採用課題とその解決策|成功のポイントや解決事例についても紹介

採用課題とその解決策|成功のポイントや解決事例についても紹介
目次

人材不足を採用で補おうとする場合、採用活動の質を高める必要があります。

しかし、自助努力だけではコスト・工数がかさんでしまい、採用課題の見つけ方が分からず、改善に向けた取り組み方も分からないという企業は少なくありません。

この記事では、そのような企業の採用担当者向けに、採用がうまくいっていない理由(採用課題)とその解決策について、成功のポイントや解決事例についてもご紹介します。

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採用課題とは

採用課題という言葉を簡単に説明すると、採用活動の成功を阻む課題のことを指します。

例えば、求人誌や求人サイトに自社の求人情報を掲載しているにもかかわらず、1ヶ月経っても1人も応募者が集まらない状況が続いていたとします。

そのような場合、採用活動のプロセスの中に、何らかの採用課題があるものと推察されます。

採用活動は、単純に求人を掲載するだけでは十分な結果が得られないことも珍しくなく、特に売り手市場が続いている中では求職者側の選択権が強い傾向にあります。

何とか無事採用できても、職場とのマッチングに問題があった場合、早期離職という事態を招いてしまうことも十分考えられます。

採用活動において、安定して人材を採用することが難しくなると、現職の社員や事業そのものに対して悪影響を及ぼすことにつながります。

よって、経営者や企業の採用担当者は、採用活動を効率的に進めて採用コストを削減するためにも、自社の採用課題を早期に発見して解決に導くことが重要なのです。


近年の採用市場の変化について

採用市場は、主に中途採用・新卒採用で市場が分かれているため、それぞれの市場の変化を把握することが大切です。以下、中途・新卒の採用市場の変化について触れつつ、中小企業の状況についても解説します。


中途採用

2020年4月にエン・ジャパン株式会社が行った「新型コロナ禍における中途採用実態調査」によると、新型コロナ禍において中途採用活動を継続している企業は7割という結果が出ています。

基本的に、新型コロナ禍という状況でも、多くの企業が中途採用のペースを緩めていなかったことが分かります。

参照サイト:株式会社エン・ジャパン「新型コロナ禍における中途採用実態調査」

2022年からは、すべての職種において求人数は回復傾向を見せますが、リクルートエージェントの「2022年度上半期中途採用動向調査」では、採用計画を満たせなかった企業が81.0%に及んでいることが明らかになっています。

特に、国内企業におけるIT人材の供給不足がささやかれる中、経験が豊富なIT人材を欲しがる企業は数多く存在しています。

参照サイト:株式会社リクルート「2022年度上半期 中途採用動向調査」

こういった状況を解決する策の一つとして、報酬体系の見直しをはかる企業も増えてきています。

具体的には、中途入社した社員の賃金・処遇を決定する上で「外部労働市場の市場価値」を参考にしたり、前職における賃金を参考にして給与を引き上げたりするなどの方法を採用し、人材確保に取り組んでいる企業が多く見られます。

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新卒採用

リクルートワークスの「大卒求人倍率調査(2024年卒)」によると、2024年卒の大卒求人倍率は1.71倍となっています。

2023年卒の1.58倍から0.13ポイント上昇しており、新型コロナ禍前の数字に戻ったといえます。

企業規模にかかわらず、求人倍率が上昇しているのも特徴的で、300人未満企業で0.88ポイント、300~999人企業で0.02ポイント、1000~4999人企業で0.03ポイント、5000人以上企業で0.04ポイント前年より上昇という結果が出ています。

数字を見る限り、300人未満企業では、採用意欲が前年に比べて大きく上昇していることが分かります。

よって、2024年卒の新卒者を採用する際、中小企業クラスはライバルが多い中での採用活動が予想されます。

しかし、学生の希望に関してはやや偏りが見られ、前年と比較して300~999人企業を希望する学生が3.5%、1000~4999人企業では5.7%増加した一方、300人未満企業では4.3%、5000人以上企業では4.5%それぞれ減少している状況です。

業種別に見ると、建設・流通業の求人倍率は高く、2024年3月卒に関してはそれぞれ13.74倍・10.49倍となっています。

参照サイト:リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査(2024年卒)」

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中小企業の採用状況

独立行政法人 労働政策研究・研修機構の「人手不足等をめぐる現状と働き方等に関する調査(企業調査・労働者調査)」によると、『現場の技能労働者として働く正社員が不足している』と回答した企業は67.5%となっています。

人手不足解消のため求人募集を実施しても『応募がない』と回答した企業の割合は56.5%と、企業の人手不足は深刻化していることがうかがえます。

参照サイト:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「人手不足等をめぐる現状と働き方等に関する調査」

リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査(2024年卒)」

また、先ほど紹介したリクルートワークス研究所の「大卒求人倍率調査(2024年卒)」の従業員別の求人倍率は、従業員数が300人未満の企業の求人倍率は6.19倍です。

これは、1人の候補者を獲得するにあたり、6社での取り合いになることを意味します。

同調査において、300~999人の企業、1,000~4,999人の企業はともに1.14倍、5,000人以上の企業は0.41倍の求人倍率となっているため、数字からは中小企業の厳しい現実が読み取れます。

中小企業で人手不足が続く背景には、少子高齢化のスピードが早いことだけでなく、募集をかけてもなかなか応募が集まらないという現実があります。

上場企業と中小企業では、そもそも知名度に大きな差があり、かけられる採用コストも違います。
自社の求人を露出させたくても、上場企業がライバルとなってしまった場合、中小企業はどうしても不利になってしまうのです。

そのような状況の中、大企業に優秀な人材を奪われないようにするためには、どうやって自社の採用力を強化するのかが重要になるでしょう。

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採用力を強化する採用課題の見つけ方

一概にはいえませんが、採用市場では基本的に大企業よりも中小企業の方が不利になりやすく、厳しい環境の中で採用活動をしなければならないことも少なくありません。

また、業種によって求人倍率等にも差が生じるため、採用課題を見つけてそれらを解決するためには、自社の規模・業種を客観的に見て、現状を把握することが大切です。

採用活動がうまくいかないと感じている企業には、多くの場合何らかの理由があり、それを採用課題として明確にして初めて解決策を講じることができます。

一口に採用課題といっても、採用フローのどこに問題があるのかについては、企業によって異なります。

そこで、母集団形成・選考・内定・入社いずれの段階で問題が発生しているのか、採用フローをそれぞれの段階で分けてから、どこで大幅に候補者が少なくなっているのか判断していきます。

例えば、エントリー時点で50名、会社説明会で40名、書類選考で8名、面接で4名といった形で候補者が絞られていったとします。

この場合、各段階での通過率は、以下のように計算できます。

  • エントリーから会社説明会まで      :40÷50×100=80%
  • 会社説明会から書類選考まで      :8÷40×100=20%
  • 書類選考から面接まで             :4÷8×100=50%

つまり、会社説明会から書類選考までの段階で、大幅に候補者が減っていることが分かります。

書類選考時の採用基準・通過基準が高すぎるのか、あるいは応募書類を提出する候補者が少ないのかなど、数字が分かったところで詳しい原因を洗い出す必要があるでしょう。

もし、自社で十分な検討が難しい場合は、採用コンサルティングを受けるのも一手です。


よくある採用課題の傾向と解決策

多くの企業において、採用課題につながるタイミングとしては、次のようなケースが考えられます。

  • 母集団形成(応募が来ない・応募は来るものの欲しい人材が来ない)
  • 選考(辞退またはNGが目立つ)
  • 入社(早期での離職者が多い)

以下、それぞれのケースにおける課題を紐解きながら、解決策も含めて解説します。


母集団形成(応募が来ない)

母集団形成は、自社に必要な人材を採用する上で重要なポイントです。

欲しい人材を採用するためには、一般的に最終採用人数の10~20倍の母集団が必要とされているため、まずは応募者数を増やすためにはどうすればよいのか、原因と解決策をご紹介します。

採用を有利に進められる母集団形成! 15の導入方法と手順・注意点を解説


人材採用サービスの特徴を正しく把握する

人材採用サービスには数多くの種類があり、こちらから能動的に動かなければならないものから、エージェントにある程度対応を任せられるものまで様々です。

いずれの場合であっても、それらのサービスを十二分に活かせるような使い方を知らなければ、宝の持ち腐れになってしまうでしょう。

採用活動を円滑に進め、必要な規模の母集団形成を実現するためには、様々なサービスの特徴を正しく把握することが大切です。

例えば、採用活動に一定の資金を投入できる企業であれば、求人広告媒体を使って求人を掲載し、必要な人員をまとめて確保しようと考えるかもしれません。

しかし、求人広告媒体は、媒体の種類・サイズ次第で広告の露出度が変わることから、ケチケチした運用は逆効果になりやすい傾向にあります。

求人広告媒体を使う場合は、ある程度まとまった予算を割き、場合によっては求人記事の内容もプロに任せるなどして、早期に採用目標達成に向けて行動を起こしましょう。

最新の中途採用手法のトレンドは?主要な手法14種類を徹底比較


自社の訴求ポイントを考える

求職者は、「誰でもいいから来て欲しい」という企業よりも、「あなたにこそ来て欲しい」というメッセージを送ってくれた企業の方を大事に考える傾向にあります。

そして、企業が「あなたにこそ来て欲しい」という内容のメッセージを送ろうと考えた場合、自社の訴求力につながるポイントを押さえておくことが重要です。

例えば、ダイレクトリクルーティングサービスを使っている場合、スカウトメッセージのタイトル・本文ともに「不特定多数に向けた文面」で送ってしまうと、求職者は真剣に読まない可能性が高いでしょう。

相手に伝わるスカウトメッセージを作成するためには、以下の点を押さえたタイトル・文章を作成する必要があります。

  • 職務経歴にじっくり目を通した上での判断であること
  • 求職者が自社で働くことに何らかのメリットがあること
  • 自社が求職者に期待していること

文章のトーンに関しても、候補者の立場を尊重するような書き方を意識して、読み手に「特別感」を抱かせるよう工夫しましょう。

他のサービスを利用している、例えば人材紹介サービスで欲しい人材に出会えない企業は、給与などの報酬面で他社に差をつけられている可能性があります。

そのような場合は、給与以外の魅力を社内で洗い出し、キャリアアドバイザーの視点も取り入れながら訴求力として文章化しましょう。

会社の魅力の伝え方|応募者を引き込むためのポイントを解説


情報発信の機会を増やす

求職者に向けて発信する情報は、具体的であればあるほど、求職者が応募を考えるメリットになります。

また、情報を発信する媒体が多ければ多いほど、自社について求職者に知ってもらえる機会が増えます。

限られた予算の中で求人媒体に情報を掲載しても、本当に自社が知って欲しい情報を求職者に届けるのは難しいでしょう。

この課題を解決したい場合、採用の「広報」的役割の担当者を自社で決めて、SNS・ブログといった複数の媒体から情報を発信するのが有効です。

情報発信時は、できるだけ入社後のイメージを膨らませるよう、ストーリー仕立てで発信すると効果的です。

その際、採用したい人材像を明確化しておくと、欲しい人材に情報がより届きやすくなります。

SNS採用の活動のポイント|狙える効果やメディア別の活用事例も紹介


母集団形成(求める人材像とマッチしない)

応募者数は十分なのに、そのほとんどが求める人材でない場合は、そもそも「自社が欲しい人材像」をきちんと求職者に伝えられていない可能性があります。

以下、母集団形成において“自社にマッチしない人材”が集まってしまう場合の、採用課題の解決策についてご紹介します。


採用ペルソナの作り込みが十分でない

応募者数自体は十分という場合、これまでの採用活動において訴求力は十分だったものと考えられます。

しかし、肝心の「自社に来て欲しい人材像」があいまいだと、企業・求職者お互いにとって不幸なミスマッチが続いてしまいます。

これを防ぐためには、欲しい採用ターゲットの人物像を具体化した「採用ペルソナ」を作り込んでいく必要があります。

具体的には、年齢・性別・学歴など詳しい属性だけでなく、ライフスタイル・趣味・価値観といった要素も盛り込んでいきます。

採用ペルソナを作り込むプロセスで、自社が本当に欲しい人材像に気付くこともあります。

求める人材と応募者がなかなかマッチしない場合、採用ペルソナをしっかり作り込むことで、これまでの採用実績と比較検討することが大切です。

採用ペルソナができあがったら、これまでに集まった人材の傾向と採用ペルソナを比較して、その間にある条件・差異を言語化します。

採用ペルソナにあって、これまでに集まった人材に欠けていたものが分かったら、次回以降の採用活動でそれらを求人広告などに反映させていきましょう。

採用活動は「ペルソナ」で成否が決まる|重要性や設計の流れなどを解説


発信する情報を見直してみる

自社の情報を求職者に発信する際は、求める人材像にマッチしている情報を提供できているかどうかが重要です。

採用活動において、母集団形成段階でミスマッチが続くようなら、欲しい人材が注目する情報を発信できるよう心がけましょう。

例えば、社内には中高年層が多いものの、今後は若年者を採用していきたいと考えている場合は、若年者に人気のコンテンツに近づけた内容の情報発信を意識します。

具体的には、Instagramなど画像・動画主体のSNSで企業情報を発信し、若年者の間で流行っている投稿を自社の事情に合わせてパロディ化するなど、注目を集めるコンテンツ作りにチャレンジしてもよいでしょう。

逆に、管理職候補や家族を持っている人向けに情報を発信するなら、福利厚生の充実や実際の現場で働く人の姿を見せるなど、求職者が自社のリアルな情報に触れられるよう配慮する必要があります。

自社の採用条件だけにこだわらず、多少の妥協点を設けることも検討しつつ、応募者が自社にアプローチしやすくなるような情報を発信することが大切です。


選考(辞退者が多い)

応募者数は十分なものの、いざ選考段階になると辞退者が増える場合、どのような採用課題が考えられるでしょうか。

以下、応募者が辞退を決断する原因と、企業側の対策についてご紹介します。

内定者フォローとは?効果的なフォローの手順や取り組み事例、便利なツールも紹介!


選考段階でモチベーションを高める取り組みが不十分

採用市場は、そもそも売り手市場であることから、求職者は基本的に複数の企業に応募することを検討しています。

そのため、選考段階においては、人材を見極めようとするだけでなく、人材側に自社の魅力をアピールできるような策を講じなければなりません。

採用活動である以上、応募者を評価することは大切ですが、一方で自社が「評価されている」立場であることも忘れてはなりません。

面接などの場では、応募者に対して他社よりも魅力的なポイントを伝えて、自社で働くモチベーションを高めるように仕向けられるのが理想です。

具体的な魅力・アピールポイントは、企業によって異なりますが、例えば以下のようなポイントが考えられます。

  • 仕事のやりがい
  • 事業の成長性
  • 経営者の魅力
  • 福利厚生・休暇
  • キャリアアップ等の支援制度

こういったポイントの中から、自社が応募者に訴求できるものを探し、積極的にアピールしていきましょう。

また、極力ミスマッチのリスクを減らしたいのであれば、色々な面談の手法を試してノウハウを蓄積し、効果の高かった手法を中心に活用することも大切です。

例えば、面談そのものの堅苦しさを省き、採用担当者と応募者が選考を前提としない雰囲気でコミュニケーションをとれる「カジュアル面談」で採用者を増やせたとします。

その場合、カジュアル面接の何が良かったのか、採用した社員から意見を聞いて内容をブラッシュアップすることで、さらに採用効率を高められる可能性があります。

採用面接とは違う「カジュアル面談」とは?目的と流れ、事前に準備しておきたいことなどを解説


対応力が不十分

採用活動、特に新卒採用に関しては、多数の応募者の中から採用を進めていかなければならず、採用担当者は諸々の対応に時間を費やすことになります。

他の業務と並行して採用活動を行えば、採用活動にかかる負荷もどんどん大きくなっていくでしょう。

そこで、担当者が一度でも雑な対応をしてしまうと、応募者が辞退してしまうリスクが増大します。

人員が少ない企業の場合、新卒・中途採用のほか、人事・労務全般の業務に少人数で携わるケースも十分考えられます。

「これは」と思った求職者がいても、こちらが迅速に返事を送らなければ、他社に人材をとられてしまうのは当然です。

こういった対応力の不十分さを解消するためには、どの採用プロセスで仕事が止まっているのか・必要な工数が不足しているのか判断する必要があります。

もし、工数不足が問題だと分かった場合は、例えば求職者管理を効率化できる採用管理システム等を活用し、自社人事のDX化・効率化を進めるべきです。


選考(合格者が出ない)

選考段階にまで進む応募者は多いのに、選考の結果、採用候補にまで手が届く人材は少なかったというケースもあるでしょう。

このような状況が続いている場合、以下のような理由が考えられます。


人材の見極めに問題がある

面接等の段階で合格者が思うように出ない場合、評価方法・判断が面接官によってバラついている状況が想定されます。

特に、経営者・管理職クラスを交えた複数人での面接を行っていると、複数人の評価がまとまらず、十分な見極めにつながらないおそれがあります。

面接官が、自身の経験・直感によって人材を見極めようとするタイプだった場合、採用に携わっている人材に比べて採用スキルも低いことが予想され、思い込みで優秀な人材を見逃している可能性も十分考えられます。

また、企業として応募者に課すハードルの高さが、結果として厳しい評価につながってしまい、いつまでも人材が採用できないまま時間が過ぎてしまうこともあるでしょう。

こういった状況を解決するためには、コンピテンシー面接の採用が効果的です。

コンピテンシー面接とは、応募者の過去の出来事を掘り下げていき、そのとき応募者がどのような考えで行動したのかを判断する方法です。

例えば、自己PRでリーダーシップを発揮した経験を応募者がアピールした場合、その経験が本当にそうだったのか、背景にはどのような事情があったのかなど、応募者の人間性を判断しやすくなります。

コンピテンシー面接とは? 実施するメリットやデメリット・質問例を解説!


選考基準を見直す

選考時、不採用となる人材が多過ぎる場合、それは選考基準に問題があるのかもしれません。

特に、選考基準が統一されていないと、欲しい人材の方向性さえ定まらないでしょう。

実際に選考基準を見直す場合は、人材のどんな能力・適性を評価するのか、評価項目を具体化することをおすすめします。

具体的には、面接評価シートを作成し、評価する項目・基準を統一することで、すべての面接官が迷わず評価を下しやすくなります。

選考基準の見直しに関しては、採用担当者は経営陣だけでなく、現場部門とのすり合わせを実施することも重要です。

自社にマッチする人材を獲得するためには、実際に現場で働いている従業員の評価も参考にしなければ、早期の離職につながるリスクが高まります。

一次面接・二次面接といった形で、段階を踏んで面接を行う場合は、その段階ごとに選考基準を整えていくことも大切です。

面接評価シートはどう作る?初心者向けに解説【サンプル付】


入社(入社後の早期離職者が多い)

入社を決断してくれた社員が、実際に働き始めてからすぐに離職してしまう場合、働き始めた新入社員の心には、何らかの形で不満・不安がうずまいていたのかもしれません。

早期離職者の数を減らすためには、少しずつ自社や現場の現実に内定者を慣らしていき、正式に働く前までに「自社で働く意識」を持たせることが大切です。

入社時フォローで早期離職を防ぐ方法~チェックリストを活用しよう。


ギャップの解消

会社説明会・面接等の段階で、自社のアピールを魅力的だと感じて入社を決断した内定者は、自社に過剰な期待を抱いている可能性があります。

入社前と入社後で、内定者がギャップを感じてしまった場合、早期離職のリスクも十分考えられます。

自社のアピールは確かに重要ですが、等身大の情報でなければギャップが生まれてしまうため、現実と大きく離れたアピールは見直す必要があります。

自社のことをよく知ってもらうためには、言葉を尽くして伝えるよりも、入社前に社内見学の機会を設けて現場を見てもらったり、懇親会を実施して社員同士の交流を深めたりする方が効果的です。

社内見学においては、ポジティブな面だけでなくネガティブな面も伝えると、ギャップの解消につながります。

同時に、内定者がギャップを感じていた部分が分かれば、その情報は次回以降の採用活動に活用できるはずです。


入社後のサポート体制を整える

採用は、新入社員が入社して終わりではなく、むしろそこからが新たなスタートです。

入社後に行う研修、社内におけるフォロー体制を充実させることで、新入社員の早期離職を防ぎましょう。

入社後に研修を行うのは、いわゆる「社内ルール」について、新入社員が現場に入る前に説明するためです。

社内でしか通じない用語・あるいは言語化が不十分なルールなどを、事前に説明しておくことで、新入社員のスムーズな現場入りを促すねらいがあります。

フォローに関しては、メンター制度を取り入れるなど、他部署との垣根を取り払って質問できる環境を整えることが重要です。

上司との関係性を構築する上では、1on1などカジュアルな形での面談を実施することにより、新入社員が業務上の悩み・問題点を打ち明けやすくなるはずです。

最終的に、人材が自社に定着するまでが、採用活動のゴールといえるでしょう。

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採用成功のキーポイント

先にご紹介した傾向と対策を踏まえ、採用活動を成功へと導くには、いくつかキーポイントがあります。
以下のポイントを押さえて採用活動を進めれば、より優秀な人材を採用しやすくなるでしょう。


採用ターゲットは関係者全員で考える

先述した通り、採用したいターゲット像をイメージする際は、各種項目を具体的に決めていくことが大切です。

このとき、採用ターゲットは「関係者全員で考える」ようにすると、採用後のギャップが生まれにくいでしょう。

例えば、現場社員の意見も取り込みながら具体化していくと、採用後のトラブルを避けることにつながります。

ただし、スキル・経歴等の条件を厳しくしてしまうと、応募者が集まらない・採用人数が少ないなどの問題が生じるおそれがあるため、多少の妥協点を用意しておきましょう。


多面的にターゲットをとらえ直す

ターゲットが魅力を感じやすいよう、アピールポイントを整理するためには、ターゲットの気持ちになって考える必要があります。

しかし、例えば自社の社風について社員にアンケートをとった場合、年配者と若年者では回答が違うのは当然です。

説得力のあるターゲットにするためには、人間関係・給与・福利厚生・ワークライフバランスなど、複数の観点からアンケートをとっていくことが大切です。

次第に、すべての社員が同じように感じている、自社ならではの魅力が見えてくるでしょう。

人事担当者が採用活動を進めるにあたっては、できるだけ複数の部署からヒアリングを行い、自社の魅力を洗い出すことが大切です。

その上で、自社の魅力がターゲットに刺さるかどうか考えながら、実際に訴求するポイントを絞り込んでいきます。


魅力は1つでいい

自社の魅力を絞り込む際は、最終的に「1つ」に絞れるまで整理することが理想です。

ターゲットに伝える自社の魅力は、多ければ多いほど、ターゲットに伝えたいことの輪郭がぼやけてしまうおそれがあるからです。

自社の魅力の中から、アピールポイントを1つに絞る上で役立つのが、同業他社・ライバルの求人情報です。

ライバル社の求人情報で触れられていない魅力があるなら、できる限りそちらを優先してアピールするようにしましょう。


転職サービスは「求職者の都合」にも注目して選ぶ

採用課題の解決にあたっては、自力ですべて対処しようと試みるだけでなく、より効率的に採用活動を進められるような工夫が必要です。

具体的には、転職サービス等の活用を検討することが大切です。

自社に合った転職サービスを選ぶ際の注意点は、自社のニーズだけに焦点を当てて選ばないことです。

仮に、人材紹介会社を選ぶとしたら、自社の採用ターゲットがそのサービスを使うかどうか意識して、諸々のサービスを比較検討するようにしましょう。

例えば、バックオフィス部門の人材を探しているなら、当然バックオフィス人材を豊富に紹介できるサービスを選んだ方が効率的です。


内定者はすぐ「仲間認定」する

内定を出した後、内定者の辞退を防ぐためには、入社までの時間で内定者に安心感を与えられるような配慮が必要です。

特に中途採用者の場合、内定の報を受けてからは、現職を離れるにあたって残務整理・引継ぎに相応の時間がかかるため、その中で転職への迷いを抱いてしまう可能性があります。

必要な書類のやり取りを行う際は、内定者に対して「一緒に働きたい」・「現場で待っている」などのメッセージを伝えられると、内定者の不安な気持ちを大幅に和らげることができます。

内定者につき、自社スタッフがいち早く「仲間認定」することで、内定者の気持ちに寄り添えるようなフォロー体制を構築すると、辞退率の減少につながるでしょう。


対応は迅速に

売り手市場において、企業の人材獲得は他社との競争です。

優秀な人材は、少しでも早く採用しないと、他社に奪われてしまうおそれがあります。

例えば、メールのやり取り等で返信が遅いと、それだけで求職者が自社に悪印象を持ってしまうかもしれません。

どうしても獲得したい人材へのアプローチ・対応は迅速に行い、求職者に信用されるやり取りを意識しましょう。


インターンシップ等の機会を活用する

大企業と比較して、知名度の低い中小企業が人材を獲得するためには、まず自社のことを知ってもらわなければなりません。

安定性・待遇の良さをアピールしようと思っても、そのまま大企業と条件を比較するのは厳しいですから、求職者には、別の形で「自社の魅力に触れてもらう機会」を提供する必要があります。

例えば、新卒者の採用に関しては、インターンシップによって学生との接点を増やし、現在働いている社員と触れ合う時間を作る方法があります。

比較的新しい採用手法としては、大学1・2年生の頃から学生と関係を築く「リレーション採用」なども魅力的です。

インターンシップ採用とは?種類や特徴、導入手順について徹底解説

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採用課題を解決した事例

ここでは、採用課題別に、解決した事例をご紹介します。


母集団形成(応募が来ない)を解決した事例

株式会社岩井製菓は、京都で伝統的な飴菓子の製造・販売、飲食店の経営をしている創業50年を超える老舗企業です。新卒からアルバイトまで幅広い職種で、求人をしていましたが、なかなか応募が集まらずに苦戦。

https://wagasyade-saiyo.atimes.co.jp/iwaiseika


母集団形成(求める人材像とマッチしない)を解決した事例

株式会社アウルは、静岡県清水区に本社をおく住宅の害虫予防・駆除を行う会社。人員強化のために営業および施工スタッフの募集をしていましたが、なかなか仕事の魅力が伝わらなく苦戦。

https://wagasyade-saiyo.atimes.co.jp/owl


まとめ

採用活動が思うように進んでいない場合、そこには何らかの採用課題があるものと考えられます。

採用課題を解決するためには、どの採用プロセスで問題が起こっているのかを突き止め、具体的な解決策を検討・実行する必要があります。

単純に自社で働く利点をアピールするだけでなく、ターゲットとなる人材像が魅力を感じるポイントを把握した上で、適切なメディアで情報を提供することが大切です。

もし、採用活動の中で「応募率低下」にお悩みなら、中小企業向け採用サービス「ワガシャ de DOMO」をご利用ください。

応募単価シミュレーションで事前に効果を予測した上で、応募者数増を実現するため、自社に来て欲しい採用ターゲットに刺さる求人記事を作成・運用致します。




ヒトクル編集部
記事を書いた人
ヒトクル編集部

「ヒトクル」は、株式会社アルバイトタイムスが運営する採用担当者のためのお役立ちサイトです。

「良いヒトがくる」をテーマに、人材採用にかかわる方々のヒントになる情報をお届けするメディアです。「採用ノウハウ」「教育・定着」「法務・経営」に関する記事を日々発信しております。各種お役立ち資料を無料でダウンロ―ドできます。

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