魅力的な求人票とは?記載のポイントや必要事項、表記上の注意点を分かりやすく解説!

魅力的な求人票とは?記載のポイントや必要事項、表記上の注意点を分かりやすく解説!
目次

採用活動で重要な項目の一つとして、求人票の作成があります。求職者は求人情報や求人票を確認して企業に応募するため、分かりやすく魅力的な求人票の作成は不可欠です。また、誤った求人票の表記を行うと法律違反になる可能性もあります。

そこで、本記事では求人票に書くべき項目や書いてはいけない内容、そして魅力的な求人票にするためのコツやポイントも解説します。

求人票の書き方や求人情報の記載にお悩みの方は、ぜひ本記事を参考にしてみて下さい。

【例文付き】効果が出る求人広告の書き方|創業50年求人メディアのプロが解説!

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求人票とは?

求人票とは、企業が募集する職種の仕事内容や労働条件、賃金などを記載して、求人媒体に提出する書類のことです。

求人票には必ず記載しなければならない項目が法令で定められており、求人媒体ごとにフォーマットが指定されている場合が多いです。

そのため、求人票を作成する際はルールを守った書き方を前提に、求人内容が求職者に伝わりやすいように工夫する必要があります。 

【求人サイトの求人票管理画面イメージ】


求人票で書くべき最低限の項目とは?

求人票では、作成の際に入れるべき最低限の記載項目があります。具体的には、職業安定法で下記のような項目の記載が必要であると定められています。

<求人票の必須記載項目>

  1. 業務内容
  2. 契約期間
  3. 試用期間
  4. 就業場所
  5. 就業時間(始業及び終業の時刻)
  6. 所定労働時間を超える労働の有無
  7. 休憩時間や休日
  8. 賃金
  9. 加入保険(労災保険、健康保険、厚生年金、雇用保険 等)


尚、上記以外にも裁量労働制を導入している場合には、その旨も記載しておく必要があります。さらに、固定残業代を支払っている場合は、時間外労働の有無に関係なく内訳について明示しておかなければいけません。

募集要項とは?書いてはいけない表現などを知っておこう!

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求人票で禁止されている記載事項について

求人票には記載が禁止されている事項もあります。注意しないと法律違反になる表現や事項もあるため、必ず確認しておきましょう。

詳細は厚生労働省のサイトの「採用選考時に配慮すべき事項」の部分でもチェックできますので、ご参照ください。

※厚生労働省|公正な採用選考の基本

尚、禁止項目としては下記のようなものが挙げられます。


① 性別を限定する記載

求人募集等で性別を限定するような記載は、男女雇用機会均等法によって禁止されています。同法律の第5条によって、採用だけではなく募集の段階から、性別に関係なく均等な機会を与えなければならないと規定されています。

したがって、女性もしくは男性のみを優遇し採用するような記載、性別によって給与や福利厚生などの労働条件を変える記載も禁止となります。具体的には「男性は経験者のみの募集、女性は未経験可」といった記載です。また、どちらかの性別を連想させる表現もできませんので、「営業マン」や「生保レディ」といった記載も違法となります。

ただし、例外として男女の雇用格差を解消するための取り組みでは、性別を限定しての募集や採用が認められます。また、仕事内容的に性別を限定する必要があるモデル業や、重量物を扱う職業なども例外として認められるケースがあります。


② 年齢を制限するような記載

年齢制限の表現も募集内容には記載できないため注意が必要です。この規制は2007年に規定された雇用対策法改正により定められ、合理的な理由がない限り年齢制限は認められません。

尚、合理的な理由については「若年者のキャリア形成のため〇〇歳まで」といった表現や、「深夜業務のため〇〇歳以上」といったケースが該当します。例外事由については、厚生労働省の資料に詳細が記載されているため参考にしてみて下さい。

※厚生労働省|労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&A

募集の際にはなるべく業務に適した年齢の方を雇用したいニーズもあるでしょう。その場合は、従業員の平均年齢や働くスタッフの写真などを掲載し、ターゲット層と近い年齢の方へ訴求すると良いかもしれません。

年齢制限のある求人は出せる? 「例外事由3号のイ」などの意味を解説!


③ 最低賃金未満の給与での募集記載

求人事業者が労働者を雇用する際には、最低賃金法により定められ賃金未満での募集及び採用はできません。そのため、求人票の記載でも、最低賃金未満での求人募集の記載は違反になります。

最低賃金未満での給与支払は、労働者との合意があったとしても違法となります。仮にその差額を支払わない場合、企業に対して是正勧告が出されます。さらに改善が見られないと「悪質」と判断され、50万円以下の罰金となる可能性がありますので気をつけましょう。

尚、最低賃金は都道府県ごとに設定されている「地域別最低賃金」と、特定の産業に設定された「特定(産業別)最低賃金」があります。例年10月に金額は改訂されますので、求人情報を作成する前に確認しておきましょう。詳しくは厚生労働省の最低賃金改定状況のページをご覧ください。

※厚生労働省|地域別最低賃金の全国一覧

ちなみに派遣労働者の場合には「派遣元」ではなく、「派遣先」の最低賃金が適用となります。違反とならないように事前に確認しましょう。


④ 居住地域を理由に制限する記載

出身地や居住地などで制限する記載も禁止となります。同様にして会社までの通勤時間を条件にした募集もできません。

【NG表現】 
「〇〇市在住の方」
「1時間以内で通勤可能である方」


⑤ 身体的な特徴や健康状態を理由に制限する記載

体型や容姿を理由に制限する記載や、身体障害・精神障害を理由とした制限の募集も禁止されています。身長や顔立ち、その他体型面は本人の努力で改善するのは難しいため、こうした要素を選考基準にすることはできません。

【NG表現】 
「心身ともに健康な方歓迎」
「身長170cm以上の方歓迎」
「体力に自信のある方歓迎」

業務上の適正として必要ならば、「人と話すのが好きで接客にも抵抗がない方歓迎」というように、客観的にどのような人物を募集しているか分かりやすい表現を心掛けましょう。


⑥ 国籍等で外国人を差別・制限するような記載

国籍や人種等による理由で差別・制限するような表記も禁止されています。

【NG表現】 
「外国籍の方はご遠慮ください」
「日本人のみ応募可能」

上記の様な国籍や人種への言及は、基本的にNGとなるため注意が必要です。求人票の作成に限った話ではなく、広告等でも同様となりますので気をつけましょう。

その他には、「外人」という単語も差別的な表現であるため禁止とされます。日常会話などで使われる頻度が多い言葉ですが、書類や広告などの記載では注意する必要があります。必ず「外国人」という表現で記載を行いましょう。

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求職者が求人票で重視している4つの項目とは?

求人票の作成では、禁止された記載項目の把握も必要ですが、求職者が重視する情報を記載しておく点も重要です。株式会社リクルートの求職者に対する意識調査では、主に下記の4つが仕事探しにおいて重視されている傾向がありました。

【参考】株式会社リクルート ジョブズリサーチセンター|求職者の動向・意識調査2021基本報告書

求人票作成の前に、ぜひチェックしてみて下さい。


① 就業場所

まずは求職者が実際に働く就業場所の情報です。人によって希望する勤務地は様々ですので、ターゲット層が通いやすい場所かを確認しておきましょう。また、本社とは別に事業所などが複数ある場合、実際の勤務先がどこになるのか分かりません。求職者が迷わないように明記しておきましょう。

尚、株式会社アイデムのアンケート調査では、求人応募の理由として「自宅から通いやすいから」という回答が最も多くなっています。

【参考】株式会社アイデム|【2022年6月仕事探しに関するアンケート調査】


② 勤務日数(休日・休暇)や勤務時間

勤務日数や勤務時間も求職者が重視する項目の一つです。記載する際は、週あたりの勤務日数が何日なのか、また1日あたりの勤務時間についても明記しておきましょう。

想定される残業時間についても書いておくと、入社後のトラブルも抑えられるため安心です。月ベースもしくは週ベースでの想定残業時間を記載しておきましょう。


③ 職場の雰囲気

職場の雰囲気も求職者にとって重要です。特に離職の原因として多いのが「人間関係」であるため、職場の雰囲気を重要視する求職者は多いでしょう。

近年はコロナウイルスの影響によって、同僚や上司とコミュニケーションが取りづらくなっています。したがって、求人票では職場の雰囲気も詳しく記載し、安心して働ける環境であることをアピールしておきましょう。


④ 仕事内容

実際に担当する仕事内容についての記載も重要視される項目です。具体的には、覚えるべき業務やスキルが分かるように記載しておくことが大切です。

どのような業務かイメージできないと求職者は不安になるため、明確な文章にするように心掛けましょう。


求人票の各項目の記載ポイント

続いて求人票の各項目の記載時におけるポイントも確認しましょう。より応募数を増やすためには、下記のような点を押さえて記載すると効果的です。


① 勤務日数(休日・休暇)

勤務日数を記載する際には、週に何日勤務するのか分かるように記載を行いましょう。また、アルバイトやパートなどの募集の場合には、1日あたりの勤務時間も記載しておきます。「週3~4日勤務」「1日4時間~6時間の勤務」といったように、具体的な数字を用いて書きます。

休日は、求職者との認識違いが起きやすいです。したがって「完全週休2日制(土日祝休み)」「月8日休み」「毎週水曜日は休日」などのように、月や週に何日休めるのか、また何曜日に休めるのか等も明記しましょう。

その他、有給休暇や特別休暇、年末年始休暇なども記載しておくと働きやすいイメージになります。

「有給休暇の消化率は90%」「リフレッシュ休暇として勤続3年ごとに5日間休み」などの記載をしてみましょう。何日休めるのか、どの程度休暇は利用されているのかも書いておくと参考になります。


② 職場の雰囲気

職場の雰囲気は求職者がイメージしやすいよう、具体的に表現しましょう。働いているスタッフの年齢、男女比率、経歴などが分かるように記載します。また、他部署や上司・先輩社員との関わりの様子、イベント事例などを紹介すると、求職者に雰囲気が分かりやすくなります。

具体的には、下記のような記載が効果的です。

<記載例>

20~30代の若手社員が活躍する職場です。

営業は未経験でしたが、充実した研修制度と先輩社員の丁寧な指導・コーチングにより、多くの方が実績を出しています。社員数は20名程度で、2週に1回の1on1ミーティングを実施。困ったときは気軽に何でも相談できる体制を整えています。


③ 仕事内容

仕事内容も求職者がイメージできるような表現を意識して記載します。重要なのは「どのような相手に」「何の仕事をするのか」を具体的に示すことで分かりやすい文章になります。また、業務において必要となるスキルやツール、1日の仕事の流れなども詳細に書くとイメージしやすくなります。

尚、記載方法として「簡単」「未経験でも可能」といった書き方だけでは具体性がないため、「本当に簡単な仕事なのか?」「実は難しいのでは?」と不信に思われてしまいます。未経験でも業務ができる理由や根拠を示すようにしましょう。

具体的には下記のような記載が良いでしょう。

<記載例> 

  • 営業の方法は先輩社員が3カ月のOJTで一から丁寧に教えるため、未経験の方でも可能です。
  • 資料作成はテンプレートどおりに情報を入力するだけです。Excelの基本操作ができればOKです。


④ 給与

給与の記載では最低賃金未満とならないように注意しましょう。最低賃金は見直しで金額が変わる場合もあるため、求人票作成のたびに確認しておくと安心です。なお、給与の表記ではあいまいな記載も禁止となります。「月給約20万円」といった不明瞭な記載は避けましょう。

また、給与の表記で多い「月給〇万円~〇万円」といった記載にも注意が必要です。幅をもたせた記載は、高い金額も努力次第で受け取れるという認識になります。

応募を集める上では効果的ですが、実際には払えない金額を提示していた場合、トラブルになるおそれがあります。必ず支払い可能な金額での表記を心掛けましょう。

その他には、月収・年収例や昇給・賞与・手当の内容も詳細に記載すると効果的です。例としては下記のように表記すると良いでしょう。

<月収の記載例> 

  • 月収25万円(入社1年目・営業社員)
  • 月収33万円(入社3年目・中堅営業社員)
  • 月収40万円(入社7年目・マネージャー職)

求人票の給与の書き方を徹底解説|応募者増につながる表現や注意点とは


⑤ 福利厚生


福利厚生は、自社の働きやすさをアピールする上で重要な項目です。「研修制度あり」「各種手当あり」「交通費支給」などの簡潔な書き方で終わらせずに、詳細な内容も含めて記載しておきましょう。

例えば、研修制度では研修内容や研修期間、研修場所や受講費等についても説明します。手当についても、どのような手当があるのか具体的に示しましょう。通勤手当や役職手当、家族手当や資格手当など、会社によって内容は様々ですので、明確に記載しておくとアピールになります。さらに手当の金額も表記しておくと効果的でしょう。

その他にも、寮完備であれば広さや寮費、間取りなどを示すと参考になります。また、食事補助・退職金制度・社員旅行・表彰制度等も書いておけば良いアピールになります。ぜひ社内の福利厚生を改めて見直して、詳細な説明を意識し求人票を作成してみて下さい。

<福利厚生の記載例> 

  • 通勤手当(月〇万円まで、実費支給)
  • 寮完備(寮費、間取り、近くにあるショッピングセンターやスーパーなど) 
  • 食事補助(上限5000円までなど、上限を記載)
  • 制服貸与、作業着貸与 ・役職手当(課長〇万円、部長〇万円、リーダー手当〇万円など) 
  • 資格手当(〇〇資格保持者には、月〇万円支給など)

福利厚生の種類や目的・企業にとってのメリットなどを分かりやすく解説


自社の魅力が伝わる求人票作成のコツ

求人票の作成では、いかに自社の魅力をアピールできるかも重要な要素です。そこで、自社アピールにつながる求人票の作成のコツについても解説します。

主に以下の2つの事項が重要ですので、求人票の作成前に考えてみましょう。


理想となる人物(採用ターゲット【=ペルソナ】)の設定

最初のコツは理想となる人物(ペルソナ)の設定です。マーケティングでよく活用される考え方ですが、採用においても効果的とされます。ペルソナはマーケティングだと「商品やサービスを利用する人の中で最重要の人物像」を指します。

採用におけるペルソナ設定でも同様に、雇用したい理想の人物を思い描くことで、行動パターンや思考、悩み、生活スタイルなどをイメージできます。

そして、具体的な行動・思考・悩みなどが分かれば、その理想となる人物に刺さるキャッチコピーや情報で、相手の興味を惹きつけられます。

ペルソナ設定では、主に下記のような項目を中心に詳細な情報まで決めてみましょう。

  1. 基本情報:名前、性別、年齢、家族構成、出身地、学歴、年収 など 
  2. 業務情報:業種、職種、勤務先、キャリア目標、職歴、仕事への不満 など
  3. 生活情報:趣味、起床・就寝時間、勤務時間、休日の過ごし方、よく利用するメディア など
  4. 思考情報:性格、価値観、悩み、夢や願望、興味・関心のあること など

尚、注意点としては自社にとって都合の良すぎる人物にしないことです。あまりにも理想が高すぎては、採用の候補者がいなくなってしまいます。

そのため、実在する人物を参考にペルソナを設定するのがおすすめです。既に自社で活躍している従業員、実績を出している従業員などが良いでしょう。そういった人物にアンケートなどを取って情報整理し、ペルソナ設定するのも効果的です。

採用活動は「ペルソナ」で成否が決まる|重要性や設計の流れなどを解説


伝えたいこと(コンセプト)を考え、訴求内容を絞る


ペルソナ設定ができたら、理想となる人物に伝えたい内容(コンセプト)を考えていきましょう。

これまでに収集した情報で、ペルソナがどのような悩みや願望があるかも把握できていると思います。その内容を参考にしながら、求職者に打ち出すべきコンセプトを明確にします。

具体的には、自社がペルソナに対してどのような価値を提供できるか検討します。「希望するキャリアや職歴を歩めていない」という悩みがある人物であれば、「入社すれば自由なキャリアデザインを描ける」といった具合です。何が提供できるか分からない場合は、3C分析などで自社の魅力を改めて探ってみると良いでしょう。

伝えたい内容の候補をいくつか出した後は、最終的に一番相手に刺さると思われるコンセプトを一つに絞ります。よくある失敗事例として、伝えたい内容が多く複雑になり、結局何も伝わらないケースがあります。そのため、訴求内容は一つに絞ってシンプルに伝えましょう。

尚、コンセプトの設定では「一貫性」が非常に重要です。「笑顔で明るく助け合う」というコンセプトにも関わらず、スタッフが無表情であれば疑念が生じます。さらに、面接等で必要以上に厳しい態度や冷たい対応を取られれば、明らかにコンセプトとは矛盾した印象を抱かれて信用を失います。

したがって、採用活動は全体を通して、コンセプトとの一貫性を保ちながら進めましょう。

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求人票の作成はポイントを押さえてから作成を始めましょう!

求人票の作成で必要な項目、記載してはいけない事項、求職者が見ている内容や書き方のポイントも説明しました。求人票は書き方を誤ると、法律に違反する可能性もあるため注意が必要です。

また、明確な記載を心掛けないと応募者へのアピールにつながらないため、理想となる人材を採用するのも難しくなるでしょう。求人票などを作成する際は、ぜひ本記事でポイントを押さえてから作成を始めてみてください。

もしポイントを押さえた求人票の作成をする時間がない、ノウハウがないという場合は、採用サービス「ワガシャ de DOMO」がお勧めです。

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ヒトクル編集部
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ヒトクル編集部

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