したいなら、笑顔で談笑している社員の写真。扱っている商品やサービスを届けたいなら、商品を手に持っている写真や接客・営業をしている写真、といった風に、伝えたい内容に合った写真を選定しましょう。

 手元の写真ではうまく魅力が伝わらない、という場合は、プロカメラマンの力を借りるのも良い方法です。

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採用ブランディングを強化する

 質の高い採用パンフレットを作成するなら、採用ブランディングの視点が欠かせません。

採用パンフレットで発信したメッセージを、ウェブサイト、SNS、採用広告など、全てのチャネルで一貫したブランドメッセージを提供することが重要です。

企業の魅力を高めるために、求職者目線でパンフレットを点検し、より想いが届く内容へ編集していきましょう。

 ブランディングができていると、応募や問い合わせの数を増やしたり、意欲的に働きたい人材と出会いやすかったり、というメリットが生まれます。

他社と差がつくパンフレットを作成して、多くの求職者に働きがいや企業の良さを伝えてください。

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読者目線で発信する

 採用パンフレットの内容は、つねに候補者の目線に立って、求職活動に必要な情報が含まれているかどうか、チェックしましょう。

自社が伝えたいことを目いっぱい詰め込んだ結果、求職者に響かないパンフレットになってしまった、という例が少なくありません。

 面接や会社説明会で、求職者から質問される機会が多い項目は、多くの人材が知りたい部分です。

よくある疑問の答えを掲載して、面接などの段階を待たなくても、気になる点を理解できるパンフレットを目指してみてください。


会社からのメッセージを重要視する

 採用パンフレットは、企業の良い部分を伝える冊子ですが、ただの情報誌ではありません。

代表からのメッセージ、企業理念や未来への展望、先輩社員の声など、メッセージが届く仕組みができていると、求職者が興味を惹かれる内容になります。 

パンフレットのイメージが固まってきたら、情報部分と求職者向けメッセージ部分のバランスをチェックして、言葉が足りていない場合は、構成を見直しましょう。

 他社と差をつけるために、社員メッセージの動画につながるQRコードを記載する、手書きのメッセージを入れる、といった方法もあります。

 

社内アンケートやデータで客観的なデータを盛り込む

 採用パンフレット内にある社内アンケートや企業データは、読まれる機会の多いページです。実際の数値や生の声を知る、良いきっかけになるため、できるだけくわしく記載しておきましょう。

 働きやすさや雰囲気を文章で書くのではなく、データやアンケート結果として受け止められるため、信憑性が増す点がメリットです。

既存社員に、入社前に知りたかった部分をヒアリングしながら、アンケートやデータ化を実施してみてください。


採用パンフレット制作には目的意識と計画性が必要不可欠

採用パンフレット制作のメリットや種類、入れるべき項目や活用事例等も紹介しました。作り方のポイントも説明しましたが、採用パンフレットの制作には明確な目的意識と計画性が重要です。

特に近年では採用競争も激化していますので、優秀な人材獲得のためにもパンフレット制作は注力すべき分野となります。ぜひ、本記事を参考にしながら、オリジナリティあふれる魅力的なパンフレットを制作してみてください。

採用パンフレットの制作ももちろんですが、採用サイトはしっかり運用していますか?学生は必ずチェックしますので、採用サイトも合わせて充実させるようにしましょう。

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ヒトクル編集部
記事を書いた人
ヒトクル編集部

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